大地震と火山噴火
インドネシアのスマトラ(Sumatra)島にある活火山、シナブン山(Mount Sinabung)の噴火活動が、5日から再び活発化している。5日に大噴火したシナブン山では、9日夜にも溶岩流を伴う噴火が起き、噴煙が空を覆った。シナブン山は雲仙普賢岳の活動に似ている。 インドネシア当局によると、山頂から斜面を4.5キロ下る火砕流が複数発生しており、山麓の村々の安全が脅かされている。噴煙の高さは上空3キロまで到達しているという。シナブン山では2月1日の崩壊で発生した火砕流で、山頂から5km 以内の警戒区域に入域していた地域住民16人が死亡した。シナブン火山は,2010年8月に有史以来初めての水蒸気爆発を起した。その年はスマトラ島沖地震が三回も起きた。シナブン火山は約7万4千年前のトバ湖を作った超巨大噴火の後に成長したと考えられる成層火山で、トバ火砕流が作る台地 からの比高は1300m、山頂は標高2,460m。2010年以前のマグマ噴火は9~10世紀の火砕流噴火であり、火山の南〜南東に噴出物が分布する。2014 年の火砕流噴火は9〜10世紀の噴火とほぼ同じ推移をたどっている。大地震と火山噴火の関係は火山噴火が後に来る。大地震で火山地帯の地層に割れ目が発生すると、地下水が浸み込んで行き、マグマの融点が下がる。水蒸気がマグマと触れる事で臨界水となり、臨界水爆発がマグマを押し上げる。その上の地下水が爆発的膨張を起こすと、火道が作られる。やがてマグマが火道を上昇して噴き出し、火口周辺に頑丈な蓋をする。すると地下水が浸み込まなくなり、火山噴火は終息するのだ。ホットスポットを持たない火山はこの様な不定期周期を繰り返す。