イメージと実態がズレていることは、しばしばですよね。
「青少年の犯罪が急増している」という危機意識が、盛り上がっているんじゃないでしょうか?
では、実態はどうなんでしょう?
統計では、「殺人」の少年検挙者数は、昭和25年から43年頃にかけて、年間300人~450人でした。
ところが、昭和50年から平成9年まで、ほとんど100人以下で続いているのです。平成10年からちょっと増え、100人を上回るようになったのですが、半世紀前と比べれば、圧倒的に少なくなっています。
また、少年刑法犯検挙人員の推移は、昭和26年の16万人が第一の波のピーク。昭和39年が23万人で第二の山のピーク、一旦少なくなって、第三の最大の山が、昭和58年の31万人で、その後、20万人くらいが続いています。
これを見ると、それほどヒステリーになる必要はないことがわかります。もちろん、質の問題はありますが。
東京・昭和中学校の 中一夫先生の授業プラン、「近頃の若者は」の中で、紀元前の哲学者セネカとソクラテスが嘆く「最近の若いもんは」の文章が載っていますが、現代の若者を表現するのに、これほどピッタリの言葉はないくらいに、「適切な嘆き」をしています。
いつの時代も同じなんですね。そして、いつの時代も、大人が自分が子どもの頃のことを、キレイに忘れてしまうものなんでしょう。
サン・テグジュベリの星の王子様からの一節です。
「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。
しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。」
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