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楽天・日記 by はやし浩司

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2008年10月25日
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カテゴリ:子どもの問題
●子どもの心理

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『子どもの先生は、子ども』というのは、私が
考えた格言である。

子どもは、子供どうし、たがいに大きく影響を
受けあいながら、成長する。

最近、こんな経験をしたので、ここに記録して
おく。

+++++++++++++++++++++

●R君(小2)のケース

R君は、幼稚園の年中児のときから、私の教室(BWこどもクラブ)に
通ってくれた。
聡明で、性格も落ち着いていて、ほかにこれといった問題はなかった。
が、いつも遠慮がち。
皆がワイワイ騒いでいるときも、ひとりだけ、みなのうしろで、静かに
それを楽しむといったふうだった。

そのR君は、小学校へ入ってからも、私の教室(算数クラブ)へ通ってくれた。
様子は、そのままだった。
目立たず、おっとりしたままだった。

で、私は、1~2年おきに、「言葉クラブ」という教室を開く。
以前は毎年開いていたが、このところ体力の限界を感ずることが多くなった。
だから、1、2年おきに、ということになった。

その言葉クラブ(英語と作文を交互に教える)には、K君(小3)という、
きわめて活発な子どもがいる。
好奇心がきわめて旺盛で、行動派。
何か新しいテーマを出すと、「やりたい!」「やりたい!」と、即座にくいついて
くる。
もちろん頭もキレる。
鋭い。

その言葉クラブに、R君も入ることになった。
最初、(これは母親からあとで聞いたことだが)、R君は、それにたいへん抵抗したという。
が、入ったとたん、水を得た魚のように、楽しみ始めた。
と、言っても、その言葉クラブのほうでは、相変わらず遠慮がちだったが、先の
算数クラブのほうで、大きな変化が現れてきた。

こういうことは、珍しくない。
(1+1=2)ではなく、(1+1=3)となる。
私は「1+1=3効果」と、勝手に呼んでいる。
クラスを2つにふやすと、その効果が、2倍以上になる。

それまで遠慮がちに行動していたR君が、見違えるほど積極的になってきたのだ。
これには驚いた。
(1+1=4とか、5)の変化といってもよい。

1~2か月もすると、算数クラブのほうでのR君は、むしろリーダー核的な存在になった。
みなと騒ぐようなときでも、先頭に立って騒ぐようになった。
(騒ぐことがよいわけではないが、どこか萎縮している子どもは、騒がせることによって、
エネルギーを外に発散させる。)

学校での様子も変わってきたという。
学校の先生が、K君の母親にそう言ったという。

もう一度、今までのことを整理しておく。

(1) R君(小2男児)は、年中児のときから、私の教室へ来ていた。
(2) 小1のときから、算数クラブに入った。
(3) R君は、おとなしく、目立たない子どもであった。
(4) 小2になるとき、R君は、言葉クラブにも、入った。
(5) そこで小3のK君に出会った。
(6) 国語クラブでのR君は、以前のままだった。
(7) しかし算数クラブでのR君は、まるで別人のように変化した。

R君(小2)が、K君(小3)の影響を受けたことは、すぐわかった。
動作(たとえば、手を小ぶりに振ったあと、相手を指差すなどのしぐさ)や、
友だちに話しかける言い方(「おいやあ」と言って、相手の肩を叩く)など、
K君そっくりの動作をし始めたからである。

もちろんK君のもっていた積極性も、そのまま受け継いでしまった。
「まるで別人」というのは、そういう意味である。

そのことを参観していたR君の母親に話すと、母親は、うれしそうに笑っていた。
私が「子どもの先生は、子どもですよ」と言うと、「そうですね」と。

もちろんどの子どもも、そうなるわけではない。
それまでの下地もある。
素養もある。
それらが積み重なって、そういう現象が現れる。
しかしこうした現象は、子どもの世界では、先ほども書いたように、よくある。
珍しくない。

子どもというのは、しばらくの間、観察学習を通して、周囲の情報を蓄積する。
そしてそれが満を期したとき、まるで爆発するかのように、飛躍的に成長する。
よい例が「言葉」である。

0~2歳まで、ほとんど話さなかった子どもが、2歳前後から、急に言葉を話し
始める。
文字についても、そうだ。
それまでいくら教えても、グニャグニュの線しか書かなかった子どもが、満4・5
歳を境に、急に文字を書き始める。
心理学の世界では、そういう(時点)を、「臨界点」とか、「臨界期」とかいう。

R君も、K君に出会って、それまで蓄積していたものを、一気に爆発させた。
結果的にみれば、「影響を受けた」ということになるが、実際には、K君がR君を
爆発させるきっかけになった。

ただ興味深いことに、言葉クラブのほうでのR君は、どちらかというと、静かで
おだやかな子どものままということ。
が、そうでいながら、どこかでいつも、K君を観察しているのかもしれない。
(少しずつ、活発になりつつあるが……。)
つまりR君は、言葉クラブで見ているK君を、算数クラブのほうで、再現して
いる。
この現象を簡単に説明すれば、そういうことになる。

子どもの世界をあまり知らない人のために、ここに、R君のことを、
記録として残しておく。

(はやし浩司 子どもの成長 子供の成長 子供の先生は子供 子どもの先生は、子ども 子どもの先生は子ども)


Hiroshi Hayashi++++++++Oct・08++++++++++++++はやし浩司






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最終更新日  2008年10月25日 06時57分39秒
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