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Jan 3, 2007
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カテゴリ:世界を見る切り口
ことしの在京紙の元旦社説は、退屈なものが多くてがっかりした。
天下泰平の証か。

こういうのを元旦に読みたかったな、と思ったのが『北國新聞』1月3日の社説だ。

省庁再編論なのだが、国の隅っこにたまっている滓(かす)を掻き出してくれるような、ついでにこちらの脳の埃(ほこり)まで吹き払ってくれるような快感があった。

所論の「文化省」には興味はない。
文化を豊かにするのに役所が腕まくりせねばならぬようでは二流国ではないのか。

興味を引かれたのは社説の後半で、「治安省」の創設と教育所轄官庁の充実に関する部分。
これらは役所の役目が大きい。所論に賛成である。


防衛省もいいけれど、「美しい国」には文化省がいる


日本の戦後の来し方を振り返り、国のあり方とそれを担う省庁の姿について提案したいことがある。

文化の国づくりという戦後日本の建国の理念に沿って、新たに「文化省」を設けることである。


中国や欧米の文化を受け入れて発展してきた歴史から、日本人はとかく、優れた文化は外から入って来ると思いがちである。

しかし、浮世絵が西洋絵画に多大の影響を与えた例などを持ち出すまでもなく、日本独自の伝統文化は世界に誇ってよい。


近年は、豊かな伝統文化の土壌から生まれたアニメーションや映画、ゲームソフト、音楽、小説など日本の現代文化が高く評価され、世界の若者らを魅了している。

安倍晋三首相がめざす、品格のある「美しい国」づくりとは、一つには、こうした自国の文化に自信を持ち、一層磨きをかけることにほかならない。


・建国の理念実現を


一国の「国力」は通常、軍事力と経済力によって測られるが、文化力もまた国力の大きな要素である。

最近はソフトパワーという言い方で、外交における文化の力が一段と重視されるようになっている。

ソフトパワーとは、例えば世界の人々に「日本に来てみたい」とか「日本のまねをしてみたい」と思わせる魅力のことである。

「文化国家」の建設という戦後の日本の目標は、「武」や「金」よりも、「文」の魅力によって世界に存在感のある国をめざそうということである。


そのために必要な文化政策を強力に展開するべき国の機関(文化庁)が、文部科学省の「外局」にとどまっている現状は心もとないと言わざるを得ない。

現在の文化庁を「省」に格上げすることは、日本の国づくりにとって、ある意味では防衛省昇格以上に重要である。


歴史ある欧州の国々をみると、フランス、英国、イタリアなど多くは文化省を置いて文化政策に力を入れている。

フランスは昔から「文化大国」であったわけでなく、第二次大戦後に文化省を設置し、作家のアンドレ・マルローを文化大臣に抜てきするなどして文化政策を戦略的に展開した結果である。

そこには、「文化は国力になる」という明確な認識があった。


大戦に敗れた日本が文化国家を標榜しながら、経済成長の追求を優先したのはもっともなことであった。

豊かな文化は生活の安定があってこそであり、たゆまぬ努力で「経済大国」を実現したことは、大いにたたえられてよい。


しかし、経済的な豊かさを得た後も、「文化立国」という国づくりの理念がわきに置かれたままの状態であり、文化力を国力に高めていこうという政府の覚悟も戦略も不十分に見えるのは残念である。

安倍首相には、省庁再編によって「美しい文化国家」の実現をめざしてもらいたいと思う。


・「治安省」の創設も


戦後日本のもう一つの旗印である「平和国家」への歩みは、自信を持って語ってよいことであり、国内の平和―治安の良さは世界有数のものとほめられてきた。

それでも、危機管理の甘さは否めず、凶悪犯罪の多発など安全性において不安を覚えずにはいられない状況になってきた。

そこでもう一点、「治安省」の創設を提言したい。


社会の安全を確保するための国家機構をみると、ばらばらで非効率なのに驚かされる。

警察庁は内閣府の外局である国家公安委員会が管理する特別な機関であり、海の安全を守る海上保安庁は国土交通省の外局である。

さらに、法務省の外局として公安調査庁が置かれ、厚生労働省の地方組織のもとに麻薬取締官が配置されるという状況である。


関連する組織がこのように分散化されたのは、警察から土木、厚生、自治までを統括した戦前の内務省が解体されたことに伴う結果であるが、これらの組織を統合し、より精強で効率的な「治安省」にした方が、国民生活の安全の維持、向上のためはもとより、行財政改革のためにもよいのではないか。


また、文化省を創設するなら、文部科学省を総務省と一体化させるのが望ましい。

教育行政が国と自治体の共同責任であることを考えれば、何ら不都合はないはずだ。

旧郵政省と合体した総務省に文科省を統合するなると、またぞろ旧内務省の復活といった批判が聞こえてきそうである。

確かに戦前の内務省は利権と警察権力がつながって弊害もあったが、警察組織を外してしまえば、そうした心配は無用であろう。≫





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最終更新日  Jan 3, 2007 01:05:55 PM
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