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カテゴリ:本のこと 映画のこと など
井沢元彦さんといえば、「逆説の日本史」が有名ですね。 週刊ポストに1922年から連載されていて、単行本も24巻。現在も連載中らしい。 その存在は私も知っていました。 散髪屋や、飲食店などで「週刊ポスト」を手に取った際に、目にしたことがある、という程度で、その際にもほぼスルーしていないので、内容もよく分かりませんでした。 ということで、この「日本史真髄」は、その名の通り、そのエキスをまとめたもの、ということになります。 本の帯にある通り、日本史の謎を「ケガレ」「和」「怨霊」「言霊」「朱子学」「天皇」を元に解き明かしていくもの。 日本人にとって、この六つは「宗教」だと井沢氏は書いています。 歴史を考えるうえで、「宗教」を抜きにしては真実は見えてこない、というのは、間違いないでしょう。 日本史に決定的に欠けている視点が、この「宗教観」という視点であり、日本史の理解が間違っていたり、不十分であったりする大きな原因もそこにある、とのこと。 言霊の国、日本では、口にするといやなことが現実になってしまう、という考え方が身についていて、それが「日本は負ける」と誰も言えずに戦争に突入し、そして玉砕の一歩手前まで突き進んだ最大の理由だと、氏は書いています。 思っていても言えない、言ったら悪いことが起こりそう、悪いことが起こったら、それを口にした人間の責任になってしまう・・・・。 そういう不合理が、軍部も政治家も「日本が負けそうだ」と言い出すことを躊躇させたゆえに、ずるずると戦争を長引かせて、原爆を二発も落とされるまで決断できなかった。 確かに、一般の国民でも「日本が負けるのでは?」と口にしたら逮捕されかねない時代です。 「誰も言い出せなかった」というのは、単に保身ということもあるでしょうが、それ以上に「言霊信仰」という心の奥に染みついた「信仰」がそうさせたのではないか、という見方です。 日本という国は、「言霊の国」であるがゆえに、縁起でもないことは記録されません。 身近なところでは、忌み言葉というのもありますよね。 結婚式では不吉な連想をさせる言葉はタブー。 切れるとか、終わるとか、壊れるとかいうと「縁起でもない」となる。 「源氏物語」「平家物語」は、源氏と平家の怨霊を鎮めるために書かれた文学だ、という見方はとても新鮮でした。 新しい視点で歴史を見るには、分かりやすさも、ボリュームも手ごろで、おすすめです。 興味を持ったら、「逆説の日本史」の該当巻を読んで深堀りしてみてください、ということなので、ぼちぼち「本編」も読んでみようかな、と思ったりしてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。) 読み通すには一頑張りが必要かも。 読めば日本史の盲点に気付くでしょう。 ネット小説も面白いです。 (2019/12/12 07:52:25 PM) |