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カテゴリ:ヤング・マイロン
ネコファムは探査魔術で危険を察知しながら慎重に歩を進めていた。
姉のキョンとこの作戦について話したとき、ある程度彼女の行動はゲオルグには知られる可能性がある事は想定していた。だがそれはそれでキョンのバンブー別動隊に関する嘘の情報が見破られた時に、ネコファムが第二の囮になる事を考えてのことだった。 ゲオルグはどうやら別動隊はこちらだと思っている様だったが、なぜアクダイに知らせず彼だけで彼女たちを襲って来たのか不可解に思っていた。アクダイが兵士をよこしてくればいくらネコファムとマーメッチの魔術で対抗しようが、捕まるか殺されるのは時間の問題だった。当然ゲオルグも例の白い粉を持っているだろうし、彼女が最初にアクダイの兵士たちに捕えられた時も、兵士たちは魔術封じのベールを持っていた。 これから言える事は、ゲオルグはネコファム達をアクダイにも内緒で捕まえたがっているという事だ。 なぜ? それはまだ彼女にも分らなかった。 その時、彼女の探査範囲内の至近距離で凶暴な何者かの意思が、まるで闇を脱ぎ捨てるように突如現れて、彼女に向かって来るのを感じた。ネコファムはその攻撃をやり過ごすために体をひねろうとしたが、敵の刃の先端がグングン彼女に迫るのを感じてもはや避けるのは無理であることを観念した。 「うっ!」 その刃を受けて低い声でうめいたのはマーメッチだった。 同じく一瞬の攻撃を察知したマーメッチが己の身を盾にネコファムを守ったのだった。 「マーメッチ!あなた!」 そう言いかけた時、攻撃を仕掛けてきたその刺客が壁の影から勢いよく飛び出して来た。その者は素早く刃を振り回し、再びネコファムを襲い始めた。 ネコファムはその攻撃を素早い身のこなしで辛うじて避けてはいたが、反対側の壁にじわじわと追い詰められて行った。 そしてついに壁に背中を押しあてて、刺客の最後の攻撃をその身に受ける事を覚悟した時、彼女は大腿に鋭い痛みを感じた。 その後は意識が薄れ暗い裏通路の中で、さらに暗い闇に落ちて行った。 「ネコファム、ネコファム。」 ネコファムは彼女の名前を呼ぶ声にぼんやりと目を開いた。そして先ほどの攻撃を思い出して身を起こそうとしたが体は言う事を聞かなかった。 うつろな目で名前を呼ぶ方に目を向けるとマイロンの顔が見えた。 「マイロン?」 マイロンは自分の唇にひとさし指を押し当て喋らないように促した。 「ネコファム気がついた?大丈夫だよもう。あいつは僕が倒したから。」 「えっ?あなたが?」 マイロンの思いがけない言葉にネコファムは思わずうなった。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「夜明け 休憩」で38件ヒット。 横山光輝といえば鉄人28号。でもこんな作品も・・・・
ゲオルグの刺客と同じじゃないか?
刺客どうしの戦いかな?
ううん、この刺客になんの価値があるんだ?
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