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カテゴリ:旅行・ドライブ
6月末の東京の旅のことを書き終えたので、途中までだった3月の長崎の旅に戻ることにした。 長崎孔子廟は、1893年(明治26年)に清朝政府と在日華僑が協力して建てたもので、日本で唯一の本格的な中国様式の孔子廟である。中国山東省の曲阜にある総本山並に、伝統美溢れた儀門や大成殿はじめ廟宇の随所に中国の歴史と文化、伝統芸術の粋がちりばめられている。 そのような歴史も知らずに50年前にここを訪れた私が今回は孔子廟を知りつくそうと、張り切って訪ねたのだ。そのために役立ったのが入場口でいただいた「長崎孔子廟・中国歴代博物館見どころご案内」だった。以下それらを参考にして回ることができた。 孔子とはそもそもどういう人物なのか、復習しよう。 「論語」で知られる孔子は、中国春秋時代の思想家である。 今からおよそ2500年ほど前、紀元前552年魯の国の曲阜郊外(現在東省曲阜市)に生まれた。 孔子の時代は周王朝が崩れ、諸侯が対立抗争した動乱期だった。 孔子は魯の定公に召されて要職にも就いたが、その後諸国を歴遊し14年後に祖国の魯に帰り、弟子の教育と研究に専念した。紀元479年没。 孔子の死後、門弟たちはかれの言行や子弟との問答などを集めた「論語」を編纂した。 入場門を入って右側に歩くとすぐ目に入るのが碧水橋(へきすいきょう)。 覺門(がくもん) 福建石獅(恵安県産の石獅子・ライオン) 両側に鎮座している。迫力に圧倒される。 創建90周年を記念し中国福建省から贈られた。 躍動的な彫刻がいろいろ飾られている。 龍蝠(りゅうふく) 儀門両側にある一対の石碑は、左のこれに唐代の呉道子が詠んだ孔子賛美の詩文が書かれている。 右側にあるものに宗代の米帯の孔子賛美の詩文が書いてある。 碑を背負っているのは龍王の長男で特に重いものを好んで背負おう”龍蝠”という。 儀門を内側から見る 儀門から中に入ると左右に「72賢人石像」並んでいる。 それぞれに表情があり見事である。 72賢人は孔子の弟子で「六芸」に通じた賢者であるという。 石像は等身大で重量1,8トン。それぞれ史実に基づいて北京美術工場で彫刻したものだ。台座には前面に賢人の名、後面に彫刻した製作者の名が記されている。 「六芸」とは徳、知、体に秀でた六つの才能の事である。 徳・・・・・礼(礼儀)・楽(音楽) 知‥・・・・書(書道)・数(数学) 体/・・・・射(弓の技術)・御(馬車の運転) 72賢人石像の奥にある大成殿の一部 探海(たんかい) 大成殿を囲む四隅に鎮座する石像は龍王の六男で、水を好む”探海”という。 本来は排水口の役目をするものだという。 欄干頭の龍 大成殿を囲む欄干頭の龍は殿中に祀られている孔子の方向を向いているという。 大成殿 明治26年(1893)建立以来百余年の風雪と原爆の衝撃に耐え、古式を今に伝える貴重な文化財である。軒下の左右に書かれた「有教無類」は「教えありて類なし」と読み、「身分を問わず、学ぶものは誰でも入門できる。教育によって、どういう人にでもなり得る」ということを簡潔に述べているのだという。 木造の神殿 奥に見えるのは「孔子座像」 孔子は学問の神様として崇められ、今日では受験生たちの参拝も絶えない。 また釈迦、ソクラテス、キリストと共に世界の四大聖人として讃えられているが、、最も早く生まれたのが孔子である。孔子の時代は「諸子百家」と呼ばれる多くの学者や論客が輩出され古代思想が花開いた時代だが、皇子はその先駆者として活躍し、今日まで影響を及ぼしている。 大成殿に祀られた孔子座像は曲阜で御霊入されたもので、高さ2m、座像として国内最大の大きさである。 麒麟(きりん) 聖人が世に出ると現れるといわれる中国古来よりの想像上の瑞獣で、草木を踏みつけたり生のものを食したりしないといわれる仁の心の厚い動物。姿は鹿に似て大きく、尾は牛、ひずめは馬、背毛は五彩で毛は黄色。左右に一対ある。 華表(かひょう) 宮殿や陵墓などの前に建てられる装飾用の一対の石柱である。 皇帝を象徴する龍が、一つの国の政治を、もう一つは市民の暮らしを監視監察していることを表している。 左は「角端」(かくたん) 右は翁仲像(おうちゅうぞう) 角端は吉祥を表す想像上の動物、いわゆる一角獣である。孔子にお供して話の善悪を聞き分ける獣だといわれる。重量2,5トン。 石人・翁仲 は孔子の弟子。一対あるが左右いずれも同一人物で、笏(しゃく)を持つ文人像と、剣を持つ武人像の姿をしており、文武両道兼ね備えた人であることを表している。重量2.5トン。 儀門を内側から写した。 まだまだ孔子廟には紹介したいものがたくさんあったが、今回はこれくらいにしたい。久しぶりに長いブログを書いたので、いささか疲れた。 見学を終えて、改めて外側から写してみた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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