テーマ:障害児の親として(1425)
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障害児は、ことのほか、ほめられること、叱られること、に敏感に反応することをご存知ですか?
そうなんですよ~! 普通の子なら、一呼吸置いて、柔らかく反応するものを、ダイレクトに拡大して受け取るんでしょう。 もともと、人はうれしかったり、感動したりすると、脳の神経回路がグングン成長し、逆に落ち込むと、回路が消滅してしまうようにできています。脳のニューロン回路を作る意味からも、子どもは幸せであらねばならないのです。 (私もおだてりゃ木に登る人間です。私を殺すのは簡単です。おだてまくれば、どこまでも突っ走ります。と、これはおいといて。) 障害をもっている子には、特にほめて気分を良くして誘導する必要があります。逆にそこにこそ、彼らの能力の無限の可能性が潜んでいると、私は思います。普通の子以上にドンドン進んでいっちゃうんですから。限界を知らないんです。 ☆☆ と・こ・ろ・が ☆☆ 障害児への教育現場では、逆の場合があるのではないでしょうか。 気分を害させ、落ち込むように、投げやりになるようにと、みんなで引っ張っていませんか?もしそうなら、これは悪意ではないものの、立派な人権侵害の一種です。 これは、一般的な話ですよ。すぐれた指導をされているステキな先生はいっぱいおられます。でも、そういう先生は、養護学校や特別教室の先生をされていることが多く、普通学級の先生には、意識も技術も欠けている方が、残念ながら、ベテランの先生でもいらっしゃるんじゃないでしょうか。 注目して欲しいのは、その普通学級の中で、手当のエアポケット・谷間でもがいて苦しんでいる子どもたちです。 指導技術の基本中の基本として、 向山洋一先生が、よく指摘するポイントですが、 このような指示は、イジメに近いものがあるのです。 「教科書の28ページを出して、3番をやりなさい」 すると、子どもは、すかさず聞き直します。 「どこをやるの!」 教師は、「今言ったでしょ、ちゃんと聞いていないから分からないんです」と説教が始まる。 短く説教するなら、まだ救われます。長く説教する先生がいます。 ところが、子どもは、ふざけてなんかいないのです! 本当にわからないのです。 人間は何かの行為をする時に、ワーキングメモリー「作業記憶」が脳に入ります。プログラムが組まれるのです。 「教科書を出し」「28ページを開き」「3番をやる」というのは、三つのワーキングメモリーが必要です。 しかし、障害をもった子の中には、「一つ」しかワーキングメモリーが入らない子が多いのです。これはIQとは別です。 だから、先生の指示は、「明確にして」「シンプル」が大切なのです。 「一時に一事」を心がけることが大切です。 そして、一つひとつ確認をし、ほめながら進めていかなくてはなりません。そう!当たり前のことができても、ほめるのです! 例 熊本県 椿原正和 先生の指導 指示1:教科書を出しなさい。出したら「出しました」と言います。 児童:出しました。(早いね。優秀だ!) 指示2:28ページを開けなさい。開けたら「開けました」と言います。 児童:開けました。(すごい!念のため28の数字を抑えてごらんなさい。おとなりと確認してごらんなさい。二人とも同じだったら手をあげなさい) 指示3:問題に1番を指で押さえてごらんなさい。(確認する)そこをノートにやりなさい。 このように一時に一事で授業をすすめています。 指導のステップを小さくして、シャワーのようにほめるのです。 別の先生の話です。 A君は、3年生まで、「全くどうしようもない」という職員室での評価でした。目がつりあがっている。すぐ友達をなぐる。ノート教科書がない。授業中奇声を発する。4年生になってもかけ算ができない。 ところが新しい担任の先生は、こんな指導をしました。 算数の授業のとき、A君のノート・教科書を開いておき、ノートに赤鉛筆で日付をうすく書いておいたのです。授業開始後、即言います。 「日付、ページ数、『大きな数』と書いたら、ノートをもってきましょう」 他の子はキョトンとしている。そんな中、A君が2番目にもって来ます。 「A君2番、早い!!」 大きな数の基本形となる表を写させる。みんなが真剣に写している時、A君の側に行き、そっと赤鉛筆で薄く書きます。一つなぞるごとに短くほめます。それを何回も続けました。 そして、数値を記入する段階。もちろん、赤鉛筆で薄く書いてあげます。A君は一生懸命にそれをなぞります。一つなぞるごとに、丸をつけてあげます。A君のノートには丸がたくさんついたのです。 授業が終わって、職員室へ向かうため廊下に出ると、「先生…」と呼ぶ声が聞こえます。振り向くとA君がうつむきながら立っています。 赤鉛筆で薄く書くことが、彼の自尊心を傷つけたのかと思い、とっさに私は「ごめんね。赤鉛筆でこたえを書いちゃって」とあやまろうとした。 しかし、そうではなかったのです。私があやまろうとした瞬間、A君はうつむいた顔を上げ、まっすぐに私を見て言った。 「先生、僕のノートにたくさん丸をつけてくれて…。あ、ありがとうございました!」 あのA君が、深々と、深々と頭を下げた。 3年生まで、できなくて苦しんでいた彼の辛さ、みんなと同じように分かりたいという思い、そして丸をつけてもらった時の喜びの顔が、一瞬のうちに私の頭の中を駆けめぐった。 次の瞬間、思わず私は彼を抱きしめていた。 それから2ヶ月後、3年生までテストで10点や20点しか取ったことのないA君g、整数のわり算のテストで100点をとった。 テスト返しのとき、「A君、100点!」と言ってテストを返すと、彼は何度も何度も飛び上がって喜んでいた。 ☆☆ この話を聞くたびに、私は涙が出ます。 前任の先生にサジを投げられたA君に、頭を下げられるのに、「わずか1時間の算数の授業」で良かったのです。 長くなっちゃった。いっぱい書きたいんだけど、別紙にします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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