テーマ:障害児の親として(1425)
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ほめることは障害児に対してだけでなく、すべての子に、最も大切で、最もステキなことなのだと思います。
でも、ほめ上手な方と、なかなか人をほめられない人がいます。 実は、自分をほめられるようになって、はじめて、周囲のみんなにもほめ言葉を惜しみなくいえるようになるんですね。 つまり、親が自分を自身を、まず、十分にほめてあげるのが出発点なんです。 自分で自分をほめる。そんなのはマヤカシだ、と批判したがる人もいます。安易なナルシシズムだと笑う人もいます。癒したがりの甘ったれだとさげすむ人もいます。 でもそれらはみんな、分からんチンのたわごとにしかすぎません。 ほめることの意味を知らない、ほめられることの素晴らしさを知らない、心貧しい人のたわごとです。 この点、障害や困難をお持ちの方々の方が、実感がおありだと思います。たとえば、今日一日を当たり前に生きたそのことだけでも、いかにスゴイことか。ほめるに値することか。 本当は、どんな人でも、そうなんです。長嶋さんだってそうだったんです。 「よくやったね。」と私は私自身に向けて、乾杯をします。大きなことであろうと、小さなことであろうと、何かを終えたとき、成し遂げたとき、私は私をほめることを忘れないようにしています。 子どもだけでなく、大人の心も、みんなほめられることに飢えています。 ほめられると、みんな元気になります。勇気が湧いてきます。気力もふくらみます。 叱られたり注意されたり批判されたりすることは、時には必要でしょう。でも、そんな場面は、めったにないのです。あるとしても、交通事故みたいなものです。そんなに事故ってたら、命がいくつあっても足りません。 とにかく、常識的に思われているよりも、ずっとずっと、ものすご~く少ないのです。 その逆に、ほめてもらえるはずの場面はたくさんあります。 一般に思われているよりも、ずっとずっと、ものすごくたくさんあります。 つまり、私たちは、もっとほめられていいはずなのに、なかなかほめてもらえず、そんなに叱られたり注意されたり批判されたりする必要などないのに、それをされてしまっているのです。特に、自分自身に対して。 そのせいで、心が縮んでしまうのです。萎縮して元気がなくなります。勇気も気力も失います。自信もなくなります。つまり、文部科学省の目指すところの、「生きる力」生命力が小さくなってしまうのです。 脳生理学的に言うと、脳内ニューロン回路が萎縮してしまうのです。 ほめられて育った子と「私には親にほめてもらったという記憶がありません」という子の、その後の道のシミュレーションに愕然とします。本当にほめてもらったことが皆無かどうかは別として、本人がそう感じていることが、重大であり、真実なのです。 ほめられて育った子は、心おだやかに、おおらかに育ちます。元気で活発で、何事につけても率先してする勇気も気力も身につけます。 そういう子は他の人に、心を開くことができますから、多くの人から「ほほえみ」というほめ言葉をさらにいただきます。 ところが、もう片方は、自信のない人になります。懸命に歯をくいしばって、頑張って努力するのですが、それは、生命力を殺ぎながらの、血を流しながらの消耗戦になりがちです。 意地を張ることでしか、自分を支えることができないのです。 ガンバリ屋でさえあるでしょう。誰もほめてくれないからこそ頑張って、意地を張って、誰にも弱みを見せないようにして。 疲れるんです。そして折れてしまいます。 『子どもへのまなざし』(福音館書店)P281からです。 「本当にかわいい子というのは、愛されているからかわいいのです。 生まれつき器量がいいからかわいいのではないのです。人を信頼 しているからかわいいのです。」 すばらしい言葉です。「愛されている」ことの中で、ほめられること、特に、「あなたが存在しているそのことだけで」ほめられること、これは最も素敵な愛のシャワーではないでしょうか。 その愛の中で育った子どもは「人を信頼しているからかわいい」のです。そういう子どもは安心していられるのです。どんな状況でも、ちょっといやなことがあるけどいいや、といってしまえるのです。それですんでしまうのです。 でも、人を信じることができない子どもは、常に自分の存在価値を確かめていなければならないのです。本当に不幸だと思います。 それは、その子どものせいでないのです。 適切な環境がなかったせいです。 親がほめてやれないのは、そのさらに親のせいであることが多いです。どこかで連鎖を断ち切らなくては! でも、身近にほめてくれる人がいない!!?? いたらいいですよね。私も欲しいです。 でも、いるじゃないですか! ものすごくあなたのことをほめたがっている人が。 すぐそばに。 「あなたは、とても頑張ってきたね。意地も張ってきたね。 そうしなければ生きてはこれなかたんだね。つらいのによく耐えてきたね。弱みをみせることなく生きてきたんだ。 これはすご~いことだよね。 わたしよ、あなたはエライ! いっぱい花丸をつけてあげるよ!」 百歩譲って、評価基準をメチャ厳しくしたとしても、 困難をかかえている子の親御さんをほめないで、 誰をほめることができましょう。 私はお世辞でなく、そういう親御さんの方が きれいだと思います。心の柔らかさが、圧倒的に違うのです。 世の進学教育に他の子と、どうでもいいことに意地を張っているお母さんとは、オーラがぜ~んぜん違います。 街を歩っても、すれ違った人々を見て、そう思いませんか? たとえ、心労で精神を病まれたお母さんであっても、その流す涙は、どんなダイヤモンドも敵わない。本当に敵わないと思います。 その場でひれ伏してしまいます。 これだけでも、ほめられる価値は、確実にあります。断言します。 ほめましょう。あなたの心、お母さんの心。たっぷりたっぷり、惜しむことなく。 ※明日は日中、不在です。夜にお会いしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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