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カテゴリ:育児問題
●言葉能力
++++++++++++++ 言葉能力は、あらゆる学習の 基本となる。 が、今、その言葉能力そのものに 問題がある子どもが、ふえている。 ++++++++++++++ 日本人の男性と国際結婚した母親がいた。台湾から来た人だった。が、たいへん教育熱心な人(?)で、子ども(小1男児)がテストで、まちがえたりすると、そのつど子どもをはげしく叱っていた。ふつうの叱り方ではない。たいていは「どうして、こんなの、できない!」「できるわ!」の大騒動になった。 そこで私に相談があった。そのときその子どもは、小学2年生になっていた。しかし原因ははっきりしていた。その子どもは頭のよい子どもだったが、しかし言葉能力が不足していた。文章題が読めなかった。 たとえば「3足す4(3+4)」と「3が4つ(3×4)」の区別がつかなかった。母親が家の中では中国語を話していたこともある。しかしそれ以上に、母親の日本語能力が、問題だった。私と話すときも、「先生、息子、ダメ。算数、できない。どうして。これ、困る、ね」と。 そこで私は、「お子さんの言葉能力に、問題があります」と言った。するとその母親は猛烈に反発して、「うちの子、日本語、だいじょうぶ。話せる、あるよ」と。……と書くと、簡単な会話のように思う人がいるかもしれないが、こうした押し問答が、延々と三30分近くもつづいた。 説明するのに時間もかかったが、そのたびにその母親は、ああでもないこうでもないと反論した。「うちの子は、私が教えたら、できた。どうして学校では、できない、あるか」「中国では、1年生で、20までの数の足し引き算ができる」「うちの子、頭、いい。できないはず、ない」と。 が、何よりもその母親で不愉快だったのは、異常なまでの教育に対する、過関心だった。子どものささいなミスをとらえて、それをことさらおおげさに問題にしていた。私が「この時期は、学ぶことを楽しむことのほうが大切です。もっとおおらかに構えてください」と言ったのだが、最後の最後まで、「おおらか」という意味さえわかってもらえなかった。 この母親のケースは、極端なケースだが、しかしこれを薄めたケースとなると、いくらでもある。子どもが勉強できない原因は母親にある。しかし母親はそれに気づいていない。気づかないばかりか、このタイプの母親は、その責任は子どもにある、学校にあると主張する。そして結果として、子どもの伸びる芽すら、自ら摘んでしまう……。 この母親とはそのあとも、いろいろあった。で、やがて私のほうが疲れてしまい、最後は、「どうぞ、自分で教育してください」と、サジを投げてしまった。そのあとその母親と子どもがどうなったか、消息は聞いていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月02日 09時12分11秒
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