1178241 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

長編時代小説コーナ

長編時代小説コーナ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

龍5777

龍5777

Favorite Blog

ソフトバンク、阪神… New! クラッチハニーさん

チーズスフレ New! 千菊丸2151さん

向いている向いてな… New! 韓国の達人!さん

街道のハナミズキ New! Pearunさん

^-^◆ 思わず にっ … New! 和活喜さん

Comments

 人間辛抱@ Re:何故、安保法制が必要なのか。 (08/09) どうもお久しぶりです。 新型コロナウイル…
 http://buycialisky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) cialis muscle paincialis daily use side…
 http://buycialisky.com/@ Re:改定  上杉景勝(12/11) cialis 5 mg prezzo in farmaciaanti cial…
 http://buycialisky.com/@ Re:騒乱江戸湊(04/28) cialis in spanien kaufenavoid counterfe…
 http://buycialisky.com/@ Re:「改訂  上杉景勝」(04/21) what happens if a woman takes viagra or…
 http://viagraky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) offshore viagra &lt;a href=&quot; <sma…

Category

Freepage List

Calendar

Jan 13, 2008
XML
カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ クール にほんブログ村 小説ブログへ 今年も応援宜しくお願いいたします。

 村松三太夫は屋敷の近くに忍びより、欅の根元に腰を据え、煙草入れを

だし煙管で一服し、油断なく周囲を見廻した。

 垣根ごしより女の声が聞こえてくる、耳をすますと上品な言葉づかいの女

たちである。村松三太夫の垂れ下がった目蓋の奥の眸が鋭く光った。

 三太夫は百石十人扶持の、小十人組の三男坊で常に銭不足であった。

 小十人組とは小従人組とも書く。御目見以上の幕臣によって編成されており、

平時にあっては、将軍の御成りの時は先供を勤めた。

 三太夫は喰うために覚えた剣の腕を殺しに使うようになり、何時の間にか

闇世界で聞こえた殺し屋となった。

 水野忠邦は、度々、三太夫を使うようになった。今夜の仕事は切餅二個と話は

決まっていた、仕事を済ませたら江戸にとって返し、内藤新宿の安女郎と遊ぶ

算段をつけていたのだ。暗殺の興奮を冷ますには、女の躯が一番である。

 半刻ほど彼は待った、警護の士が門前に集まり、酒を飲みだした。

 彼の垂れ下がった目蓋がひらき、周囲の動きをすばやく探った。

 研ぎ澄まされた彼の勘には、なんの変化も感じられない。

 獲物を狙う狩人が動きだし、黒板塀を飛び越え庭先にうずくまった。

 屋敷内は森閑として灯がほとんど消えている。そろそろ仕事にかかるか、

村松三太夫は口中で独語し、油断なく屋敷の周囲をめぐり、よしず張りの格子

戸から、屋敷の内部を覗きみた。お付きの腰元たちも寝床に就いている。

「お真紀の方の部屋は」と、独り言を呟きすき間から見渡した。

 ひと際、豪華な布団に横たわる女人がみえた。梳った黒髪が闇の中からでも、

美しく村松三太夫の劣情を刺激した。

「あんな女と一度は寝てみたいものだぜ」

 またもや独語し、部屋に侵入しょうと屋敷の角を曲がった。

「誰じゃ」  出会いがしら警護の士と鉢合わせとなった。

 腰の赤鞘から大刀が鞘走った、流石は凄腕である。警護の士が右脇腹から

左首筋にかけ、斬り裂かれ声なく血の海に伏せった。

 血潮の臭いの漂うなか、村松三太夫の躯が音もなく部屋に忍び込んだ。

「誰じゃ」  物音で、お真紀の方が目覚めた。

 村松三太夫が二間の郷里を飛翔し、お真紀の方の口を塞いだ。

 ぬらりとした手の感触と臭いで、お真紀の方の膚が粟立った。

 鼻先の黒髪から、えもいわれぬ香料の匂いが漂い、柔らかな女体の感触が

三太夫の興奮をかき立てた。

「へ、へっ、こいつは上玉じゃ。堪らねえ」

 恐怖で慄くお真紀の方の乳房を揉んで、村松三太夫が舌なめずりをした。

 妊娠した乳房は普通よりも、大きくて柔らかい。その感触を掌で楽しみ、

三太夫の手がお真紀の方の下腹部に侵入し、秘毛を掻き分け秘所を弄んだ。

 そこは柔らかく、かすかに潤っていた。三太夫は、お真紀の方の躯を陵辱し

ながら、残酷な言葉を吐いた。

「おいらは、おめえさんの命を貰いにきた刺客だ」

 抱きかかえた、お真紀の方の躯が恐怖で硬直するのが判る。

「曲者じゃ、曲者が侵入した。出合い」

 突然に戸外から警護の士の声があがった。三太夫が脇差を逆手に握り、

頭上に向けて振り抜いた。彼の腰から、お真紀の方の首筋にかけ光芒が奔り

ぬけ、ぱーっと鮮血が吹雪き、お真紀の方の頚動脈が断ち切られた。

 血飛沫を避け、村松三太夫の躯が音もなく飛び退いた。

 三太夫の脇差は諸刃(もろは)作りであった、これは刀剣の身の両側に刃が

あるもので、それを逆手としてお真紀の方を死出の旅に送ったのだ。

 流石は闇世界の殺し屋である、人を殺すに躊躇しない男であった。

 闇の中に手火鉢をみつけ格子戸に投げつけた。大きな物音が響き、警護の

士が駆けつけてくる。三太夫は反対側から屋外に逃れでた。

 先刻の、お真紀の方の乳房と秘所の感触が生々しく過ぎり、殺しの感触と共

に三太夫を興奮に導いている。

 村松三太夫は街道に姿を現し懐に腕をいれ、ゆっくりと多摩川の土手を南に

向かった。そこから甲州道中に出て、内藤新宿を目指す積りであった。

血風甲州路(1)へ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jan 13, 2008 01:52:22 PM
コメント(6) | コメントを書く
[伊庭求馬孤影剣] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.