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カテゴリ:育児問題
●負担は少しずつ減らす
+++++++++++++++ 子どもに課負担による症状が 見られると、親は、あわてて 負担を減らそうとする。 そのときのコツが、これ。 『負担は、少しずつ、減らす』。 +++++++++++++++ ときに子どもは、オーバーヒートする。子どもはまだ後先のことがわからないから、そのときどきで、あまり考えないで、「やる」とか、「やりたい」とか言う。しかしあまりそういう言葉は信じないほうがよい。子どもが、音楽教室などへ行くのをしぶったりすると、「あんたが行くと言ったからでしょ。約束を守りなさい」と叱っている親を、よく見かける。が、それは酷というもの。 で、慢性的な過負担がつづくと、やがて子どもの心はゆがむ。ひどいばあいには、バーントアウトする。症状としては、気が弱くなる、ふさぎ込む、意欲の減退、朝起きられない、自責の念が強くなる、自信がなくなるなどの症状のほか、それが進むと、強い虚脱感と疲労感を訴えるようになるなどが、ある。もっともこれは重症なケースだが、子どもは、そのときどきにおいて、ここに書いたような症状を薄めたような様子を見せることがある。そういうときのコツがこれ、『負担は、少しずつ減らす』。 たとえば今、2つ、3つ程度なら、おけいこ塾をかけもちしている子どもは、いくらでもいる。音楽教室に体操教室、英会話などなど。が、体の調子が悪かったりして、1つのリズムがおかしくなると、それが影響して、生活全体のリズムを狂わせてしまうことがある。そういうとき親は、あわててすべてを、一度にやめさせてしまったりする。A君(小二)がそうだった。 A君は、もともと軽いチックがあったが、それがひどいものもらいになってしまった。そこで眼科へ連れていくと、ドクターが、「過負担が原因です。塾をやめさせなさい」と。そこで親は、それまで行っていた塾を、すべてやめさせてしまった。とたん、A君には、無気力症状が出てきた。学校から帰ってきても、ボーッとしているだけ。反応そのものが鈍くなってしまった。 子どものばあい、突然、負担を大きくするのもよくないが、突然、少なくするのもよくない。こういうケースでは、少しずつ負担を減らすのがよい。おけいこごとのようなものについても、様子をみながら、少しずつふやす。ひとつのおけいこが、うまく定着したのを見届けてから、つぎのおけいこをふやすというように、である。そして減らすときも、同じように数か月をかけて、徐々に減らす。でないと、たいていのばあい、立ちなおりができなくなってしまう。 A君のケースでは、そのあと、無気力症状が、1年近くもつづいてしまった。もし負担を徐々に減らしていれば、もっと回復は早かったかもしれない。さらにしばらくして、こんなこともあった。 以前のような子どもらしい活発さをA君が取り戻したとき、親が、「もう一度……」と、音楽教室へ入れようとしたことがある。が、それについては、今度はA君は狂人のようになって暴れ、それに抵抗したという。もちろんそのため、A君は、勉強全体から遠ざかってしまった。今も、もう、それから数年になるが、遠ざかったままである。 子どもというのは、一見タフに見えるが、その心は、ガラス玉のようにデリケート。そしてこわれるときは、簡単にこわれる。もしそれがわからなければ、あなた自身はどうなのか。あるいはどうだったかを頭の中に思い浮かべてみるとよい。あるいはあなたならできるか、でもよい。たいていその答は、「ノー」である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月10日 22時19分37秒
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