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カテゴリ:社会時評
●月に1日勤務で、月額42万円?
++++++++++++++++++++++ 全国の都道府県で、これまた前代未聞の月額 報酬を支給していたことがわかった(読売新聞)。 まず、つぎの記事を読んでほしい。 これを読んで、怒らない読者はいないと思う。 ++++++++++++++++++++++ 『…… 新潟県収用委(定数7)は、3年間で収用手続きが1件もなく、会議が年4回ずつ開かれただけで、残りの勤務ゼロの月について委員11人に計1840万円を支給した。その会議も欠席し、25か月勤務実績がないのに、275万円を受け取った委員もいた。福島の収用、愛媛の選管、栃木の労働の各委員会も同様に、勤務実績がない月の報酬を3年間で1000万円以上支給していた。また、43府県は月に1日勤務の委員に対し、3年間に月額報酬約21億5000万円を出していた』(読売新聞・09年7月4日)と。 つまり、勤務実績がほとんどないにもかかわらず、県は、行政委員に対して、たとえば、11人に、計1840万円も支払っていた(新潟県)と。 記事の内容がふじゅうぶんで、正確にはどうなのかよくわからないが、こういうことらしい。 ●会議が年、4回開かれただけ。 ●4年間で、委員11人に対して、計1840万円、県が支給した。 これらの数字をつかって割り算をしてみると、11人の委員は、毎年、42万円、受け取っていたことになる。 しかも、その会議すら欠席し、25か月、勤務実績がないにもかかわらず、275万円も受け取っていた委員もいた、と。 だれが考えても、これはおかしい。 おかしいものは、おかしい。 そこで、全国の都道府県では、こうしたおかしな出費の見直しを始めた。 『北海道や兵庫など8道県は「月に1日も勤務しない場合は報酬を支給しない」と条例などで規定しており、勤務ゼロでの支給はなかった』(同)と。 私はこの記事を読みながら、「静岡県」の名前を懸命にさがした。 が、残念ながら、その記事には、「静岡県」の名前はなかった。 というのも、私は、(うわさ)として、似たような話を耳にしている。 正確な金額は忘れたが、たとえば選挙管理委員として、投票所に顔を出して座っているだけで、委員は、~~万円という日当をもらえる、と。 (一桁ではなく、二桁だったように記憶している。) それを聞いたとき、私はわが耳を疑った。 つまりそれほどまでに高額であった。 読売新聞の記事には、こうある。 ++++++++++++++以下、読売新聞++++++++++++++++ 『……34府県が2006~08年度、選挙管理(選管)と労働、収用の行政委員会委員に、勤務がない月も月額報酬を支給していたことが、読売新聞の調べで分かった。 ゼロ勤務の委員579人への支給総額は3年間で約3億4000万円に上る。 委員の月平均勤務は3日に満たず、月額支給は違法とする司法判断も出ている。神奈川、大阪など7道府県では、日当制の導入など実態に見合った支給方法への見直しを始めている。 47都道府県141委員会(定数計1300)の事務局に報酬や勤務実態を聞いたところ、08年4月時点で日当制の富山、福井、山梨、長野の収用委員会を除き、月額支給だった。このうち34府県89委員会が、勤務がない月にも36万円~5万2000円の報酬を支給していた。 月額報酬の平均額は、選管が約19万8000円、労働が約19万4000円、収用が約14万7000円。06~08年度の委員の月平均の勤務日数は、回答のなかった東京などを除き、選管1・93日、労働2・38日、収用1・56日だった。最も多い神奈川県労働委員で5・51日だった。 新潟県収用委(定数7)は、3年間で収用手続きが1件もなく、会議が年4回ずつ開かれただけで、残りの勤務ゼロの月について委員11人に計1840万円を支給した。その会議も欠席し、25か月勤務実績がないのに275万円を受け取った委員もいた。福島の収用、愛媛の選管、栃木の労働の各委員会も同様に、勤務実績がない月の報酬を3年間で1000万円以上支給していた。また、43府県は月に1日勤務の委員に対し、3年間に月額報酬約21億5000万円を出していた。 一方、北海道や兵庫など8道県は「月に1日も勤務しない場合は報酬を支給しない」と条例などで規定しており、勤務ゼロでの支給はなかった。 行政委員の報酬を巡っては、大津地裁が1月、滋賀県の選管、労働、収用の3委員について、「常勤同様の勤務実態がなく、月額での報酬支給は地方自治法違反」と支給差し止めを命じた。滋賀県が控訴している。 この判決を契機に、勤務実態に見合う制度への見直しが進んでいる。北海道は今年4月から収用委員の報酬を日当制に変更、宮城、群馬、神奈川、大阪、鳥取、大分の6府県も現在、日当制導入に向けて準備中だ』と。 ++++++++++++++以上、読売新聞++++++++++++++++ どうして「静岡県」の名前が、この記事の中にないのか? この記事だけで断定はできないが、静岡県は、『この判決を契機に、勤務実態に見合う制度への見直しが進んでいる』県のひとつには、なっていないということか? が、この程度の(特権)は、公務員の世界では、まさに氷山の一角。 友人や知人の中には、その公務員をしている人も多い。 だから私としては言いにくいが、しかしこんなことをしていたら、本当に日本は破産してしまう。 (すでに破産状態だが……。) ともかくも、「まあ、いいじゃないか、もらえるものは、もらっておけ」式の支給が、中央の官僚たちの世界だけではなく、全国、津々浦々の公務員の世界でも、常識化しているということ。 それがいかに恵まれたものであるかは、ひょっとしたら、すでにあなた自身も知っているはず。 が、これだけは忘れてはいけない。 そのツケは、回り回って、やがてあなた自身の上にのしかかってくる。 あなたの子ども、さらにはあなたの孫にのしかかってくる。 「私だけ、こっそりと得をすればいい」と、もしあなたが考えているとしたら、私はこう言いたい。 「あなたが、そう考えるから、あの手この手で、我も我もと、税金のつかみ取りを、みながしている」と。 そのひとつが、行政委員会委員への(月額報酬)ということになる。 しかしね、みなさん、どうしてこんなバカげた条例が、つぎからつぎへと、県、市、町、村議会で可決されるか、その理由がわかりますか? つまりね、議会が議会として、じゅうぶん、機能していないということ。 民主主義のとらえ方に、大きな穴があいているということ。 そのあたりからもう一度、洗い直さないと、こうした問題は、解決しないということ。 この記事を読んで、(怒り)を通り越して、(脱力感)を覚えるのは、けっして私だけではないと思う。 Hiroshi Hayashi++++++++July.09+++++++++はやし浩司 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月04日 18時19分55秒
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