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カテゴリ:カメラ、レンズ、写真
以前、旧西ドイツ製の2本のローコスト中望遠レンズを取り上げた。
いずれも軽量なアルミ鏡胴で3枚玉の、 イスコ・ゲッチンゲンとシュタインハイル・ミュンヘンのレンズで、 ピントは前玉回転式という安物レンズだったけど、 メーカー銘の後に都市名が入っているのも共通していた。 実は、これと同じ様なトリプレットのレンズが旧東ドイツにも存在していて、 手元にもファインメッス・ドレスデンとマイヤー・ゲルリッツの2本がある。 4本のレンズを俯瞰して見ると、何というか工業製品の都市対抗みたいで微笑ましいけど、 輸出産品として重要だった光学機器は、当時の東西分裂状況に於いて、 初心者向けの安レンズ1本でも、お互いに技術のレベルを誇示する重要な戦略物資だっと思う。 光学精密機器メーカーのファインメッス・ドレスデン(FEINMESS DRESDEN)は、 1872年にドレスデンで創業した老舗で、第二次大戦中は軍事用の光学兵器に関わっていた。 社名は恐らく、ファインが精密で、メッスはメッスングの計測と推察しているけど、 ヨーロッパの企業に良くある人名ではないような気がする。 同社は1970年にカールツァイス・イエナに吸収されるが、 1992年にはシュタインマイヤーに買収されて現在に至る。 一方、旧東側ではカールツァイス・イエナと共に光学レンズの顔であった、 1869年創業の老舗、マイヤー・ゲルリッツ(MEYER GÖRLITZ)は、 日本でも戦前から割と馴染みのあるブランドだ。 最近、そのマイヤーのレンズが驚く事にドイツで復活して、 日本では2017年12月15日より、ケンコーで受注が開始されることになるとは思わなかった。 手元にあるファインメッスのレンズは、 戦後の1954年から5年に渡って発売されたボノター105mmf4.5で、 焦点距離からして中判用としても供給されている筈だ。 そして、同じ様な焦点距離のマイヤー・ゲルリッツの方は、 1913年から1966年まで色んな焦点距離で作られて、 35mm判用としては1951年~1966年まで製造されていたトリオプラン100mmf2.8。 いずれも、ライカで湧いていた25年ほど前には誰も興味を示さず、 日本のカメラ屋さんでは旧ソ連製のレンズ以下の扱いだったので、 当然、2つとも市場価値が無く余り見掛けないレンズだった。 家にあるのは、昔バックパッカーで東欧をうろついていた時に、 プラハのカメラ屋さんで、やたらと安くて日本では見掛けないので、 珍しさも手伝って連れて帰ってきたのだ。 そういえば、クラウドファンディングでカネを集めて作ったという復刻版トリオプランの価格は、 期間限定で19万6千円から定価で21万5千円というものだったけど売れなかっただろうな。 何せ、プラハで買ったオリジナルは、高くても200コルナくらいではなかったか。 左がトリオプラン100mmで右がボノター105mm。 以前紹介した旧西側の安物前玉回転式のトリプレットと違い、 こちらの旧東側製は手抜き無しの直進ヘリコイドだ。 作例写真は全て銀塩写真。 ファインメッス・ドレスデン・ボノター105mmf4.5の作例1 夕刻のソバ畑で花が真っ盛り。 ボノター105mmの作例2 もう直ぐ日が暮れる。この時期の散歩景色の白眉タイム。 ボノター105mmの作例3 最近は田んぼの草刈りも日が傾いてから出ないと暑くてやり切れない。 ボノター105mmの作例4 日が暮れる寸前の山間の田んぼ。右上の梢に鷺が居てこちらを伺っている。 マイヤー・ゲルリッツ・トリオプラン100mmf2.8の作例1 夏の山間の散歩途中に、いきなり黒雲が広がってくると雷が怖い。 トリオプラン100mmf2.8の作例2 奥の方では既に雨が降っていると思う。入道雲の遥か上を飛行機が越えていく。 トリオプラン100mmf2.8の作例3 夏の山間の農道を歩く。日が落ちたらカメラを担いで散歩に出るのが楽しみ。 右下の奥に同じように散歩をする人がいる。 トリオプラン100mmf2.8の作例4 夏の山間の段々田畑では早朝が主な作業時間。 それから夕方になり涼しくならないと人を見掛ける事は殆ど無い。 トリオプラン100mmf2.8の作例5 令和元年も稲の生育は順調のようだ。 トリオプラン100mmf2.8の作例6 最近は畑の案山子も余り見掛けなくなった。絶滅危惧種になりつつある。 今の時代、見慣れたギチギチと固い描写のレンズばかりでは詰まらないではないか。 LOMOの描写が受けるのは、最近のデジタル写真のカチカチ描写に対する反動だろう。 プロやハイアマチュアが避けて通る非カリカリレンズでも、 自分の写真の本質には別に関係ないんじゃないかなと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.28 09:57:57
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