カテゴリ:Q輔とU子と「子供大人化計画」
うちの電話台にあるペン立てです。 妻のアイデアで、真鋳という金属のカップをペン立て代わりにしています。 え~、そこら辺に転がっていた鉄くずを拾ってきた訳ではありゃーせん。あはは。 イオンの雑貨屋さんで買ったらしい。メーカーなどは不明です。 俗に「真鋳」と言われるこの金属、正式には「黄銅」と言って、 身近なところだと、五円玉とか仏具とか管楽器とかに使われている金属と言えば、みなさん、ぴんとくるのではないでしょうか? そうそう、水廻りの蛇口や給水管も、実はこの真鋳。あれは、真鋳にクロムメッキを塗布したものです。 妻は、この真鋳が経年劣化していく様が、味があって好きなのだそうです。 ちなみに、夫が経年劣化していく様は、やたら忌み嫌いますけどね。とほほ。 えーっと。 昨晩のこと。晩飯食べた後に、ソファーに腰かけ、テレビ見がてら、 僕、ちゅーちゅーアイスをポキッってへし折って、ガジガジかじっていたらさ。 長女のP子(7歳)が僕んとこ来て「パパ、そのちゅーちゅー半分ちょうだい」って言うから、 「いいよ」つって、P子に半分あげました。 そしたら、それを見ていた次女のOちゃん(3歳)が「Oちゃんもちゅーちゅー欲しい!」って言うじゃんか。 うーん、こいつら、今さっきデザートでゼリー食べてなかったっけ?ったくよお~。 「あの~お姉ちゃん、今あげたちゅーちゅー、Oちゃんと二人で、順番にかじりっこしなさい。」 「え~~~~。」 「こらこら、お姉ちゃんでしょ。」 そしたらさ、お姉ちゃん、しばらく考え込んじゃってさ、 「・・・私、いらない。Oちゃん、早く元気になって欲しいから、食べて。」つってさ。 ここ2日ばかり、夏風邪で保育園を休んでいたOちゃんに、ちゅーちゅー譲ったのね。 んで、P子がその場を離れたので、Oちゃん、ちゅーちゅー独り占め。ガジガジ。 その後、その場のなんとな~くの流れで、家事を終えた妻と次女と僕の三人で、じゃれ合って和気藹々と遊んでさ。 さあ寝るべ、つって二階の寝室へ行きがけ、ふと見ると、リビングの片隅にポツリとお姉ちゃん。 んんん?なーんか妙だな? 自分のランドセルがしまってある棚の扉を、無意味にバッタンバッタン開けたり閉めたり。 Oちゃんの木製の三輪車にまたがって、テーブルのまわりをグルグル回ってみたり。 気になったので、「おーい、お姉ちゃん、どうしたん?」と聞いても。 「・・・別に。」つって、ぷいっとそっぽを向いたまま。 明らかに様子が変なので、「どうしたん?どうしたん?」としつこく聞くんだけど、 「知らない。」「ほっといて。」つって、壁の方向いて、こちらに顔を向けようとしない。 らちが明かねーから、僕、無理やり顔を覗き込んだらさ。 なんと、お姉ちゃん、目に涙をいっぱい溜めて、今にも泣きだしそう・・・。 んで、静かぁ~な、なんちゅうか、あふれ出す感情を噛み殺すような声で、 「Oちゃんばっかり、いいな。」 と一言。 それでも、泣かない。 ぐっと、堪えている。 げげ!こ、これはいかーーーん! これ!絶対よろしくないパターンのやつじゃん! 僕、お姉ちゃんを慌ててギュッとハグして、「いやぁ~、なんかパパ、ごめんねぇ~」つって、 「よぉ~し、今からパパと2階で二人っきりで、『あはれ!名作くん』を見ましょう!」なんつって、 お姉ちゃんが親を独占できるような状況を、急ごしらえでつくったりして・・・。 そしたら、下の階から、バカ次女とアホ妻が、 「パパ~、Oちゃんも、お2階行きたぁ~い!」 「お~い!もう一人子供連れてけぇ~!愛する妻が、一人でドラマを見たがっとるぞぉ~!」 ちゅうからさ、 んもおおおおおお~~あのなぁぁぁ~~~~、 今ぁ~、すんげぇ~、大事な時だからぁ~、 外野は、だぁーってろ!! つってさ。 お姉ちゃん、1時間ぐらいパパ貸し切りで、超VIP待遇で、んで、なんとか機嫌直した。 いやぁ~、参った。 この頃、すっかりお姉ちゃんらしくなったなぁ~、なんつって。 妹の面倒もよく見てくれるし、助かるなぁ~、なんつって。 親としては、一方的に頼りっぱなしで、一方的に関心していたけど、 お姉ちゃん、負担も不満も、積もり積もっていたみたいです。 お姉ちゃん、 パパ、気が付いてあげられなくて、 ごめんね。 「ままがおちこみませんように」 ある日、家に帰ると、電話台にある花瓶にこんな願い事が・・・。 P子の字だ・・・。 いやはや、いったい何があったのだろう・・・。 「やすむきだろ」 うっ。メモ書きも、こんなメッセージが・・・。 P子の字だ・・・。 マジで何なの????? さて。 母性本能ってあるじゃん? 生物の母親が、普遍的に持つと言われている、 保護者の養育なくしては生存できない生物に対して行う養育行動を、 行動原理として存在するとみなされている本能のこと。 と、言われていますが・・・。 まあ、定義はだだっ広く、実に曖昧なもの。 でも、まあ、そういった本能が、多くの生物の母には、まあ、あるとして、 ひるがえって、うちのお姉ちゃんが、自分の妹に行っている養育行動ってのは、 ありゃ、本能じゃないね。生物的本能じゃなくて、ありゃ、社会的行動だろう。 妹が出来たら、生物的に姉としての本能が芽生える生き物なんて、たぶんいない。 だから、姉性本能なんて本能はない。ちなみに、言うまでもなく兄性本能って本能も無いだろう。 最近は、父性本能って言葉を見聞きすることが、たまぁ~にありますが、 僕個人的には、父性という本能は存在しないと思っていて、父性とは、哀れなほど社会的な行動原理であると思っている。 あれれ? な~んか、話が大幅に逸れてきてますけど、要するにね、僕が何を言いたいかっていうと、 世の、お姉ちゃん・お兄ちゃんが、自分の妹や弟の子守や世話をするのは、 家族という社会で、自分のポジションを把握して、自分が目上の者としてとるべき行動をとるという、 実にレベル高めの社会的行動なのであって、 お姉ちゃんはお姉ちゃん役を、お兄ちゃんはお兄ちゃん役を、あれ、精一杯、演じているんだよ。 あれ、やせ我慢したり、自分を鼓舞したりしながら、日々、がんばって、演じているね。 だからね、 そういった一所懸命な者に、 お姉ちゃんだろっ! というような、訳の分からぬ、低能極まる叱り方をしちゃ、駄目ですよ。 まったく、親としてなっちゃいないんだ、お前は。 ああ、我ながら、なんとも情けない、とほほ。 自分だってさあ、 四六時中、事あるごとにさあ、 大人だろっ! 親だろっ! 父だろっ! な~んつってガチャガチャ詰め寄られたら、 たまったもんじゃねーってのっ! うん、・・・そうだよなぁ・・・。 たまったもんじゃねーよなぁ・・・。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.05 19:34:11
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