カテゴリ:ニュース 違った目線
サントリーは1899年に、創業者の鳥井信治郎が創業した葡萄酒の製造販売会社を祖としています。 鳥井信治郎はワインでもそれなりに成功をしていたのですが、ウイスキーを作りたくて大きく投資に出ます。ウイスキーはワインと違って、製品として販売出来るようになるまで3年前後が必要です。"寝かせ"なければなりません。だから初めの3年が苦しいのです。原材料と人件費は出て行くのに入って来るお金はゼロです。 儲かるだけの商売を目指す経営者ならウイスキー作りには手を出さないでしょう。 でも、サントリーの鳥井と後のニッカウヰスキーを創立した竹鶴政孝は違っていました。お金儲けよりも自分が納得出来るウイスキーを作りたかったのです。 竹鶴がニッカを創立する前、彼の能力を認めた鳥井は竹鶴を雇います。 竹鶴は後に有名となる山崎蒸溜所を作り上げたのですが、経費ばかりで出荷の無いウイスキー作りは社内外で大批判を浴びました。 結果として2年物を出荷する事になるのですが、職人気質の竹鶴はサントリーを去ることになり、鳥井信治郎は"外野"の意見を嫌うようになります。「ウイスキーを分かっていない奴が何を言うか!」
人気のある会社が株を上場すると、多くの人が出資してくれるので経営し易いのです。でも、株主の意見にも耳を傾けなければなりません。 鳥井信治郎は営利よりも夢を大切にする人でした。自分に絶対の自信を持っている人でした。 その気質は養子に出した2代目社長の二男・佐治敬三にも引き継がれ、 現社長の佐治信忠の心底にもあったのです。「サントリーの酒は最高なんだ!」 とても良い考え方です、自分に自信を持つこと。 ウイスキー作りの方がビール作りよりも気高いと思っていたとしてもイイじゃないですか。拘りが良い結果を出すからです。 でも、ビールのキリンと婚約するには邪魔な気質があったのです。
博学研究家 横尾けいすけ <i>Yokoo Keisuke</i>
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