テーマ:ベトナム好き集まれ(2249)
カテゴリ:越南のオモチャ箱
19日の夜にホーチミン市に移ってきた。
ここはマニラだ! 空港を出ればすでに市街地で、角ばった低層ビルは白いペンキを塗ったものが多い。 アメリカの地方都市のさびれたところに、人だけやたら集めたぞ、みたいな。 ここはマニラだ! ハノイとの違いは大きい。 記憶のなかの、珠海や杭州をはじめとする中国のいろんな街をコラージュして漢字をローマ字におきかえたようなハノイとは、何と異なった景観か。 ここはマニラだ! 昭和20年代には東南アジア最大の都市はサイゴン、マニラだったのだ ; そのころバンコクはずっと遅れた街だった ……と、(もちろん本で読んだ知識だけど)ハノイから一緒に南へ来てくれた駐在員が話してくれる。 お互い、バンコクやマニラのようすもよく知っている同士なので、 国の発展を左右する歴史のいたずらについて談論する。 「アメリカ戦争がなければ ……あ、この国では ヴェトナム戦争のことを『アメリカ戦争』っていうんだけどね ……アメリカ戦争とそのあとの鎖国がなければ、 サイゴンにはいまのバンコクの繁栄があったろう」 「ヴェトナムの強みは教育レベルの高さだよ。 タイやフィリピンで遭遇するような “どうしようもないほど教育を受けていない人” に鉢合わせることがない。 ヴェトナムの識字率の高さは東南アジアではピカ一だ。 これはこれからの強みだよ」 = 中国語やタイ語、朝鮮語などの発音感覚を駆使して、 それなりに発音できるようになったつもりでいたヴェトナム語だったが、 ヴェトナム出社初日に、 ハノイ事務所で暇そうにしている受付嬢を相手に 「きょう会った人の名刺に書いてあるヴェトナム語を片っ端から発音する」 練習をしてみたら、 バシバシに直された。 いちばん感動したのは、 ong という音を発音したあと口を閉じること。 ongm と書けばいいかもしれない。 自分の ong の音を直されてみて、 「相手の口元を見ながら発音をまねる」ことを久々に励行する。 t や d の音を発音するときの舌先の位置がかなり後方寄りで、 t など巻き舌音そのものだ。 口の筋肉の緊張度も高い。 音声学を勉強してあるおかげで、指摘をきけばコツが理屈ですぐわかる。 理屈をバカにするなかれ。理屈が分かれば、実践への道は近い。 ネイティヴスピーカーにこうして直してもらうような細かいポイントが入門教科書にはあまり書かれていない。 CDを聞くだけでは分からない違いだった。 ヴェトナム語の発音は奥が深そうだ。 タイ語が簡単に思える。 きょうの前半に登場したハノイ駐在員(その前にバンコクが長くタイ語も堪能)に言わせると 「タイ語よりもヴェトナム語のほうがストライクゾーンがずっと狭い」。 音声学講義の仕上げにヴェトナム語のフィールドスタディーはもってこいかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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