今年も中央競馬の一年が終わった。
まあ、レース・馬券の結果にはいろいろな思いがあるが、私がここのところずっと気になっているのは名手М・デムーロ騎手の不振だ。今年の彼はあまり精彩がなかった。有力馬への騎乗機会も減ってるし、重賞勝ちも少なかった。他ベテラン騎手の活躍ぶりを見ても、年齢的な衰えとは思えないのだが、なんかここのところの彼には元気がないように思えるのだ。
もしかしたら2年前(2017年)の成績のことがあるのかな。その年の彼の活躍はすばらしく、G1は6勝。しかもこの6勝、彼はすべて違う馬で勝っているのだ。マイルチャンピオンシップをペルシアンナイトで勝った(6勝目)瞬間の競馬場のどよめきをよく覚えている。それは称賛のそれというより、やや呆れた気持ちの表れと私には思われた。「また、ミルコかよ」という馬券ファンの気持ちだ。
私は、もしかしたらその時の「勝ちすぎ、やりすぎ」と馬券ファンから思われたことが、その後の彼に幾分かのプレッシャーとなったのではないかと案じている。そしてJRAも、その後そんなファン心理を忖度した部分があるのではないかと...私の考え過ぎならいいのだが。
来年も競馬は粛々と続く。でも、私の競馬への情熱は年々薄れている。
テレビの競馬番組はレース中継と解説といった内容から離れ、若いファン向けの競馬バラエティとなった。オジサンには楽しめない内容になったが、これはしかたがないこと。競馬はあくまでも営業なのだ。古い馬券ファン向けの世界のままでは、これはやがて消滅してしまう。けど、ゲストタレントが競馬記者のような感じで専門的コメントを語るのには強い違和感を覚える。
日々競走馬の調教を生で見て、競馬関係者に話を訊き、データ分析をしている記者と同じような口調で予想やその理由を語ってほしくない。タレントも競馬ファン側の一員なのだから、あくまでもファンの気持ちでそれを語ってほしい。
ミルコ・デムーロ×クリストフ・ルメール勝利の条件 [ ミルコ・デムーロ ]