テーマ:政治について(19945)
カテゴリ:日本の政治
「道州制はデカすぎる」
わたしの持論である。 拙著 『日本の本領(そこぢから)』 でも、 第7章 「道州制より府県合併だ <1都6府20県> 制のススメ」 と題して 242~277ページに持論を展開している。 小沢政権になって道州制論がさっぱり聞かれないが、自民党政権下では日本を9~13の区割りにする案でまとまりつつあった。 わたしはこれに反対で、日本の区割りとして27に分ける案を作り、拙著には区割り地図まで掲載した。 府県合併で各県を200万人以上にもっていけば、望まれる地方自治の受け皿として十分な規模だからだ。 この持論と似た議論を、立命館大学の村上弘教授が述べておられた。 『愛媛新聞』 で読み、心強かった。 村上教授は、行政学・地方自治論がご専門だ。 村上教授の区割りは規模がもう少し大きく、1県の最低規模として300万人を想定。できあがるのは、22~23の州だ。 州をつくりつつ、現在の都道府県の組織もスリム化しつつ維持するという。 小さな県の県庁所在地が、府県合併のあと急速に寂れることへの対策だろう。 だがそれなら、そもそも区割りをもう少し多くすればよいのではないか。 村上教授の論だと、 国 ― 州 ― 県 ― 市町村 ということになり、やはり屋上屋(おくじょうおく)だ。 すなおに、 国 ― 都府県 ― 市町村 の泉案のほうが、よいと思う。 『愛媛新聞』 平成21年11月28日、3面 から、記事全文をご紹介したい。 ≪道州制 地制調案に疑問 村上立命館大教授、松山で報告 地域格差など懸念指摘 立命館大法学部の村上弘教授 (行政学・地方自治論) が11月27日、松山市文京町の愛媛大であった地方分権問題学習会 (愛媛大学地域創成研究センター主催) で「道州制と区割り」 と題し報告。 47都道府県を9~13道州に再編するとの政府の地方制度調査会の案に 「世界的な標準を上回る異例の大型州になり、住民自治の弱体化など多くの人が不利益を被る恐れがある」 と疑問を投げ掛けた。 大学教員や自治体職員ら約20人が出席。 村上教授は、 ・ 州が広すぎ、議員も減り、住民参加が困難になる半面、官僚制が大型化し統制が困難 ・ 府県の自己決定権や独自政策が消滅し、地方の政策能力が衰退 ・ 州都への一極集中が起き、州都が置かれない県庁都市の衰退と旧府県間に格差が発生 ―― と問題を列挙。 一層の市町村合併につながるとも指摘した。 代替案に (1) 先進国の州の平均規模 (人口規模 300万人以上) を目指し、府県の自主合併で 22 ~ 23 州に (2) 現都道府県をスリム化した上で維持し、重要な広域政策は広域連合で対応 ―― を示した。 <これ以降はネット掲載はなく、紙上のみ掲載> 県職員が 「愛媛県の考える道州制では、住民に最も身近な市町村が相当な権限を持つ。 今は地方自治体に決定権がなく、国が全国一律に定める規制も実情に合っていない」 と訴えたのに対し、 村上教授が 「地方分権は国と県の個別協議で進めればいい。 道州制でなければ実現しないメリットは何かあるのか」 と迫るなど、推進、懐疑両派が熱心に議論を展開した。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 1, 2009 08:19:02 AM
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