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カテゴリ:ヤング・マイロン
ゾーゲンはゲオルグの体を脱ぎ捨てて、空中を霊体となってさまよっていた。彼はこの宿主のゲオルグの体につくづく嫌気がさしていたのだ。
『もっと法力の強い体が欲しい。』 彼はそう思いながら考えていた。 『先ほど殺された影の使者はどうやら強力な魔術に襲われた様だが、それは一体誰なのか?ネコファムが生きていれば間違いなく彼女だと思うのだがやつは死んだ。だとすれば他に誰が?』 ゾーゲンはゲオルグの中にある記憶を探りながら得た魔術者に関する情報に照らして、他に強力な法力を持つ者がいないか検討していた。 しかし、その様な者は見当たらなかった。 そもそも法力をもつ者自体数は限られる。それほど稀有な存在なのだ。 彼は部屋の中を漂いながら思いめぐらしていた。 それにしてもゾーゲンともあろう者が最近不可解な事が多すぎると感じていた。 東の湖から侵入を試みるバンブーの部隊を感知できず、未だに発見もされていない事も気になる。 彼がそう思った時突如霊体ながら激しい衝撃が走った。 『もしやネコファムは生きているのでは?だとすれば別部隊が見つからない事も説明がつく。そもそもそんな部隊はいないのだ。セブイン家から来たあのメイとかいう使者が伝えたのも真っ赤な嘘だったとしたら。』 ゾーゲンは探索魔術で盗み聞いたキョン達の会話からこの推理を推し進めた。 『ネコファムをセブイン家に送ったキョンが、あらかじめ示しあわせて嘘の伝言を言わせるように仕向けた可能性はある。だとすればネコファムは生きている、いや生きているどころか体力も回復し今この城の地下をこちらに向かっている。』 ゾーゲンは府抜けた人形のようにだらしなく口を開き、椅子の上に体をぐったりと預けるゲオルグの体を見て思った。 『ネコファムが欲しい。あいつの体に憑依する事が出来ればまさに計り知れな法力を手に入れる事が出来る。そうすればヘイウッド復活はもう時間の問題となる。』 彼はそう思うとそろそろ霊体として空中をさまよう限界が近づいている事を感じてゲオルグの体に戻って行った。 ゲオルグは椅子から起き上がると机の前まで行き、残った三個の響き石のうち二つの響き石に指示の言葉を発した。 「今その通路を来る敵はネコファムだ。殺してはならぬ、他の者は殺しても構わん。ネコファムだけは生かして私のもとに連れて来るのだ。たとえお前たちの誰かが殺されようとも。よいな?」 なぜかゲオルグはこの事もアクダイには内密にすることにした。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「魔法 陰謀」で6124件ヒット。 これは別の話だが、正にプリンセスキョンの策略は魔法の達人ゾーゲンを上回るとも言えるかも。
ヤングマイロンは武術魔法学校の優等生たちの話だが、こちらは魔法科高校の劣等生の話。
こちらは魔法戦争と学園が合体。
しかしそもそもこのタイトルの様に、魔法と戦いと学園がくっつくのだろう?小説を高校生の身近なものにするためのテクニックかな?マスP文庫の参考にしなくちゃ。
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