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2021.05.29
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カテゴリ:オーディオ
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​入力インピーダンスの高い真空管アンプで、
動作中の真空管を軽く叩くと振動をちゃんと拾って音になるのが分かる。

と言う事は、微小銀号を扱う入力インピーダンスの高い信号経路では、
ケーブルの導体が振動すればノイズが発生して、
逆に信号が流れると導体が振動してロスを生じる筈である。

従って、小さな信号を増幅して最後にスピーカーを駆動する場合、
途中の信号ケーブルに振動の影響はあると考えるのは当然だろう。


大分前になるけけど、アンプのピンケーブルをFMアンテナで使って余った、
高周波用の絶縁体が固い5Cー2Vという同軸ケーブルで作った事がある。
理由の一つは値段が安い事だったけど、手にした感じが振動にも強そうで、
80MHz前後の帯域に使える高周波用なら静電容量も小さい筈で、
せいぜい20KHz程度の低周波域なら余裕だろうと思ったからだ。

   電線の構造は、銅線と銅線の間に絶縁体が挟まったコンデンサーのようなもので、

 高い周波数になると電線間の静電容量(コンデンサ)の影響が大きくなる。
 具体的には、周波数が高くなるほど入力端子に辿り付く前に、
 電線間でショートして熱で消えてしまう事になる。
  コンデンサーのインピーダンスは、1/2πfc(π:パイ=3.14、f=周波数、
  c=コンデンサ容量:μF)なので、周波数が高くなるか静電容量が大きいほど、
  インピーダンスが低下して、最後には絶縁体を無視して導通してしまうようになる。

本来5Cー2Vは高周波用なので芯線は単線であるけど、
交流信号には表皮効果というものがあって、
周波数が高くなるほど導体の表面でしか電子が移動しなくなる。

    大体10KHzで0.66mm、10MHzだと21μmの表皮深さでしか電子は移動しない。

 商用電源の60Hzでさえ8.57mmなので、高圧送電線の中には、
 中心に強度はあるけど電気抵抗の大きいスチールのワイヤーを仕込んであるものまである。

同軸ケーブルは、中々安くていい音だなと喜んでいたのだけど、
144MHzとか430MHzなどのもっと高い周波数を扱う、
アマチュア無線用の5D-2Vに交換してみたり、
もっと太い方が損失も少なそうだと最終的には10D-2Vという14mm近い太さで、
硬くて曲がらず重いケーブルを無理矢理ピンケーブルに仕立てて実験をしていたけど、
太けりゃ良いもんじゃないなと思い、結局は5D-2Vをなるべく短くして使っていた。

今なら、8K放送の3224MHzを扱える、
S-7C-FBかS-5C-FBが良いかもしれない。


でも、次に疑問が湧いてくる。
同じ信号が流れる筈なのに、なぜホット側とグランド側で線が違うのだろうか。

と言う訳で、普通の0.75sq(㎟)の電源ケーブルでピンケーブルを作って実験。
ノイズを心配したけど、その心配もなく中々良い音だなと思い、
次にこれを割いて、4本を固く4つ編みにして組紐状のケーブルを作り、
2本一組の1.5sqで無理矢理ピンコードを仕立てたりしていたけど、
どうも一体型の方が音が良さそうなので、
以来、1.25sqX2芯の電源用のキャブタイヤケーブルを暫く使用していた。

   当時、スピーカーケーブルでも細い線を何本も編み込んだ組紐状の扁平ケーブルや、
 信号用には細い芯線を1本ずつ絶縁したリッツ線とか、
 物凄い細いフワフワしたような極細線だとか色々と流行っていたので、
 試したけど、どれもパワーの無い大人しい感じの音で好みではなかった。

次が一時流行ったOFCでモガミの低容量がウリのケーブルだったけど、
これは全く好みの音にならず何種類か買い込んだ高価なケーブルは全てゴミになった。
どうも、UHFのフィーダー線に似た、発泡構造のフカフカした絶縁体と、
外皮もペカペカと突っ張って曲がらない、軽量でカンカンと鳴る構造が、
音に影響を与えていたのではないかと思う。

   LC-OFCなどの導体の素材に関しても、

   ダイレクトカットのシェフィールドLabの創立者が、
 1930年代の骨董機材で録音した音に衝撃を受けた事を知るべきだし、
 LP時代になっても、まだそういう素材が無かった1950年代のAクラスの録音が、
 現代の最新録音を上回る場合がある事を考えると、実際には言う程の事は無いのではないか。

 普通の0.02%~0.05%酸素を含んだ銅の場合、
 他の不純物の濃度が同じであれば、酸素が酸化物を生成すると、
 その部分に不純物を集めてしまう為、それ以外の部分の純度が上がる。

 不純物・格子欠陥による抵抗は温度による熱振動の1/300というデータがあり、
 幾ら銅の純度を上げても、タフピッチ銅と比べて0.3%しか違いがない。
 要するに銅の電気抵抗の主な要因は温度であり、温度が高い程抵抗値が大きくなる。
 
 
そうこうしている内に、オーディオ評論家の長岡鉄男さんが、
家庭内の電原線で使われる、芯線が針金のような単線で構成された、
VVFという電気工事用の灰色をした、小判型の2芯ケーブルを使っている事を知って、
早速VVF1.6という、導線の外径が1.6mmのケーブルを試したら実に良い。
音に力があって情報量が多くて、まるで霧が晴れたように音が出る。


表皮効果で、表面に高い周波数が流れて中心部に低い周波数が流れる事を考えると、
細く分割されている撚ったバラ線は、素線1本ずつが色んな場所で、
個々に各周波数による固有の振動しているようなイメージがあり、
1本の針金のような単線はそれ自体が頑丈で、
色んな周波数で振動しても、外部から振動させられても、
振動自体が相殺されたりして鳴きが小さいのではないか。

と言う訳で、以来数十年に渡りピンケーブルはVVFケーブルを愛用している。
1.6mmは0.8X0.8X3.14で2sq相当の太さがあり、
加工も容易だし簡単に曲がるのでラックの裏でも設置が容易。

 一度、3.14sq相当の2.0mmを試したけど、
 焼きなましをしてある筈なのに芯線が曲がらず半田付けが大変なので止めてしまった。
 10D-2Vで太けりゃ良いってもんじゃなかったし。
 但しスピーカーケーブルには使える。

 因みに、スピーカーのような8Ω程度のローインピーダンス負荷は、
 途中の抵抗分がそのままロスになるだけなので、
 メインのスピーカーケーブルは頑丈な2芯の8sq電力用CV線。

VVFの欠点は、そのままだと同心円方向に簡単に撚れるほど動くし、
特有の鳴きがあるので、鳴きを押さえて導体を固定するためのテーピングが必要となる。

とにかく、信号ケーブルは導線がしっかりと固定されて、
表皮に触った感じが薄くてペカペカしていたり、
軽く振っても簡単にブラブラしたりしないような頑丈さが重要で、
今までの経験から、ケーブル自体が持つ機械的な物理特性がそのまま音になる。

静電容量に関しては、VHF領域(30~300MHz)で使う、
平べったい300Ωインピーダンスの平衡フィーダー線を見ても、
導体と導体の中心は10mm弱離れているだけなので、
3.5mmも離れていれば低周波域では騒ぐほど影響は無いだろうと無視する事にする。

メリットだってある。高い周波数は嫌でもショートしてキャンセルされるので、
ケーブル自体が一種のノイズフィルターとして働き、
全体としては低周波域への悪影響も小さくなるというものだ。


最近、CDプレーヤーを変えたので、合わせてピンケーブルを新調した。
ピンプラグはアマゾンでPailiccsの4個で1700円というのを購入。
ケースもプラグ部分もガッチリしていて強度が高そう。

但し、ケーブルの太さに余裕を持たせるためにプラグケースの穴を、
9mmのドリルでケーブルが通る部分を少し広げてある。
そのままでも、絶縁テープを巻いた時に引っ掛かるけど実用には問題無いと思う。

全体のダンピング材は、耐絶縁性と耐熱性と耐寒性にも優れた、
アメリカ製でシリコン製自己融着テープの白いレスキューテープを使用。
これの上からブチルゴムの自己融着テープを追加。
半田は昔から使っている国産の銅入りのものを使う。

1.半田付けする位置に合わせて、グランド側とホット側のVVFの芯線を切断。
  ピンプラグのケース部分を線に通して、
  中心のホット側には予め5mm程に切った熱収縮チューブを入れておく。
2.ピンプラグの外側にある本体から伸びているグランドの位置と、
  中心のホット側とVVFに半田上げをして、
  最初にホット側の位置を確認しながらグランド側を半田付けした方が楽。
3.イモ半田には注意。引っ張ってからルーペで確認して確実に半田が入り込んでいるか確認。
  剥き代はグランド側でも3~4mm、ホット側で2mmもあれば十分。
4.ホット側の収縮チューブをコテかヒートガンで収縮させて、
  半田付けしたグランド側とホット側の線の間に、電線が傷ついてショートしないように、
  レスキューテープを適当に切って巻き付けて、軽くラジペンなどでホット線をカシメて固定する。
  その上から絶縁テープで固定して補強。
5.レスキューテープを軽く引っ張りながらケーブル全体に巻き付けて補強して、
  その上から更に回転の向きが逆の反対方向で綾になるように、
  ブチルの自己融着テープを引っ張りながら重なるように巻き付けて二重の補強。


最後に、RとLのマークチューブを結束バンドで固定して出来上がり。
VVFの良い所は、曲げやすくて形状を固定できることなので、装置の裏側の設置に楽。

メインのアンプとCDプレーヤーはラックの最下段の左右にあり、
2つともエアボウのコーリアンボードの上に載せてあるので、
よく見る振動を拾いやすい上下の空中配線ではなく、
しっかりと固くて重いボードの上にケーブルを這わせて接続する事が出来る。


多種多様で有象無象の魑魅魍魎というオーディオケーブルの世界は昔から闇の中。
何か絶賛されたと思えば、暫くすると形も無いというポッと出のアイドルの様なものだ。
カネを掛けようと思えば百万円くらい簡単に掛けられるという恐ろしい世界。

個人的には、自分で大枚をはたいたり、良いぞというものを借りて来て試した結果、
オーディオを謳う高価なケーブル程に眉唾ものであるように思う。

もう、こうなると宗教である。
それはそれで満足していれば何の害も無いのだけど、
これを人に押し付けてこられると、ゴミレベルという訳もいかないので、
「良いんだけどちょっと高いので」、とか言ってお引き取り願うのが大変。

オーディオなんて各々音の好みがあるので、
例えば、BGM的な聴き疲れのしない甘いソフトな音が好みであれば、
なるべく、長くて細いスピーカーケーブルと、
なるべく、ヘナヘナして軽量のピンケーブルを選べば目的は達成されるだろう。
個人的にも、時にはこういう音が良いなと思う事があって驚く事がないでもないけど、
暫く聴いていると、こりゃダメだと苦痛になって来る。

基本的に入力インピーダンスが高い微小信号を扱うオーディオ信号のケーブルは、
値段、静電容量、見てくれ、ブランド、海外製、世間の評価といったものに惑わされてはいけない。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2021.05.29 19:30:07
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