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楽天・日記 by はやし浩司

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2006年12月13日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
●児童虐待

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児童虐待の本当の問題は、
虐待そのものよりも、
子どもの心をどうケアするかに
ある。

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産経新聞は、つぎのように伝える。

「児童虐待の恐れがあるとして、全国の児童相談所が家庭への立ち入り調査が必要と判断した事例が、平成17年度中に207件あり、うち20件は保護者の拒否・抵抗などで執行を一時断念していたことが12日、厚生労働省のまとめで分かった。とくにネグレクト(育児放棄や怠慢)が疑われたケースは、身体への危害が見えにくく、立ち入りに踏み切れなくなる実態も浮かび、厚労省は『現行法の限界』としている」と。

 この記事を読んで、5年前に私が書いた原稿(中日新聞掲載済み)を思い出した。うち2作を、ここに添付する。

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●虐待される子ども
                    
 ある日曜日の午後。1人の子ども(小5男児)が、幼稚園に駆け込んできた。富士市で幼稚園の園長をしているI氏は、そのときの様子を、こう話してくれた。

「見ると、頭はボコボコ、顔中、あざだらけでした。泣くでもなし、体をワナワナと震わせていました」と。虐待である。逃げるといっても、ほかに適当な場所を思いつかなかったのだろう。その子どもは、昔、通ったことのある、その幼稚園へ逃げてきた。

 カナーという学者は、虐待を次のように定義している。(1)過度の敵意と冷淡、(2)完ぺき主義、(3)代償的過保護。

ここでいう代償的過保護というのは、愛情に根ざした本来の過保護ではなく、子どもを自分の支配下において、思い通りにしたいという、親のエゴに基づいた過保護をいう。その結果子どもは、(1)愛情飢餓(愛情に飢えた状態)、(2)強迫傾向(いつも何かに強迫されているかのように、おびえる)、(3)情緒的未成熟(感情のコントロールができない)などの症状を示し、さまざまな問題行動を起こすようになる。

 I氏はこう話してくれた。「その子どもは、双子で生まれたうちの一人。もう一人は女の子でした。母子家庭で、母親はその息子だけを、ことのほか嫌っていたようでした」と。

私が「母と子の間に、大きなわだかまりがあったのでしょうね」と問いかけると、「多分その男の子が、離婚した夫と、顔や様子がそっくりだったからではないでしょうか」と。

 親が子どもを虐待する理由として、ホルネイという学者は、(1)親自身が障害をもっている。(2)子どもが親の重荷になっている。(3)子どもが親にとって、失望の種になっている。(4)親が情緒的に未成熟で、子どもが問題を解決するための手段になっている、の4つをあげている。

それはともかくも、虐待というときは、その程度が体罰の範囲を超えていることをいう。I氏のケースでも、母親はバットで、息子の頭を殴りつけていた。わかりやすく言えば、殺す寸前までのことをする。そして当然のことながら、子どもは、体のみならず、心にも深いキズを負う。学習中、1人ニヤニヤ笑い続けていた女の子(小2)。夜な夜な、動物のようなうめき声をあげて、近所を走り回っていた女の子(小3)などがいた。

 問題をどう解決するかということよりも、こういうケースでは、親子を分離させたほうがよい。教育委員会の指導で保護施設に入れるという方法もあるが、実際にはそうは簡単ではない。

父親と子どもを半ば強制的に分離したため、父親に、「お前を一生かかっても、殺してやる」と脅されている学校の先生もいる。あるいはせっかく分離しても、母親が優柔不断で、暴力を振るう父親と、別れたりよりを戻したりを繰り返しているケースもある。

 結論を言えば、たとえ親子の間のできごととはいえ、一方的な暴力は、犯罪であるという認識を、社会がもつべきである。そしてそういう前提で、教育機関も警察も動く。いつか私はこのコラムの中で、「内政不干渉の原則」を書いたが、この問題だけは別。子どもが虐待されているのを見たら、近くの児童相談所へ通報したらよい。

「警察……」という方法もあるが、「どうしても大げさになってしまうため、児童相談所のほうがよいでしょう。そのほうが適切に対処してくれます」(S小学校N校長)とのこと。





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最終更新日  2006年12月13日 12時17分58秒



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