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福寿草。
テレビでも山菜と誤報されたことのあるこの花は、強い毒を持つ草。 心臓麻痺を起こすアセトボキシンの他に、20種類もの毒を含みます。 その根を10cmほどやかんで煮詰め、飲んだために亡くなった方もいます。 福と寿の名を持つこの花は、福の神ではなく、死神がとりついています。 水辺に咲くスイセン。 その球根の毒、リコリンが嘔吐を招くことは知られています。 しかし葉に触れたり、匂いをかぐことでかぶれる人もいるのです。 それはフサザキスイセンに限ったことですが。 スイセンの花がうつむき顔を挙げない理由は、その秘密にあるのかもしれません。 うつむく白い花といえば、スズランです。 ウエディングベルを思わせる、その純白の花は、幸福を予感させます。 しかしその赤い実で失われる幼い命は、今でも数多くあります。 実にある3種の毒。 そのうちコンバラトキシンは、耳掻き一杯の量で人を死に至らしめます。 その心臓毒は水に溶けやすく、花を生けた花瓶の水にも殺傷力があるのです。 生前結ばれなかった恋人同士が埋葬され、その墓から咲いた花。 それがスズランと、北欧の伝説は伝えます。 スズランには、恋人達の恨みが込められているのでしょうか。 可憐で、汚れなき花に与えられた、冷酷な毒。 スズランを口に舞う乙女に、幸せのウェディングベルの音は届きません。 花が、彼女に伝えるメッセージ。 儚きものは、永遠に美しい。 【関連日記】銀杏の悲劇 ― 毒のある植物 ― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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