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2023.05.09
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カテゴリ:広井勇
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💛らんまん 4月8日 東京に着いた万太郎と竹雄は、野田基善らがいる博物館へと足を運ぶ。野田から東京大学への紹介状をもらった万太郎は、名教館時代の学友・広瀬佑一郎の元へ向かう。佑一郎に紹介してもらっていた叔父の家には、植物標本などの荷物が多すぎる、叔母は古新聞にはさんだ植物から虫がわくと大反対だ、だから捨ててほしいと言われる。

佑一郎は、人が自然とともに生きる助けをしたいと、東京で鉄道を通す仕事にまい進し、蘭光先生が言っていた金色の道を歩んでいる

「万太郎と佑一郎が大人になっても繋がってて、蘭光先生の言葉も生きてるのがいいなあ」との声。
 願わくは、佑一郎の「金色の道」も、スピンオフで丁寧に描いてほしいもんだなあ。



「ボーイズビーアンビシャス」第1集より抜粋
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3 宮部金吾による札幌農学校の同級生の思い出
 宮部金吾は札幌農学校の友人が亡くなった後、その「小伝」を作って、同窓会の会報に載せた。
○宮部が卒業後札幌農学校に残ることが決まり、内村が我が事のように喜ぶ麗しい話がある。
「明治十三年の春、ある日森校長から『話したいことがあるから宅へ来てくれるよう』との伝言があったので、早速その夜、おたずねしたところ、『卒業の上は君を本校の植物学教官にしたい。その準備として、明年卒業後に直ちに東京大学へ送り、植物学をまず二ヵ年専修させ、そのうえ機を見て更に洋行もさしてやるから、そのつもりで健康に充分注意して、よく勉強するように』と申し渡された。私にとってこんな嬉しいことはなかった。これで私の一生の方針がはっきりきまったのだ。私は、その夜、寄宿舎に帰室すると、すぐ内村君から『何かうれしいことがあるな。きっとすばらしくうれしいことがあるにちがいない』と幾度か言われた。堅く校長から口留めされていたが、生涯のこの友にだけは口を割らざるを得なかった。内村君は『よかったな、よかったなあ』と連呼して、私の肩を幾度かたたいてくれた。」宮部金吾と内村鑑三の友情を物語る。
○新渡戸稲造「札幌農学校在学中は、明治天皇陛下の御綸旨に適い奉るため、また故郷に在る老いたる母堂を悦ばせるため、特に農学に全力を注ぎ、一年級の時には二等賞を得、二年級の時には一等賞を得られました。また英語の学力においては級中誰一人君に及ぶ者なく嶄然として頭角を露わしていました。常に読書に耽りまして学校の図書館所蔵の英書中文学、伝記、宗教等に関するものは悉く読破されたのであります。入学当時、君は頗る快活で思慮分別に富み歳に似合わずませたところがありました。時に諧謔を弄したり、又人をからかったりすることが好きでありました。運動会では幅跳び並びにサックレースで一等賞を取っていました。又好んで室内で相撲を取ったものであります。ところが卒業前一、二年の頃より多読の結果思想に動揺を来たし、ことに神学上の懐疑に陥り憂鬱な人となってしまいました。同級生はそこで君を呼んで『モンク〔修業僧〕」とアダナしたのであります。」
広井勇生徒時代から製図は君の最も得意とする処であった。教師よりの依頼で学校構内の測量図を見事に作製したものが、札幌農学校第四年報の口絵として掲載されている。この図に依って校舎の配置や計画中の樹木園並びに潅木園や温室とその附属花園等の位置が明らかにされている」(「宮部金吾」p86)「君は無口の方であったが、時に好んで無邪気な諧謔を弄したりした。また何かおかしなことがあると腹を抱えて笑いこけることもあった。君の趣味として読書が第一であったと思う。第二の趣味としては狩猟であろう。山野を跋渉する時には必ず銃を肩にして出掛けたもので、何かしら獲物を掲げて得々として帰ったものである」(「宮部金吾」p87)
君は正義剛毅の性格を有し、誤まれる行為ありと思えば、師であれ先輩であれ又友人後輩を問はず、忌憚なく直言する勇気を有していた。ある時、人体生理学の外国教師〔カッター〕が朝講義室に入るや、直ちに講壇の卓上にその引出しの内容が散乱していたのを見て、学生のいたずらと誤認し非常に怒り、クラス生徒に、『このような行為は決して紳士の為すべきところではない、宜しく私に謹謝すべし』と言い終るや、君は直ちに立って『先生一体事の真相を調べないで他人を非難するは、貴国においてはそれを紳士的と申しますか、まずよくお調べ下さい』と言った。かねて教師が事務所へ引出しの修繕を依頼してあったと見え、希望通りの修理が行われていたのを見て、大工の仕業と直ちに悟り、教師はクラスメイトに対し“Gentleman, I beg you pardon!”と言って男らしく謝り、すべてが立派に解決したことがあつた。広井君にこの気骨と勇気のあるのを始めて知った同級生は君に対し少なからぬ敬意を払うようになった。」(「広井勇君小伝」)


13 広井勇の手紙とジェントルマンの工学の創造
「札幌農学校の三人組と広井勇」は、四人の手紙を編年でまとめたものである。それにもかかわらず、広井勇の手紙はほとんど収録されていない。これは第一に、広井が三人組から幾分離れた立場にあったことから、三人組にあてた手紙が少ないこと。内村や新渡戸は没後門人らによって全集化され、その後も熱心に研究が行われ、資料の収集、英文の手紙の邦文訳がなされているのに対し、広井については没後「工学博士広井勇伝」(昭和五年十月一日発行)の外は、高崎哲郎著「山に向かいて目を挙ぐ 工学博士広井勇の生涯」以外は研究が少なく、出版されていないこと。さらに広井自身が自らの信仰について、外部に一切公表せず、信仰に関する手紙は処分したとされることが大きい。「広井勇伝」p.185-201の「書翰より見たる廣井博士」には「博士が同窓の親友たる内村鑑三氏との信仰上の問題に関する往復の書信などは全部焼き捨てた」(同書p.186)とある。本来それこそ本資料に収集しておきたいもので残念である。同書には、明治十六年六月、広井が上野鉄道局に在勤中、宮部金吾にあてた病気見舞状を前頁に収録した。これは英文のものであるが、幸い高崎哲郎氏の上記書p.91-93に大意が邦訳されている。広井が選ばれて札幌農学校の卒業演説を行った時の演題は『最高なる道徳の準度は北海道農家に緊要なり』だった。「広井勇伝」p.25では「これがおそらく博士が公衆の前で信仰に関して説いた最後であったろう。以後信仰については全く沈黙の人となった」とある。
広井が「科学研究に対する君の『激しい情熱』は僕にその方面での努力を促した。君は自然研究においてキリスト教徒の真の精神を培っている。生涯にわたり努力することを切望する」と、信頼を置く宮部金吾への手紙には、広井自身が、自らの信仰について率直に語っている貴重な手紙である。
「僕が君に打ち明けた宗教上の確信は日に日に強まるばかりだ。僕は努力することを学んだ。この確信において努力することこそキリスト教徒の最大の義務だ。神の教えを守るため努力あるのみ。暇があったら、ヨハネの信書を考えてみてくれ」(資料11 p.114)
広井の素晴しさは、生涯を通じて祈り続け、「キリスト教徒の真の精神」にかなうよう、「生涯にわたり努力」し、自らの人格を作り上げたことにある。
また、広井が日本の近代工学の創造に寄与した功績は大きい。東京帝国大学工学部出身の土木工学者の系譜に、「民衆のため、人類のため」といったエートスを注ぎこんだ。広井は、札幌農学校時代、成績も中程度で、新渡戸が「広井は高尚な言葉や大言を好む、彼は精神的であるのが好きだ」と評したように、内村や新渡戸には幾分軽んじられ、また本人の品格も傑出していたというわけではない。「広井勇伝」p95には広井が繰り返し家人に語っていた言葉が記録されている。「自分の如き者は素質に於て、決して天才と云ふ質ではない。他人が三日にて成就する事も自分には一ヶ月もかゝるのである。その点からしても、ただ祈りと努力があるばかりである。」
広井は「築港」緒言に言う。「港湾修築は国家重大の事業である。計画を立てるに当っては最も慎重・周到にし、百年にわたって違算ないものでなければならない。実に技術者の千載の栄辱は設計にかかっている。このため慎重・周密、遠く図ることを要する。」
広井はピューリタニズムを昇華し、高貴さ(ノーブル)を持った技術者精神を作った。百年後も耐える設計や工事施工を行った。小樽港北防波堤〔本書裏表紙〕がその例で工事で使用したコンクリート材の耐久試験が百年経った現在でも行われている。
旧島松駅逓を案内して頂いた元土木技術者は言われた。「もっと広井勇は知られてよいと思います」と。まことに広井勇はもっと広く知られるべきだと思う。
内村は広井の告別の辞で広井の工学は「キリスト教的ジェントルマンの工学」であったとし、それがゆえに貴いとした。広井勇は日本の工学を「鋭い工学的良心」に満ちた品格あるものとしたのである。





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最終更新日  2023.05.09 04:31:03



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