|
カテゴリ:入管業務・外国人
今年の3月まで東京入国管理局長を務められた坂中氏の著書です。 著者自身の表現を借りれば、長年入管という現場で仕事をしてこられた方の「卒業論文」というところでしょうか。 恥ずかしながら、不勉強で知らなかったのですが、坂中さんは1977年に俗に「坂中論文」と呼ばれる在日韓国・朝鮮人問題を扱った論文を発表されているそうだ。 この論文は在日韓国・朝鮮人に「安定した法的地位」と「内国民に準ずる待遇」を与えることを骨子とするものだったが、在日韓国・朝鮮人の側からも「同化政策の推進」だとして、かなり反発をかったらしい。 しかし、その後も変わらぬ姿勢でこの問題をライフワークとして取り組んでこられた様子が、この著書からは伝わってくる。 そんな著者が現在課題として取り組んでいるのが、1959年から始まった在日朝鮮人の「帰還運動」により北朝鮮へ渡った在日朝鮮人の日本人妻・家族らで、その後脱北し、日本へ帰国した人々の支援事業である。 これを著者は「第一線から引退した私が、使命感を持ってやらなければならない仕事である」と書いている。 4月19日のニュースによると、坂中さんは本当にNGO「脱北帰国者支援機構」(仮称)を5月に設立予定だという。 「『日本社会での差別が背景にある帰還事業。帰ってきた人たちを支援するのは当然の責務』と話している。」そうだ。 まさに「有言実行」ですね。 行政書士会もこういう方を呼んで、お話を伺う機会を作ってくれないかな? 身のある研修になると思うんだけど。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|