テーマ:政治について(19785)
カテゴリ:世界を見る切り口
贅沢気分が一気にしぼんだように思えるいま、この社説を書くのはけっこう勇気が要ったと思うが、『北國新聞』 (金沢市) が社説で 「おっ?」 と考えさせる提言をしていた。
世界に誇れるお宝にあふれる北陸なのに、外国人のセレブを満足させるようなスーパー富裕層向け観光インフラが缺(か)けているから、この整備に乗り出して旅行者の多様なニーズに応えるべきだ、というのである。 ≪世界の旅行市場では、旅行者の3%に過ぎない富裕層が、全体の20%相当を消費するという。 たとえばインドネシアのリゾート地の場合、下は1泊500円以下、上は1泊100万円を超えるようなクラスまで、旅行者の多様なニーズにこたえるホテルがそろっている。≫ と言われると、たしかにそうだなと思う。 1業者だけ単独で、へたに高級仕様に手を出して失敗したら業界のピエロになってしまう。 ホテル1棟にだけ1泊100万円のプレジデンシャル・スイートを設けても、それに見合うだけの多様なサービスのインフラが整っていないと、まさに 「箱ものを作っただけ」 になってしまう。 だから、スーパー富裕層向け観光インフラの整備は、社会全体で取り組まなければならないことでもある。 社説で取り上げたのは、そういう意味だろう。 口先だけでない 「長い目」 というのは、こういうことなのだろう。 「長い目」 には、勇気が必要なのだ。 平成21年1月6日 『北國新聞』 社説: ≪富裕層の誘致 手薄な分野に布石打ちたい 中流意識の強い日本人には、確かに手薄な分野だったかもしれない。 北陸に世界の富裕層を呼び込むため、金沢市で来月開催される国際会議は、一流志向の旅行者を誘致し、もてなすときに具体的に何が欠けているかを知る格好の機会になるだろう。 世界の著名なリゾート地には、世界のお金持ちを満足させるホテルやレストラン、高級車やヘリコプターのレンタルなどを含めた旅行プランがそろっているが、北陸にはそうした需要にこたえるハードやソフトが十分とは思えない。 目の肥えた外国人のセレブリティ (名士・著名人) を満足させるには、何より 「本物」 を提供しなくてはならないが、不足しているものを調査し、解決策を探るなかで、観光地としての石川や富山の弱点も見えてくるのではないか。 特に欧米のガイドブックで紹介されるケースが増えている金沢のブランド力に一層の磨きをかけるため、国際会議を富裕層対策の足がかりにしたい。 金沢市の県立美術館で2月に開催される会議は、昨年、国の 「地方の元気再生事業」 に採択された事業で、世界から約250人が参加する。 米・ニューヨークの有名レストラン総料理長や高級リゾートホテルチェーンの創業者ら海外富裕層の消費動向に詳しい著名人が講師となり、富裕層の生活スタイルや興味の対象、求める旅行商品などについて情報交換する。 欧米ではラグジュアリー旅行 (贅沢旅行) 市場が確立されており、フランス・カンヌで2007年12月に開催された富裕層向け旅行博 「インターナショナル・ラグジュアリー・トラベル・マーケット (ILTM)」 の公式イベントでは、金沢と京都の伝統文化が紹介された。 世界の旅行市場では、旅行者の3%に過ぎない富裕層が、全体の20%相当を消費するという。 たとえばインドネシアのリゾート地の場合、下は1泊500円以下、上は1泊100万円を超えるようなクラスまで、旅行者の多様なニーズにこたえるホテルがそろっている。 国際会議を通じて、富裕層の好みを正確に把握し、誘致に生かしてほしい。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 7, 2009 08:18:14 AM
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