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楽天・日記 by はやし浩司

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2007年07月20日
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カテゴリ:社会時評
●バラエティ番組

++++++++++++++

昼のNHK定時ニュースを見たあと、
あちこちのテレビ局にチャンネルを
替えてみた。

驚いた!

バラエティ番組といえば、夜の番組
かと思っていたら、今では、昼間
から、この種の番組が、どんどんと
流されている。

昨日は木曜日だから、家庭の主婦層を
ねらった番組ということになる。

「昼間から、家庭の主婦たちは、
こんな番組を見ているのだろうか?」と
思った。

それにしてもレベルが低い。低すぎる。

ひとつのチャンネルでは、子だくさんの
母親を紹介していた。最高は、11人の
子どもを産んだ母親。

その母親の話を聞いて、ギャーッとか、
ワーッとか……。

もうひとつのチャンエルでは、風船を
地面に一度バウンドさせ、それを
昆虫アミで取りあうゲームをしていた。

大宅荘一が昔、「白痴化」という
言葉を使った。私はそれを見ながら、
その言葉を思い出した。

辛辣な言葉だとは思うが、戦後を
代表する評論家の言葉である。

5年前に、こんな原稿を書いた。

++++++++++++++

●学ぶ心のない子どもたち

 能力がないというわけではない。ほかに問題があるというわけでもない。しかし今、まじめに考えようとする態度そのものがない、そんな子どもがふえている。

 「享楽的」と言うこともできるが、それとも少し違う。ものごとを、すべて茶化してしまう。ギャグ化してしまう。「これは大切な話だよ」「これはまじめな話だよ」と前置きしても、そういう話は、耳に入らない。

私「今、日本と北朝鮮は、たいへん危険な関係にあるんだよ」
子「三角関係だ、三角関係だ!」
私「何、それ?」
子「先生、知らないの? 男一人と女二人の関係。危険な関係!」
私「いや、そんな話ではない。戦争になるかもしれないという話だよ」
子「ギャー、戦争だ。やっちまえ、やっちまえ、あんな北朝鮮!」
私「やっちまえ、って、どういうこと?」
子「原爆か水爆、使えばいい。アメリカに貸してもらえばいい」と。

 これは小学五年生たちと、実際した会話である。

 すべてがテレビの影響とは言えないが、テレビの影響ではないとは、もっと言えない。今、テレビを、毎日四~五時間見ている子どもは、いくらでもいる。高校生ともなると、一日中、テレビを見ている子どももいる。

よく平均値が調査されるが、ああした平均値には、ほとんど意味がない。たとえば毎日四時間テレビを見ている子どもと、毎日まったくテレビを見ない子どもの平均値は、二時間となる。だから「平均的な子どもは、二時間、テレビを見ている」などというのは、ナンセンス。毎日、四時間、テレビを見ている子どもがいることが問題なのである。平均値にだまされてはいけない。

 このタイプの子どもは、情報の吸収力と加工力は、ふつうの子ども以上に、ある。しかしその一方、自分で、静かに考えるという力が、ほとんど、ない。よく観察すると、その部分が、脳ミソの中から、欠落してしまっているかのようでもある。「まじめさ」が、まったく、ない。まじめに考えようとする姿勢そのものが、ない。

 もっとも小学校の高学年や、中学生になって、こうした症状が見られたら、「手遅れ」。少なくとも、「教育的な指導」で、どうこうなる問題ではない。このタイプの子どもは、自分自身が何らかの形で、どん底に落とされて、その中で、つまり切羽(せっぱ)つまった状態の中で、自分で、その「まじめに考える道」をさがすしかない。

結論を先に言えば、そういうことになるが、問題は、ではどうすれば、そういう子どもにしないですむかということ。K君(小五男児)を例にとって、考えてみよう。

 K君の父親は、惣菜(そうざい)屋を経営している。父親も、母親も、そのため、朝早くから加工場に行き、夜遅くまで、仕事をしている。K君はそのため、家では、一日中、テレビを見ている。夜遅くまで、毎日のように、低劣なバラエティ番組ばかりを、好んで見ている。(……らしい。)

 が、テレビだけではない。父親は、どこかヤクザ的な人で、けんか早く、短気で、ものの考え方が短絡的。そのためK君に対しては、威圧的で、かつ暴力的である。K君は、「ぼくは子どものときから、いつもオヤジに殴られてばかりいた」と言っている。

 K君の環境を、いまさら分析するまでもない。K君は、そういう環境の中で、今のK君になった。つまり子どもをK君のようにしないためには、その反対のことをすればよいということになる。もっと言えば、「自ら考える子ども」にする。これについては、すでにたびたび書いてきたので、ここでは省略する。

 全体の風潮として、程度の差もあるが、今、このタイプの子どもが、ふえている。ふだんはそうでなくても、だれかがギャグを口にすると、ギャーギャーと、それに乗じてしまう。そういう子どもも含めると、約半数の子どもが、そうではないかと言える。

とても残念なことだが、こうした子どもたちが、今、日本の子どもたちの主流になりつつある。そして新しいタイプの日本人像をつくりつつある。もっともこうした風潮は、子どもたちの世界だけではない。おとなの世界でも、ギャグばかりを口にしているような低俗タレントはいくらでもいる。中には、あちこちから「文化人」(?)として表彰されているタレントもいる。

日本人全体が、ますます「白痴化」(大宅壮一)しつつあるとみてよい。とても残念なことだが……。
(02-12-21)

● まじめに生きている人が、もっと正当に評価される、そんな日本にしよう。
● あなたのまわりにも、まじめに生きている人はいくらでもいる。そういう人を正当に評価しよう。

+++++++++++++++

 先の原稿は、5年前に書いたものである。その5年。日本の「白痴化」(大宅壮一)は、ますます進んでいる。昼間から、バラエティ番組が、流されるようになった。そのうち、朝から、流されるようになるかもしれない。






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最終更新日  2007年07月20日 10時47分44秒
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