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カテゴリ:ヤング・マイロン
重い鎖を解かれるとナスコボスは姉であるキョンの腕の中に崩れ落ちた。
「姉上、申し訳ありません。私の力が足りませんでした。」 ナスコボスはか弱い声で言った。 「何を言うのナスコボス?あなたはその身を犠牲にして見事に鉱山で働かされていた民を救ったではありませんか?あなたにはつらい思いをさせましたね。」 そう言ってキョンは疲れ果ててやつれた妹の体を抱きしめた。 ここはかつてこの三姉妹が居室に使っていた尖塔の中腹にある一室だった。今や牢獄に改造されて見る影もなくなっているが。しかもあのヘイウッド遺跡にあった魔力を消してしまう物質で覆われているため、レーオの魔術も封印されてしまっていた。 レーオは悔しさで唇をかみしめながらキョンに言った。 「キョンさん、湖側からやって来るゲコクさんは大丈夫でしょうか?もし彼らも捕まってしまったらもうバンブーにはなすすべがありません。」 キョンはレーオを励ます様にわずかに微笑み言った。 「きっと大丈夫。ゲコクさんのことだからきっとうまくやってくれますよ。」 ゲコクは城壁の面している断崖から侵入を図っていることを今はまだ明かすことはできない。だがキョンは先ほどのゲオルグの言葉に一つの確証をつかんでいた。 「それよりもネコファム様は大丈夫でしょうか?ゲオルグのやつがネコファム様を捕えるか殺せばもう安泰だと言っていましたが。」 ミーシェは心配そうに言いながら西の方角に目をやった。 「きっと大丈夫だよ、あいつらはネコファム様をどこに連れて行ったかは知らないはずだから。」 ユーダンの言葉にキョンは、 「セブイン家に預けたことはおそらく彼らも分かっているでしょう。先ほどアクダイは私がセブイン家に潜んでいた事は知っていましたし。忘れましたか?バンブーには裏切り者がいる可能性があるのです。その者からすでに連絡されていてもおかしくありません。」 といってユーダンの目を見つめた。 ユーダンはハッとしたように眼を伏せてしまった。 それから時が経ち夜も深まったころ、重たい鉄扉がガタンと開かれ数名の兵士が入って来た。 「おいそこの男来い。今からお前を尋問する。」 そう言って兵士はユーダンを指さした。 「何をする気だ。ユーダンさんを連れて行って。」 ユーダンに命を救われたことがあるクロンは兵士に飛びかかろうとしたが、ユーダンはそれを制して静かに言った。 「クロン落ち着くんだ。私なら大丈夫、こいつらには一言だって話すもんか。たとえ殺されようと。」 「クロン、つらいでしょうがユーダンさんを信じましょ。」 キョンはクロンに向かって言った。 やがてユーダンは両手を鎖で繋がれ部屋から引き立てられて行った。 ユーダンが引き立てられて行った後を一同が見つめていると後ろから誰かの呼ぶ声がした。 「キョン様、キョン様。」 キョンが振り向くと驚いた。 「あなたはセブイン家のユリーチョのもとにいたメイ?」 トリ族キンカンチョウ種の鳥が窓辺に停まっており、彼はうなずいて言った。 「キョン様、ネコファム様が、ネコファム様が夕刻亡くなりました。」 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「死の知らせ」で107件ヒット。 民話にもよくこんな話があるよな。
今話題の!!私の息子も見ているらしい!!だが私は一度も見たことがない!!
「浅見を待ち受けていたのは、夏子の死の知らせだった。 鏡台に残された彼女の謎の言葉とは?」 内田康夫らしいタッチ。
そんなもの来なくていいから......
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