英国では高名な作家だそうである。ジャマイカは長く英国領だった。植民地で農場を経営するために、英国から引っ越してきた家族があった。それがジャマイカで思いがけぬ大嵐(ハリケーン)に遭って、家が崩壊してしまった。両親は子どもたちを英国に返すことにしたが、その船が海賊船に襲われ、皆殺しにされてしまった。
という連絡が入ったのが第2章。こんなところで終わる長編小説もないわけで、案の定子どもたちは生きていた。それも結構かわいがられて。なるほど男の子が一人死んだが、それは事故だった。海賊たちはまた別の船を襲ったが、襲われた船長を殺したのは海賊ではなく、一人の女の子だった。
英国船を発見した海賊たちは子どもたちを返す。だがそのために結局、彼らは絞首刑になってしまった。人を殺したわけでもないのに、殺人罪の汚名を着せられて。
教訓。
子どもは小さい大人ではない。
人は事実よりも、自分が信じたい物語(イメージ)の方を信じる。国についても、海賊についても、子どもたちについても。
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