2501312 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

楽天・日記 by はやし浩司

楽天・日記 by はやし浩司

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007年07月13日
XML
カテゴリ:育児問題
【義母との問題】

●掲示板への投稿より

 こんな投稿があった。どこかの学生からのものだった。

 『現在学生をしており、妊産婦が妊娠・育児について義母から受ける影響について研究しています。間違った育児論により、妊産婦がなんらかの悪影響やプレッシャーを感じているのではないかと考えています。この研究に使用できる参考文献などありましたら、紹介していただきたいです。よろしくおねがいします』と。

 残念ながら、私はそうした(文献)を知らない。しかしその逆のことも言える。これは妊産婦にかぎらないことだが、若い世代の人たちは、古い世代の人たちの価値、あるいはその価値観を、あまりにも安易に否定しすぎているのではないか(?)。

 古い世代に対して、(敵意)のようなものすら感じている人も少なくない。「古い世代の言うことには、価値はない」と。それで育児論。

これはあくまでも私の個人的な意見だが、むしろまちがった育児論で、親自身が、子どもをダメにしてしまうケースのほうが、はるかに多いのではないか。(「ダメ」という言葉はあまり使いたくないが、ほかに適切な言葉が思い浮かばない。)もう少し、年配者、あるいは経験者の意見に耳を傾けてくれたら……というケースは少なくない。

 そこでアメリカはどうかというと、たとえば息子夫婦のケースだが、妊娠と同時に、毎週、出産、育児教室に通うようになる。出産後も、同じように通っている。最近、日本でも、各地で育児支援センターがたちあがっている。それなどは完全に欧米の制度のマネとみてよい。

 核家族化が進み、さらにカプセル家族化が進んだ。頼るべき両親、相談すべき両親が、近くにいないというケースも少なくない。育児支援センターは、そういう親たちにとっては、救いの場所ということになる。

 で、掲示板への投稿についてだが、私の調査では、こんなことがわかっている。14年も前にした古い調査なので、そのまま現代に当てはまるかどうかわからないが、ここに紹介する。

+++++++++++

【別居か、さもなくば離婚か】

●好かれるおじいちゃん

 祖父母との同居について、アンケート調査をしたことがある。その結果わかったことは、「好かれるおじいちゃん、おばあちゃん」の条件は、(1)健康であること、(2)やさしいこと、(3)経験が豊富であること、(4)控えめであることだった(一九九三年・浜松市内で約五〇人の同居世帯で調査)。

●子どもが生まれる前から同居が望ましい

 反対に同居する祖父母との間のトラブルで一番多いのが、子育て上のトラブル。母親の立場でいうと、一番苦情の多かったトラブルは、「子どもの教育のことで口を出す」だった。「甘やかしすぎて困る」というのが、それに続いた。

さらに「同居をどう思うか」という質問については、子どもが生まれる前から同居したばあいには、ほとんどの母親が、「同居はよかった」と答えているのに対して、途中から同居したばあいには、ほとんどの母親が、「同居はよくない」と答えていた。祖父母との同居を考えるなら、子どもが生まれる前からがよいということになる。

●たいていは深刻な問題に

 そこで祖父母との間にトラブルが起きたときだが、間に子どもがからむと、たいていは深刻な嫁姑戦争に発展する。母親もこと自分の子どものことになると、妥協しない。祖父母にしても、孫が生きがいになることが多い。こじれると、別居か、さもなくば離婚かというレベルまで話が進んでしまう。そこでこう考える。これは無数の相談に応じてきた私の結論のようなもの。

(1) 同居をつづけるつもりなら、祖父母とのトラブルを受け入れる。とくに子どもの教育のことは、思い切って祖父母に任す。甘やかしなどの問題もあるが、しかし子育て全体からみると、マイナーな問題。メリット、デメリットを考えるなら、デメリットよりもメリットのほうが多いので、割り切ること。

(2) 子どもの教育は任せる分だけ祖父母に任せて、母親は母親で、前向きに好きなことをする。そうした前向きの姿勢が子どもを別の面で伸ばすことになる。

(3) 祖父母の言いたそうなことを先取りして子どもにいい、祖父母には「助かります」と言いながら、うまく祖父母を誘導する。

(4) 以上の割り切りができなければ、別居を考える。

 大切なことは、大前提として、同居を受け入れるか入れないかを、明確にすること。受け入れるなら、さっさとあきらめるべきことはあきらめること。この割り切りがまずいと、母親自身の精神生活にも悪い影響を与える。
(小生の著書で、発表済み)

++++++++++++++

●家庭内子育て戦争

+++++++++++++

さらに、こんな原稿を書いた
こともある。

家族の問題は、相手から相談
があるまで、介入しない。

これは子どもを指導するときの
大鉄則。

+++++++++++++

 明らかに過保護な子ども(年中男児)がいた。原因は、おばあさん。そこである日、たまたま母親が迎えにきていたので、その母親にこう言った。「少し、おばあちゃんから離したほうがいいですよ」と。

おばあさんは、ベタベタに子どもをかわいがっていた。が、この一言が、その後、大騒動の引き金になろうとは!

 それから一か月後。母親がすっかり疲れきった様子で、幼稚園へやってきた。あまりの変わりように驚いて、私が「どうしたのですか」と声をかけると、こう話してくれた。

「いやあ、先生、あれからたいへんでしたの。祖父母と別居か、さもなくば離婚ということになりまして、結局、祖父母とは別居することになりました」と。ほかのことならともかく、親も、こと子どものこととなると、妥協しない。こんなこともあった。

 その老人は、たいへん温厚で、紳士的な人だった。あとで聞くと、中学校の教師をしていたという。その老人が、どういうわけだか、D君(年長児)の入試に、異常にこだわっていた。「先生、何としても孫には、A小学校に入ってもらわねば困るのです」と。

私はその老人の気持ちが理解できなかった。「元先生ともあろう人が、どうして?」と。が、ある日、その理由がわかった。老人は、こう話してくれた。D君の父親は、隣町のK市で勤務医をしていた。もしD君がA小学校に入学すれば、D君は、その老人の家から小学校へ通うことになる。が、入学できなければ、D君はK市の親のもとへ帰ることになる、と。

しかし入試の直前になって、事態が急変した。親が入試を受けることに、猛烈に反対し始めたのだ。私のところにも父親から電話がかかってきた。「今後は、我が家の教育については干渉しないでほしい。息子はK市の地元の小学校に通わせることにしたから」と。

 この事件はそれで終わったが、それから半年後。そのときその老人は、自転車に乗っていたが、車ですれ違うと、別人のようにやつれて見えた。孫の手を引きながら、意気揚揚と幼稚園へ連れてきた、あのハツラツとした姿は、もうどこにもなかった。

あとで聞くと、それからさらに半年後。その老人は何かの病気で亡くなってしまったという。その老人にとっては、孫育てが生きがい以上のもの、つまり「命」そのものだった。

 孫を取りあって、父母との間で壮絶な、家庭内戦争を繰り広げている人はいくらでもいる。しかし世の中には、こんな悲惨な例もある。例というより、一度、あなた自身のこととして考えてみてほしい。あなたなら、こういうケースでは、一体どうするだろうか。

 ある祖父母には、目に入れても痛くないほどの一人の孫がいた。が、その孫が交通事故にあった。手術をすれば助かったのだが、その手術に、嫁が、がんとして反対した。嫁は、ある宗教教団の熱心な信者だった。その教団では、手術を拒否するように指導している。

一度私が教団に確認すると、「そういう指導はしていません。しかし熱心な信者なら、自ら拒否することもあるでしょう」とのこと。ともかくもそれで、その孫は死んでしまった。
 
 その祖父はこう言って、言葉をつまらせた。「それまでは、愛だとか平和だとか、嫁の宗教も、それほど悪いものではないと思っていたのですが……」と。

+++++++++++++

 子育てには、その人の人生観、価値観、哲学(哲学があればの話だが)、そういったもともろのものの見方、考え方が集約される。さらにその人の過去が、そのまま反映される。

だから子育てをしていると、夫婦の間でも、対立、衝突は、しばしば起きる。起きて、当り前。子育てというのは、そういうもの。いわんや、義父母との対立、衝突など、今どき珍しくも何ともない。

 私が現在経験しているケースの中には、孫を取りあって、姑(しゅうとめ=義母)と嫁が、壮絶な家庭内戦争を繰りかえしているのもある。姑にしてみれば、「息子の子どもは、私の孫」ということになる。

 理由を聞くと、「あんな嫁に孫を任せておいたら、孫が、どんな人間になるか、わかったものではない。それが心配だ」と。

 しかし結論を先に言えば、親は、自分の息子、娘夫婦の子育てには、干渉してはならない。息子や娘から相談があれば、そのときは、そのとき。しかしそれまでは、そっとしておいてやる。それも、親の務めではないか。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月13日 09時05分27秒
[育児問題] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.