テーマ:韓国!(17151)
カテゴリ:世界を見る切り口
ちょっと古くなってしまったけれど、記録のために載せておこう。
例の「6ヶ国協議」創設を米国側で直接担当していた David Asher 氏が、 「想定外」を嘆いているのだという。 「いまや、6ヶ国協議という枠組みが、 米国・日本の制裁行動に対する足かせになってしまったから、 いっそ6ヶ国協議からおさらばしたほうがよい」 と言い出している。 要は、6ヶ国協議という枠組みが、 北朝鮮に対する静かな外部環境を維持するための仕組みへと堕落してしまった、と 創設にかかわった本人が嘆いているわけです。 David Asher 氏の言い分は、「想定外」で一頓挫したとはいえ、 視点・視線は一貫している。 今後の外交急展開の可能性を示唆している。 『世界日報』紙のインタビュー。興味深い記事だ。 以下は、その要約部分。 ≪中国には一切期待できず 北は「真の悪の枢軸」を模索 【ワシントン7月18日早川俊行】 昨年7月まで米政府で北朝鮮問題を担当し、 6ヶ国協議や違法活動対策の立案に関与した デービッド・アッシャー 前国務省北朝鮮作業班調整官・東アジア太平洋局上級顧問は このほど、世界日報のインタビューに応じ、 「六カ国協議は機能していない。 米国は今すぐ離脱すべきだ」 との見解を表明した。 6ヶ国協議の創設に直接携わった元米政府高官が、 同協議の枠組みでは北朝鮮の核・ミサイル問題を解決するのは困難であると指摘し、 「離脱論」を提唱したのは初めて。 2003年8月に第1回6ヶ国協議が開かれてから約3年が経過したが、 具体的な成果はほとんどなく、 逆に今回、北朝鮮がミサイルを発射するという事態を許した。 6ヶ国協議を立案した当事者から、 協議継続に否定的見解が示されたことは、 現在の状況が 当初想定していた六カ国協議の目的と懸け離れていることを 浮き彫りにしている。 アッシャー氏曰く、 「6ヶ国協議の目標は、北朝鮮に、他の5ヶ国を互いに争わせること、つまり、北朝鮮自体ではなく、米国を問題の攻撃の的にするといったことを難しくさせるところにあった」 ((泉注: ↑ この日本語、じつに分かりづらい。 要するに、 朝鮮国を取り巻く5ヶ国が朝鮮国に手玉にとられぬよう結束して、 気がついたら米国のほうが悪者になってました、 などということがないようにしようね、という仕組みのはずだった、 と言っているのですね。)) アッシャー氏は、 日米中韓ロが北朝鮮に対し、一致したメッセージを送ることが 当初の狙いだったことを明らかにした。 だが、「理屈と現実は違った」とし、 中国とロシアが北朝鮮寄りの行動を取り続けたことが、 6ヶ国協議が機能不全に陥った要因であると強調した。 同氏はその上で、 「6ヶ国協議は、 日米が北朝鮮に対して有意義な行動を取る上で 障害になっている」 として、離脱を提案。 「米国が6ヶ国協議から離脱し、 米単独、あるいは日米二カ国で措置を講じると脅せば、 中国、ロシア、韓国をわれわれの側に付かせる大きな圧力となる」 との見方を示した。 中国による北朝鮮への説得工作についても、 「中国が真剣だとは思えない。 中国には一切期待すべきではない」 と断言した。 一方、 北朝鮮はイラン、ベネズエラなどと 「真の悪の枢軸」を形成する意図がある と分析。 旧ソ連の潜水艦発射型弾道ミサイル「SSN6」をベースに 北朝鮮が開発した中距離ミサイルを 「ベネズエラが購入すればワシントンDCを、 イランが購入すれば欧州のすべての首都を攻撃できる」 と指摘、 北朝鮮によるミサイル拡散の脅威に対し 「今まで以上に積極的な対応を取ることが重要だ」 と主張した。 アッシャー氏は2001年7月に国務省東アジア太平洋局上級顧問に就任。 2003年7月からは北朝鮮作業班調整官を兼任し、 中国・マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)に対する 事実上の金融制裁の立案で 主導的役割を果たした。 同氏は金融制裁について、 「北朝鮮のエリート層に大きな圧力となったことは確かだ」 と指摘。 また、北朝鮮に対して 「取り得る行動はたくさんある」 と述べ、米政府が追加的な制裁措置を検討していることを明らかにした。 さらに、 「北朝鮮の体制内部に圧力を掛けるために、 財政的なライフラインや不法所得の流れを遮断することが極めて重要だ」 と指摘。 日本も 「国内の金融機関に対し、 北朝鮮の犯罪行為に関与する金融機関との取引を禁じる法律を作れば、 非常に強力」 との認識を示した。 === デービッド・アッシャー マサチューセッツ工科大やアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所の研究員などを経て、 2001年7月から05年1月まで米国務省東アジア太平洋局上級顧問。 03年7月から05年7月まで同省北朝鮮作業班調整官。 現在、防衛分析研究所の非常勤研究員。英オックスフォード大で博士号取得。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 25, 2006 07:41:06 PM
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