カテゴリ:事件
わたしが初めてタバコを吸ったのは、成人式の帰り。 もう数十年も前のことだ。 この年代は、嫌煙権云々など細かいことは一切ない 喫煙者にとって、まこと自由な古き良き時代。 喫茶店でたばこを吸いながらコーヒーを飲むのは普通のことだった 。 公園や道端でも自由に吸えた。 で、式場を出て、近場のタバコ屋で早速ロンピーを買った。 おとなの気分は、まずタバコからと思っていたからだ。 ウキウキして早速火をつけようとしたら 丁度そこへ、 自転車のおまわりが通りかかった。 怪訝そうにじろじろ見られると、さすがに動揺するよね。 いくら品行方正、善良な区民だからって、 おまわりにジロリと見つめられちゃ、ヤッパシ まずいことに眼が合って、 咄嗟的にそらせちゃったのがまずかったか? するとあやつ、わたしが未成年だと確信したのであろう。 やおら自転車のスタンドを立てて つかつかと、わたしの前に立ちはだかり 頭の先から足のつま先までジロジロ嘗め回して 「身分証…」と、手のひらを上に向けて手招き。 わたしはしどろもどろ いままで尋問なんかされたことが無い純情な若者だよ。 若干うろたえたって仕方ない。 おまわりは勝ち誇って 「身分証!…」やや語気を強めた。 わたしが、ポケットをグズグズとまさぐり 震える手で免許証を オズオズと差し出すと あやつ、わたしと免許証を交互に見比べ 顔が赤くなったり青くなったり、ワナワナ… ちょっと動揺したもよう。 それでもあやつ、わたしの清廉潔白を認めたくないのか またしても頭の先からつま先まで嘗め回して 免許証を持ち上げて透かしたり… くぅ~~っと、下唇震わせて 「けっ、ケッコウデス‥‥」 動悸が静まったわたしは おもむろにタバコを取り出して、火を点け、 おまわりがヨロヨロとして立ち去る 後ろ姿を追いながら スゥ~ッと吸い込んで、 とっ、 思わずコホッと咳込んで 鼻がつんつん痛くなり、涙がにじんだ。 人生最初の一服は 田舎の父が、 旨そうに、紫煙をくゆらすのとは えらく違って にじんだ涙のせいか、幾らかしょっぱかったのを覚えてる。 一句 藪入りや 孝行息子の 隠れモク 久々の藪入り、お母ちゃんは うちの息子は真面目でホント孝行息子でねぇ…ご近所に自慢。 で、喫煙なんて姿は、絶対見られちゃなんね! ☆ブログランキングに参加しています。 応援よろしくお願いします。↓ 人気ブログランキングへ にほんブログ村 失敗しないベッドの選び方 転職応援します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.08.11 13:59:48
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