楽団鹿殺し『喇叭道中音栗毛』/伊丹 AI・HALL
今日は「劇団」鹿殺じゃなく「楽団」鹿殺しの公演を観てきました。 「喇叭道中音栗毛(らっぱどうちゅうおとくりげ)」「楽団」と、いっても音楽ショー的な物じゃなく音楽要素の多めな演劇でした。大太鼓、スネア、SAX、トランペット、トロンボーン、アコギ、リコーダーを使った演奏と歌でストーリーを盛り上げてました。各楽器は各キャストの演奏で別にバンドがいるわけではない所も凄い。(これまでの公演でも劇団員が打楽器やブラスセクションを演奏しています)とにかく今回もじゅうぶんに楽しめました。笑えたし感動したし大満足な舞台でした。舞台の下手、上手に客席から丸見えの楽屋があって、そこで準備したり着替えたりとそこの空間もなんか不思議な空気でおもしろかった。現在の鹿殺しは座長、演出家の菜月チョビさんが1年間カナダに留学してるために、劇団鹿殺しとしての本公演はせずに他劇団への客演や、客演を入れてのコラボ公演や今回のような公演の活動をしています。今日、劇場でチラシをもらって知ったのですが、あの「鳥肌実」さんとコラボする公演が発表されてました!これはめちゃくちゃ楽しみ!鳥肌実さん好きは自分の回りに何人かいるので彼らも鹿殺し公演誘ってみようかな。8月公演だし終戦の事とか原爆の事とかを芝居にするのだろうか?今日、観劇した「喇叭道中音栗毛」の事・・・あらすじを簡単に書くと。大江戸線に乗ってた中嶋るみ(傳田うにさん)は、懐かしくなって急に新宿駅で下車。東口方面に歩くと若い頃に通ったJAZZ喫茶「マロングラッセ」に入った。既に普通の喫茶マロングラッセになっていてその頃のマスターもいなかった。しかしマスターの息子(橘輝さん)が後を継いでその店を続けていた。店に入ると様々な事が思い出されて、るみは1970年のあの時の事を思い出し語り始める。舞台は1970年の店内とシンクロして行くようにあの頃の仲間たちが登場してくる。高校時代のるみ(坂本けこ美さん)と親友の春(有田杏子さん)大宝(教祖イコマノリユキさん)と龍宝(近藤茶さん)やじさん(浅野康之さん)と北さん(峰ゆとりさん)そして矢島マイ子(鷺沼恵美子さん)そこをたまり場にしていた仲間たちが尊敬する教授(伊藤ヨタロウさん)とみんな呼んでた男から手紙がマロングラッセに届いた。その中身は自殺をほのめかすような内容だった。教授は伊勢で蕎麦屋をしてるという。時代は1970年…1969年のWoodstockを頂点にヒッピーやフラワーチルドレンの文化が落ち着きつつある年。日本では万国博覧会が大阪で開催されてた。そう!あのBLACK SABBATHが1970年プロデビュー。Woodstockの頃、サバスはEarthとしてサイケ色強めのブルースロックバンドをしていた。1970年メジャーレーベルと契約と同時にBLACK SABBATHとして活動開始。OZZY,TONY,GEEZER,BILLの4人で最高のヘヴィロックバンドが生まれる。後にOZZYが脱退して違うボーカルが入ったりしてお茶を濁すような時代も長くあったけど、結局最後はOZZYが戻って来た。あとはドラムのBILLが戻ってきて再始動第二弾のアルバムを作ってくれたら最高なんだけど…で、関係ない話になってしまったけど「喇叭道中音栗毛」7人は金も車もないので徒歩で伊勢に向かう事にした。一方、伊勢の蕎麦屋は教授の弟(丸尾丸一郎さん)と妻の絵美(円山チカさん)が先祖代々続く蕎麦屋を営んでいた。兄の教授にも店を手伝ってもらうため伊勢に呼び寄せていた。そこで、試行錯誤して店を続ける中、人間関係のもつれが生まれだす。7人は東海道をひたすら歩く。途中で幽霊旅館や鉄砲水や河童と遭遇しながら伊勢へ向かう。何とか蕎麦屋に辿り着くと・・・流れだけ書けばこんな感じですが、中嶋るみは喫茶マロングラッセで1970年のあの旅を思い出し、その頃の自分たちと会話しながら今になって知る事実もあったりしての郷愁に包まれた斬新な舞台でした。開演前に流れてたSEも1970年前後の曲。やっぱり天地真理さんの「ひとりじゃないの」が最強かと^^;天地さんの声が客席に流れた瞬間に劇場全体の空気を変えてしまうパワーを感じた。内山田洋とクール・ファイブの「逢わずに愛して」もしぶいチョイスだった。これはずばり1970年のヒット曲。天地さんのは1972年のデビューから3作目のシングル。由紀さおりさん「手紙」も1970年の作品だった。夢は夜ひらくは三上寛さんバージョンが良かったけどなぁ^^;藤圭子さんなら同じ年に発売された「女のブルース」の方が好き。「夢は夜ひらく」は三上寛さんのバージョンがかっこ良すぎる!「三上寛のひとりごと」「三上寛の世界」バージョンは別格でまたいいけど、やっぱり「ひらく夢などあるじゃなし」バージョンが一番聴きごたえあるし泣ける。1982年「このレコードを盗め!!」バージョンはテクノロックバージョン。このバージョンの凄い所はメドレーとして弾き語りの「あしたのジョーなんかきらいだ」が途中に挟まってる所。「♪あしたのジョーなんかきらいだ〜 太って結婚してしまった西の方が俺は好きだ 飛行機に乗って無邪気にはしゃいでた片目のおっちゃんの方が俺は好きだ 燃えつきて灰になってしまうような奴なんて俺は嫌いだ 力石と二人で賭けた血と涙のブルースが誰もいないリングの上に木霊したとき、 ジョー!お前は本当にあしたが来るのを信じていたのか お前が殴り続けていたものはカルロスでも力石でもない お前はお前のあしたを殴り続けていたのさ あしたの来るのを信じていたなら、なぜ、なぜ洋子を抱き締めなかったんだ ジョー!ジョー!」そうそう!2003年LIVEバージョンも強烈です!三上寛さんの「このレコードを盗め!!」はなかなかの名盤です。初期の作品ほど評価されていないのが何となく悔しい。で、楽団鹿殺し。とにかく毎回凄く楽しみな劇団です。脚本、演出の丸尾丸一郎さんが次はどんな事をするのか楽しみ。毎回公演前にできるだけ予備知識は入れないようにして何も知らない状態で観劇するのが自分の劇団鹿殺しの楽しみの1つ。HPの説明やPVとかも公演観終わったあとでいつも観るようにしてる。これは中島みゆきさんの「夜会」を観劇するときも同じ。宝塚歌劇の時は前もって誰がどんな役だとか、どんなストーリーで、どんな演出だとか情報をかなり入れてから観るけど。鹿殺しの時は観劇しながら同時にいろいろ考えたりするのが楽しい。伊藤ヨタロウさんの芝居と歌に惹き付けられまくりでした。アコギのワイヤレスがとらぶってたっぽかったけど、生音でビシッとやってカッコ良かった!それからやっぱり傳田さんが良い!90才の母親を看病しながら生きてる未婚の60才女性の役。若い頃を演じる坂本さんの芝居も凄く良かった。その親友の春を演じる若狭さんは今回でかなり認識したし芝居も好きだった。やじきたの二人も今回で芝居してるのをじっくり観た感じ。峰さんの芝居はまだクセもなく真直ぐな感じでこれまたかなり良かった。浅野さんは前に何かの時に目立ってた印象があったけど、今回は出て来たとき、誰なのか分からない扮装でした。やじきた二人ともおもしろかった。丸尾さんと円山さんと伊藤さん3人の場面はどの場面も何か凄かった。教祖イコマノリユキさんの強烈な存在感も最高でした!歌うまいし^^終演後、ホールのすぐ近くの居酒屋に入ったら、なかなかな当りの店だった。ミョウガ丸ごと揚げた天ぷらもおいしかったし、料理はどれも良かった。地酒の種類が多かったのも良かった。最初は冷酒呑んでたけど、剣菱の熱燗と男山の熱燗に落ち着いた。気づいたら11時過ぎてて急いで帰った^^;また、伊丹AI・HALLで何かあったら今日行った居酒屋に行こうかな。もう一軒、すぐそばに串カツメインの居酒屋もあったけど、予約でいっぱいらしく入れなかった。そのおかげで今日、入った居酒屋が発見出来たので良かった^^その串カツメインの居酒屋も気になるけど^^;前に白雪の樽がいっぱい積んでたので最初、ここにしようと思ったんだけど、白雪の樽酒があるんだろうか?最近、白雪が凄く好きになったのでそれが気になった^^;