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2021.05.22
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カテゴリ:オーディオ
家のサブシステムに使っているCDプレーヤーはティアックのVRDS-10SE。
独自のVRDSメカを搭載した良いCDプレーヤーなのだけど、
最近、トレーが出たと思ったら勝ってに引っ込んだりして、
開閉時の作動音も大きくなってきた。

これはVRDS-10のスペシャルバージョンで当時の価格は10万円だった。
高かったけど、とにかくティアックが徹底的に音質に拘ったメカと回路で、
音は勿論のことデザインもお気に入りだった。

それでも、流石に1995年登場の古参デジタル機器。
今までの四半世紀を超えて生き抜いたのは、
そのオーバースペックとオーバークオリティのお蔭だろう。


修理可能かティアックに問い合わせると、
ピックアップ部分なら修理不可能だけど、駆動部分なら直せる可能性がありとの事。
但しダメでも最低16000円位は必要で、加えて工賃と部品代が必要らしい。
大体、箱なんかとっくに捨ててしまったので、あれを梱包して発送するだけでもゲンナリする。
送料だけでも4000円位掛かるんじゃないかな。


メインシステムのCDプレーヤーはSACDも聴けるマランツのSA-15S2。
タフで素直な良い音でずっと愛用してきたけど、こいつも生産中止品なので、
壊れたら修理が面倒くさそうだ。

と言う訳で久しぶりに、これに代わるマランツのCDプレーヤーはどんなものかなと突いたら、
15~16万円クラスのCD/SACDプレーヤーが無い。
これの上がいきなりSA-12という20万後半クラスになってしまうのだ。
これは参った。

ローエンドとハイエンド機種に分化して中間は廃れてしまったらしい。
売れないんだな。

どうせ10年近く使うので、
SA-12の実売価格を10年で割ると1年辺り25000円か。
そうなると、もう一段高価なSA-12の日本市場向けスペシャルバージョンの、
SA-12・OSEが気になってくる。

大体、1年辺り3万円で好きな音楽が良い音で楽しめると考えてみる。
コロナ禍のせいで、もうずっと旅行も行ってないし、
居酒屋も行かなくなったし、友人の顔さえも暫く見ていない。

ワクチン接種だって実際にはいつになるか分からんし、
コロナで死んじまったらカネなんか何の意味もない。
こうなりゃコロナ禍の憂さ晴らしでもしないとやってられない。


SA-12 OSEをマランツのホームページで調べると、
10シリーズのディスクリートDAC(Marantz Musical Mastering)」と、
「電流帰還型プリアンプ+スイッチング・パワーアンプ構成」を継承して、
10シリーズの半額の30万円という価格を実現するという使命を帯びて誕生しました、とある。

10シリーズの銅メッキシャーシ、5mm厚のアルミトップカバー、
アルミ無垢材から削り出されたインシュレーターを踏襲して、
コンデンサーの変更は行わず、抵抗をグレードの高い金属皮膜抵抗に置き換えた、
世界でも有数のプレミアムHi-Fiオーディオマーケットである日本市場向けの専用モデルらしい。


キモの、出来合いの1チップではないディスクリートという、
マランツオリジナルのDAC(デジタル・オーディオ・コンバーター)は、
元は1998年にライナー・フィンク氏により開発されたものだ。

一般的なLSIによる1チップのDACと違い、
SA-12では高性能で左右独立で2基搭載している、
SHARC/DSPデジタル信号処理用のプロセッサーを使った、
MMM-Streamというデジタル信号処理回路と、
CPLD素子を使った、1bitのディスクリートDAC回路の、
MMM-Conversionの2つの部分で構成されている。

最初のDSP素子によるMMM-Streamは、マランツ・オリジナルのアルゴリズムにより、
デジタルフィルター、ノイズシェーパー、レゾネーター、ディザーといった、
各種のオーディオ処理がなされ、
ノイズシェーパーとディザーに関してはユーザーでモードを選択が可能。

次にMMM-Streamから出力された1ビットの信号は、
高品位のデジタル・アイソレーター素子を経由して、
MMM-Conversionという独自のディスクリートDACに送り込まれる。
前段の高速DSPのお蔭で、これは一般的なFPGAよりもシンプルな構成らしい。

MMM-ConversionのCPLDで波形の成型と遅延などの処理を行って、
電圧信号をD-フリップ/フロップに出力。

贅沢にも専用電源で駆動されて同期駆動されるD-フリップ/フロップは、
その電圧信号のタイミングを整えて1bitの電圧を出力。

それを最後に固定抵抗とコンデンサを経由して、
最終的に高周波をカットしたアナログ信号に変換される。


この固定抵抗の回路も凝っていて、1ビットならケチれば1回路で済む所を、
1クロックずつタイミングをずらした、片チャンネル7個X2のバランス回路を組み、
左右合計28個もの回路を使用して、70KHz付近からの高周波ノイズを減衰させている。


とにかくディスクリートのDACは、
最小ではスマホに使われる数ミリ角で出来合いの1チップLSIと違い、
個々の素子を使い、途中にデジタルフィルターも組まなくてはならないので、
電源の引き回しも含めて回路設計が面倒だし、
使用する素子も増えて手間もコストも掛かるし場所も食う。

それでも、オリジナルのアルゴリズムでオリジナリティーのある音を追求すると、
どうしてもディスクリートでなければ実現できないものがある。

要するに、小うるさい日本のユーザー向けに、
ハイエンドモデルの肝になる部分を集めて作られた中級機というプレーヤーらしい。
待て待て、今では30万円が中級機なのか。


昔から信頼してオーディオ機器を買っている大阪の”逸品館”に問い合わせると、
確かに少々高いけど、それ相応のコスパの良いSACD/CDプレーヤーらしい。
おいおい、30万円でコスパが良いのか。

取り合えず逸品館に見積もりを取ってカネの工面を考える。
何せ、よりによって今年はクルマを買わなきゃならんのでな。
虎の子の頭金からちょっと回して後は酒を煽ってカードで分割か。

何やら半導体不足の影響もあるのだろうか、この機種は入庫が少ないらしい。
結局、プレーヤーの下に敷く逸品館のオリジナルブランド/エアボウの、
コーリアンボードという重くて鳴きの小さい樹脂ボードを追加して発注してしまった。
後は野となれ山となれ、コロナ退散+不景気退散祈願だ。


ラックの板の上にテフロンのシートを敷いて、その上にコーリアンボードを置いてある。
上が、テイアックと交代してサブシステムに繋ぎ変えたSA-15S2。
下が、今回導入したSA-12 OSEで、デザインはそっくりだけど重さが違う。

さて、これで音がどう変わるか。怖くもあり楽しみでもあり。
何せ、値段を考えると特にゴリゴリのオーディオ一筋のマニアではないので、
オーディオファンと音楽ファンが半分ずつの小市民は居たたまれない。

SAー12 OSEには、SA-15S2の重さも加わって音質的には有利になる。
何せトップカバーが5mm厚なので結構な重量でも平気だと思う。


両方とも、電源をオンした時に点灯する、
青いディスプレイは目障りなのでオフにしてある。

更に、SA-12 OSEは前述のように音に関わる設定が可能。
まず確認したのが、無操作時の電源オフディレイはデフォルトの無しで。

Dither(ディザー)という演算誤差を減らす信号技術に関して、
デフォルトのマランツオリジナル開発のDither1から、
誤差を減少させるけどS/N比は悪化という一般的な三角波の”2”を選択。

ΔΣモジュレーターのフィードバックをアレンジする、
NoiseShaper(ノイズシェーパー)は良く分からないので、
デフォルトの”3rd-1”のまま。

ヘッドホンは使わないのでPhonesは”オフ”。
オフにした途端に中でリレーが作動する音がした。
ノイズ対策と電源にも余裕が出る筈。
以上で設定は一先ず完了。


早速、最近買ったばかりの、
大貫妙子さんの2枚組リマスター版「ゴールデンベスト」をセット。
まだアンプも温まっていないのだけど、一聴、まずボーカルが良いね。
それと低域の力感が違うな。

これでは、違いが良く分からないので、
暫く大貫さんを聴いてアンプとプレーヤーが温まった頃を見計らって、
SA-15S2で聴いていたソフトを引っ張り出す。

「カメルーンのオペラ」を皮切りに、加藤訓子「三善晃へのトリビュート」、
「2挺のヴィオールためのコンセール集」、「テイク・ファイブ」、
”イーグルス”、”ノラ・ジョーンズ”、”サルバトーレ・アッカルド”、の各SACDを聞き比べ。

次に、「古代ギリシャの音楽」、シェフィールドLab、”キース・ジャレット”、
デッカのチャイコフスキー、”ホリー・コール”、”矢沢永吉”、”斉藤和義”、”竹原ピストル”、
”JUJU”、”夏川りみ”、加藤訓子「スティールドラム・ワークス・コンプリート」、
(敬称略)その他CDを山積みに。


トータルでは、低域の力感と厚み、中域のリアリティーと解像、高域の質感と伸び、
全体の音場の広がりと定位が見事で、思わず「凄ぇな、これは」と声が漏れる。
何というか、音を同じ太さの丸棒に例えると、
しっかりしたクロームメッキの鉄で出来た中空のパイプから、
表面をバフ仕上げで丁寧に磨き上げた真鍮製の中身が詰まった無垢になった感じだ。

特に個人的に大事にしているボーカルとバイオリンとピアノの音は、
定評のある安定した味の本醸造の日本酒と、冷蔵が必須という生酒の純米山廃の違いというか、
熱処理をしたプロセスチーズと、生きているナチュラルチーズ、
温室の野菜と、真夏の路地物の野菜といった所か。

本醸造だって居酒屋でワイワイ呑むなら、
変な高い酒よりもこっちの方が安くて飲みやすい上に熱燗も良い。
安売りで買って来たベビーチーズだって、
日持ちがして酒のつまみには欠かせないし、燻製にはピッタリ。
ハウス物でも最近のミニトマトは年中簡単に手に入って美味いので欠かせない。

ある程度の音で音楽を楽しもうと思えば、SA-15S2の音でも十分。
それでも、もっとじっくりと音楽と対峙したければSA-12 OSEはあった方が良い。

いつもの常備酒よりも思い切って奮発した純米山廃の生酒、
量の割に高いなあと思いつつ買ったナチュラルチーズ、
庭に生えている、収穫して10分も経っていない獲れたての野菜。

どれも、お盆やGWなどの長い休日に、いつもの友人達とワイワイやっていた頃に、
やってくる友人達の顔を思い浮かべながら揃えていたものだ。

今のコロナ禍のお蔭で大分ご無沙汰で寂しい限りだけど、ワクチンが行き渡って再び再会したら、
新しいCDプレーヤーの音をどう評価するか、今から楽しみにして待っている。





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最終更新日  2021.05.22 20:20:50
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