|
テーマ:徒然日記(22704)
カテゴリ:いろいろ
生まれて初めて経験する大きな地震だった。
オフィスは10年くらい前に建てられたITビルの15階だが、免震構造のため上に行くほど揺れを吸収して、まるで時化の海に小船で漕ぎ出したかのような揺れで、船酔いのようになり気分が悪くなった。 空いているデスクの引き出しが何度も壊れた自動ドアのように出し入れが続き、コートラックが倒れ、コートが散乱していた。 揺れ始めて2,3分で外に避難せよと指示が出て、15階から徒歩で外に避難する。目の前の朝日新聞からも人がわんさと出てきていた。記者はとっくに取材に出たはずだから、内勤の人たちかな? 外で寒さに震えながら同僚たちと過去の地震について話し合う。 なかには阪神淡路大地震経験者もいたし、私は宮城県沖地震の経験者だが、そのときは下校途中で外を歩いていたので、道路がぐんにゃり軟らかくなる感触があったけど、そんなに怖い思いはしなかった。 地震発生から10分程度で、早くも上空にはヘリが複数。隣の建設中のビルのクレーンが大きく揺れていて、しかもそこに人が一人いた! 鳶の人だろうか。逃げ遅れたのか、何かの管理のためなのか、助けを呼んでいる風でもなく、そのうち一人でするするとクレーンから降りてきた。す、すごすぎる・・・・。外ではみんなワンセグで情報を収集していた。でも意外とテレビは身近な「欲しい」情報はくれないことがわかる。 目の前の国立がんセンターと聖路加の患者さんたちの不安はいかばかりか。手術中の人もいるだろう。大病院は電源なんかは二重に確保されているから、万が一にも手術中の停電はありえないことになっているはずだが、あれだけ揺れたらメスは使えないだろう。みんな無事だといい。 3時半ごろ、またもや15階まで階段で戻るが(これで明日の筋肉痛は必須だ)、当然仕事にならず、4時半ごろには解散していいということに。すでに電車が止まっているらしいし、地上をみると道路は大渋滞。こりゃ帰りは大変そう。みんな、自宅まで歩いて何時間かかるのか、ネットで調べ始める。 私は仕事が残っていたので、結局六時まで残って原稿書きをしていたが、帰途は全然心配していなかった。だって自転車だったから、道路は渋滞、電車はストップという場合は、ほぼ最強の移動手段となる。 渋滞で車が鈴成りの脇をスーッと通り抜けていくのは結構気持ちがいい。歩道も人で溢れていたし、いつもより時間はかかったけど、それでも30分で帰宅できた。でもエレベーターが止まっていた(涙)。 部屋は結構いろいろと荒れていた。無事だったのはリビングだけで、洗面所もバスルームも納戸も寝室も廊下の飾り棚からも、いろんなものが落ちて散乱していた。でも猫らが無事でなによりだったよ。はーっ…。 片付けに1時間ほどかけ、さて風呂を沸かして、夕食の支度を…と思ったら、今度はガスがつかない。安全装置が働いたらしい。玄関外にあるガスメーターの復旧ボタンを押し、しばし待つ。――ガス開通。玄関出たら、階段を上がってきたらしい8階の住人がはあはあ息を切らせてやってきた。聞けば、ガスが使えないし、水の出も悪いので、コンビニに行ってきたという。 「でもお弁当やおにぎりは全部売り切れ! カップラーメンとかもほとんどなかったわよ。もう水だけでも確保しなくちゃと思って……」。それで2リットル5本もって8階まで徒歩で上がると? 無茶な。うちは水は普通に出ているし、飲料水も確保しているし、バスタブにも水はあるし、食料に至っては10日は外出しなくても平気なくらいの備蓄がある(笑)。 ガスがダメでも、電子レンジと電気ケトルと電気ホットプレートと電気鍋があるから平気。まあ、電気がダメだったらアウトだがな。でも猫がいるから、万一避難勧告が出ても、出て行かないかもしれないなあ。 8時過ぎ、ようやく親に連絡がとれた。なにしろ実家は東北なので、安否が心配だったけど、「無事」とのことてホッとする。でも停電していて、暖房が使えなくて寒いとか言ってる。そうか、むかしは石油ストーブとか、もっとむかしは練炭(七厘)のコタツとか火鉢とか、電源がなくても使える暖房器具があったけど、ファンヒーターも床暖房も電気がないと使えないのよねー。現代ならではの家庭内インフラの落とし穴だ。 地震のせいではないかもしれないが、部屋に戻ったら異様に湿度が下がっていて、久しぶりにまた加湿器をフル回転させている。あ~テレビ見てたら、やっぱり原発がやばそうだわ。だから怖いのよ。どんなに東京電力が「原発は安全です」ってパフォーマンスをしようと、所詮人類はプルトニウムを使いこなせないんだから。あ、これはジェームス・ブライアンの受け売り。 今日はもうお風呂入って寝ちゃうけど、明日になったらもっと被害が拡大していそうだ。 被害に遭った方々にはお見舞い申し上げます。そして自治体(役所)職員、消防・警察・自衛隊はしゃきしゃき働きなさいよ(公務員に厳しいの)! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[いろいろ] カテゴリの最新記事
|