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カテゴリ:BL小説
水壬さんの新シリーズ。リンクスノベルズでは、シリーズものばかりだな。確かに人気が長持ちするし、書くほうにしてみれば、最初にしっかり設定つくっておけば、あとは舞台やらを使いまわしできるしで、お手軽な感じだけど、そろそろ飽きてきたかも。警備会社とか芸能関係とか海賊とか人外とか、いろいろあれど、とりあえず「総ほも」って設定(というかお約束)に、もう先が見えてきたというかなんというか。この作家さんは同じカップルで延々書いても、一旦カップリングが成立すると、あとはわりとベタベタ甘々な関係になっちゃうから、刺激が足りなくなってくる(笑)。 でもまあ、とことんつきあうと決めた作家さんなので、芸能界シリーズ(といってもアイドルでも人気歌手でもなく、映画メインの役者とか監督とか)の次は、大人の秘密の紳士クラブが舞台だった。あーあるよねそういうの。欧州のサロン文化とかさ。で、1回目はなんと男版マイ・フェア・レディだった。しかも手塩にかけられるチャラ男は、ヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」をご存知なく、「プリティ・ウーマン」といわれて初めて「ああ、知ってるかも」という世代。がっくし。 いいんだけどさ。ということは当然バーナード・ショウの「ピグマリオン」なぞもっと遠い世界で、光源氏かヒギンズ教授を気取るオヤジーズなら知っていそうだけど、そういう過去へのリスペクトは当然、ない。 今回は、フリーターみたいなチャラ男(なのに天涯孤独という。その悲しみがほとんど感じられない)が、「若頭」とあだ名される舞台脚本家に飼育される。でもなんかいろいろと甘い。 残念なことに、若い方(受)に全然魅力が感じられなかった。せっかく天涯孤独、金なし、家なし、仕事なしという苦悩を背負っているのに、イマドキな若者らしく、あんまり悲壮感がない。当然深みも無くてさ、何でこんな子をパトロンになろうとするのかわかんない。 御伽噺なら許せるけど、この時代に人攫いみたいに成人男子を拉致して金かけて行儀作法や教養を身に付けさせようって、なんか傲慢で強引で意図不明。RDCのメンバーにとってはお遊びなんだろうけど、言葉遣いすらなってないチャラ男なので(しかも割と最後まで修復されない)、アタマ悪い男が嫌いな自分にはちょっとなんだかな~な展開だったわ。 BLの中でも現代が舞台で、憧れの職業みたいなかっこいい自由業の人たちが出てくると、お金無尽蔵にあるから、あっという間にサラッと大金使って豪勢な家に住んでいたり身を飾り立てたりしてみせるけど、なんか伝統とか引きずってない人たちにホンモノを見る目とかものの良し悪しが本当にわかるのかと小一時間・・・(笑)。あ、そういうものを獲得する場がRDCなのか(笑)。 イラストの亜樹良ノリカズさん、マンガは嫌いじゃないけど、オヤジーズは魅力ないわ。うーん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.26 23:23:29
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