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カテゴリ:ヤング・マイロン
「あんた遅かったじゃない?」
ジャウジャウ夫婦の妻ミージャウはジャウカンに問いかけた。 「ああ、ちょっとジャウチのやつがモタモタしていたもんでな。だがこれで二十四のジャウジャウが揃った。このくらいいればうまくやれるだろう。」 ジャウカンは満足そうに言った。 「これがうまくいけば久しぶりに平和な時代が戻って来るんだね?」 ミージャウは感慨深げに言った。 「ああそうだが、その前にみんなでこの難関を乗り越える必要がある。そう簡単には行かねえだろうが、俺たちジャウジャウも何とか手を貸して子供たちが安心して暮らせるようにしなきゃな?」 ジャウカンは気を引き締める様につぶやいた。 「おいジャウカン、そろそろ出かけた方がいいぞ。あと三時間もすると夜が明ける。そして太陽が真上に上った時、ナスコボス様の処刑が行われる。」 「おおジャウジョーすまん、すぐに行く。」 ジャウカンは仲間のジャウジョーが呼びに来たので振り返って言った。 「ジャウジョー、お前の子供たちは順調に育っているのか?」 ジャウジョーは目をくるりと回して言った。 「順調というかあの腕白ども、もうずいぶん大きくなってかみさんのレンジャウもてんてこ舞いさ。」 「そうか?うちは前の子供たちが巣立ってそろそろ次の子供たちを孵そうかと思ってな、ほら見ろまた三個の卵を温めているところなんだ。」 ジャウカンはうれしそうにほほ笑んだ。 「三個?そこに置いてある一個の卵は死んじまったのかい?見たところ別段おかしな感じはしないが。」 ジャウジョーは不思議そうにその一個の卵を見つめながら言った。 ジャウカンはその卵を見て言った。 「この卵か?こいつはイヌ族の友達の親父さんを助けるために取ってあるんだ。」 「そのイヌ族の親父さんって相当食いしん坊なんだろうな?ジャウジャウの卵食べるには何日もかかるぞ。」 「いやジャウジョー、プリンセス・キョン様の話じゃ、俺たちジャウジャウの卵はヘビドクツルの毒にやられた者たちを救う力があるらしいんだ。」 ジャウジョーは目をパチクリしながら言った。 「そんな事聞いた事がないぞ。でもプリンセス・キョンがおっしゃるなら間違いないだろうな?だとするとミージャウの親父さんも自分たちの卵で助けられたかも知れなかったんだな?」 「ちょっとあんた達。そんな所で無駄話してると夜が明けちまうよ。」 ミージャウはそう言って夫たちを叱った。 「ああそうだな。じゃあ行ってくるぞ。後はよろしく頼むな。もし俺が帰らなくても子供たちは立派に育ててくれよな?」 ジャウカンはそう言って巣を後にしようとした。 「何を弱気なこと言ってんだい。ジャウカンはそんな柔な男じゃないだろ?わたしゃちっとも心配していないよ。」 ジャウカンは苦笑いしながら言った。 「どうやら俺の方が卵を温めていた方がいいみたいだな?」 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「ひとつの卵」で24件ヒット。 そういえば彼はバラクーダに母親たちが襲われて父親と唯一残ったんだったな。
よく知らないけど安堂ドロイド女版?
確かにこれはひとつの卵をめぐって無数の精子の壮絶な戦いだな。
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