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カテゴリ:思想・哲学
大学時代にかなりはまった岸田秀氏の最新作。
「日本がアメリカを赦す日」(著者:岸田秀|出版社:文藝春秋) 岸田氏の著作といえば「ものぐさ精神分析」シリーズが最も有名だろう。 言葉としては「唯幻論」「人間は本能の壊れた動物である」 この最新作でもそうだが、「全ては幻」「人間の本能は壊れている」これらいくつかの基本命題をもとに、人間から国家、社会、民族あらゆる問題を鋭く斬っていく。 いろいろ影響を受けているのだけど、今でも僕自身よく使う例がある。 地動説と天動説どちらが正しいのか。 そもそも宇宙という果ても分からない空間に浮かんでいる地球と太陽、どっちが動いているかなんて分からない。 地球は動かず、太陽が動いているとしても何の不都合も無い。 実際「地球は動いていない」という前提で、他の天体の動きを説明することも可能だそうだ。 但し、この場合は動きを説明する数式は極めて複雑なものになってしまうらしい。 これに対して、「地球は太陽の周りを回っている」と考えると、かなりシンプルな数式で様々な天体の動きを説明できるらしい。 つまり、地動説も天動説もどちらも間違ってはいないが、地動説の方がより簡単に、より広い対象を説明できるから、地動説は「正しい」ということになる。 「絶対の真理」なんて存在せず、よりシンプルな原理で、より広い対象を説明できる原理が「現時点での真理」というわけだ。 未だに、僕の基本的な考え方はこの人の影響を強く受けている気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.12.16 21:43:45
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