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2015.08.05
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カテゴリ:***** 科学 *****
「捏造の科学者」を読みました。
数頁読んでは考え込む。
そんなことを繰り返し、通読には長い時間がかかりました。

毎日新聞社の科学記者らしく、事件の経緯が良く分かる本でした。
ただ残念なのは、真理を追究する姿よりも、端々に他社とのスクープ合戦に一喜一憂する様子が垣間見られること。
断片的で扇動的な表現のスクープは、情報の混乱を招きます。
人々が欲するのは数時間早い情報ではなく、正確で整理された情報のはず。

しかし思えば、科学者も新聞記者と変わりません。
ライバルに先んじた研究成果の発表を、科学者がマスメディアを使ってまで発表します。
その発表は幾分誇張され、センセーショナルで、まさに研究成果のスクープ合戦。
そうしなければ、研究費が集まらず、研究が停滞するあせりが、STAP細胞事件を生みました。

誇張された成果発表、断片的な情報に翻弄されたのは、私の大きな反省点。
「論文がSTAP細胞の存在を論述できているか」と「STAP細胞があるか」は別問題。
それは早くから感じながら、両者の情報を混同させてしまいました。
「論文がSTAP細胞の存在を論述できていない」ことは早々に明らかであり、「STAP細胞の存在」を追究する長期を必要とする研究とは分けて考えなければなりませんでした。
実証試験は別問題であるのに、その試験の結果を静観しました。
同様の旨はこの本でも触れられていましたが、新聞記者も、理研も、他の研究者も、結局は交通整理できませんでした。

情報を交通整理できなかった理研は、責められても仕方がありません。
ただ、研究者を守り、組織を守ろうとした結果でもありました。
利己的といえば利己的で、ほめられたことではありません。
より冷徹で迅速な判断が必要でしたが、それは人としての弱さでもありました。

これらの事件では、いつも科学者の人としての弱さを感じます。
研究者を守ろうとして、結局は極めて優秀な科学者の命を奪うことになりました。
笹井氏自身にも最期まで、自分以上に組織を守ろうとした様子が感じられます。

連日の徹夜で疲れ果てた若手科学者が、「先生、成功しました!」と追い続けた研究成果を持ってくれば、
かける言葉は「ついにやったな! がんばった甲斐があったな!」であり、
「そんな結果が信じられるか! やり直せ!」ではありません。
人の努力を前にすると、真理の追究より気持ちを優先させてしまう。
その弱さが、今回の様な事件を生み出します。

科学者も人だから、ある意味で人としては弱い人だから、事件は何度も繰り返されます。
優秀な科学者の命を奪ってまでも、今回の事件で学べたものはほとんどありません。
もう一度、似た事件が起こったとしても、報道も、研究機関も、科学者も、適切に解決できるとは思えません。

反省ばかりが大きくて、得たものはほとんどない。
それだから、より悲しくてならない事件です。



少し難しい技術説明もありますが、この事件を深く考察されたい方はご覧ください。



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Last updated  2015.08.05 20:20:49
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