娘たちに年賀状が来ないのにはビックリした。大学3年と大学1年のふたりの娘に来た年賀状は2枚ずつだ。
「年賀状は、旧(ふる)い」 と、下の娘が言っていたらしい。 葉書に代って電子メールの世の中だと。 前回の正月には、娘たちもそれなりに年賀状を出していたし、それなりに来ていた。 今回、下の娘などはついに1枚も年賀状を出さなかった。 1年前と今のあいだに大きな潮目がある。 職場に来るクリスマスカードも激減した。 かつて商社という職場では12月になると、ひとつの課だけで30枚も40枚もクリスマスカードが来て、それを壁に貼りだすのが風物詩だった。 いまは部長でさえ10枚ほどしかもらわない。 わたしに来たクリスマスカードは香港からの1枚だけだった。 クリスマスカードが減りだしたのは数年前からだ。重たい電子メールでサンタクロースが踊る動画などを送ってくる人が出始めたころ。 いまや、そういうクリスマスメールさえ減った。 クリスマスや正月に祝いのメッセージを送り合うという「文明の作法」じたいが、消えつつあるように思える。 日常のコミュニケーションが豊かになった分、暦の節目に意味を見出さなくなりつつある。 * ぼくの場合、年賀状は200枚ほど出した。 前の正月からアート関係のひと宛のものが急増し、今回は画廊で会った画家の皆さんや親しい画廊経営者などに合わせて100枚ほど出している。 画家からいただく年賀状のなかには、将来チョーお宝となること確実な版画葉書を送ってくださるかたもいるし、いろいろ楽しめるので、永久保存の葉書ファイルに入れてとっておく。 年賀状交換の風習が消えると、この楽しみがなくなるかと思うと残念だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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