テーマ:障害児の親として(1425)
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子どもにとっての幸せは、いかに良いチームを先生と保護者、そして地域社会が築いてくれるかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
友達関係も、結局はそのトライアングルに大いに影響されます。だいたい、先生と子どもが良い関係なら、友達にも受け入れられていることが多いからです。 そこで、厚かましいことですが、先生と保護者の双方に、ぜひ注意していただきたいことをお話させていただきます。出しゃばり・勇み足・禁じ手を使う反則、この際、何と言われようと厚顔無恥でいこうと思います。ちょっとでもヒントになれば、すべては報われますから。 まず、先生から。(校長先生もふくめて) とにかく「保護者の立場になって考えてください!」です。 そりゃ、不適切な言動をする保護者もいます。しかし、保護者は24時間、子どもたちと一緒にいなければいけないんです。その点、先生は、いかに大変であろうと、たかだか数時間です。一緒に寝るわけではないのです。しかも、先生は一人ではありません。チームティーチングでなくても、職員室には、何人かの先生方が控えているわけです。万一、担任に異変があったら、代わりがあります。 それに対して、お母さんは、一人です。病気のときでさえ、休めないのです。点滴を打って、子どもとプールに入るお母さんもいます。すべての生活を投げ打って、その子のために投入しているのです。 お子さんが生まれてからの、何年か、十何年かの、ご苦労・涙をどのくらい思いやれるか、これに先生の力量・器が試されていると言ってもいいでしょう。正に人間力です。養護学校の先生は、少なくとも自分で手をあげたか、同意して仕事をしているのですが、 保護者は、自分の意志でこの生活をしているわけではないのです。神様から、揉みにもまれ、鍛えられて、ここまできているのです。 普通の子の保護者以上の尊敬をもつのが当然です。 ですから、保護者の意見に反対でも、真っ向からは、対立しないでください。まずは考えを受け入れてあげてください。そりゃ、専門の先生から見たら、全くナンセンスな話のときもあるでしょう。いや、かえってちょっとおかしいんじゃないか、という意見の方が多いかもしれません。 しかし、頭から否定をしたら、親御さんのご苦労・人生でさえ、否定してしまうことになりかねないことを頭に入れてください。これまで、最初の懇談の出会いが不幸だったために、保護者に深い心の傷を負わせ、保護者が学校に行くことさえできなくなった痛ましいできごとに、何件か出会ってきました。 たとえ、論理的にいかに正論であろうと、保護者が来られなくなっては、先生の敗北です。そこまでではなくても、心の壁を作ってしまっても負けは負けです。とにかく、足繁く通ってもらえる環境が土台で、それがなければ、どんなにすばらしいことを言っても絵に描いた餅。 世のビジネスマンなら常識ですが、自社の製品がいかにすばらしくて、お客が買うことが、お客にとって正当なメリットがあることでも、まず、話を聞いてもらうだけで、いかに大変な手間のかかることかを。 心を開いて聞いてもらう状態にもっていくことに、営業マンの腕のすべてがかかっていると言えます。 逆に、心を開いてもらえさえすれば、相当ボンクラな商品でも売れます。次々自動的に売れちゃいます。 学校というところは、相手が話しを聞くことが当然だと思っている組織です。1枚の通知書で、親が動くのが当然だと思っています。そして、動いてくれない親を批判します。 一般の会社でそんなことを言っていたら、とっくにアウトです。 「いや、いろいろ気を使ってPTA対策をしていますよ」、「学級通信に工夫をこらしていますよ」、という気持ちはわかります。しかし、相手の好意を得なければ、生存さえできない一般企業と、学校運営を円滑に行うために、できれば協力を得たいという学校の体質の差は、西と東くらいあるのです。保護者の投票によってクビになる場合を考えてみてください! 学校が今すぐ変われとは、言いませんが、その隔たりだけは、認識しておいてほしいんです。(私は、ここにこそ、本当の教育改革のポイントがあると思うのですが)お客を批判する会社が生き残れるはずがない、ということです。 これらは、すべて立場が作る魔物です。 で、話をもどしますと、障害をお持ちの子の保護者は、ただでさえ、一つのフィルターを好むと好まざるに関わらず、お持ちです。仕方がないことです。そのフィルターを最初は通過するしなければコミュニケーションは成立しないんです。 ですから、連絡帳にも、できるだけマイナスなことは書かないようにしなければいけません。これも一般社会では常識です。文書で記してしまってはいけません。なぜか?を今、書こうと思ってやめました。このことがわからない先生は、やっぱり一度社会で研修を受けるべきです。本当ですよ。 グチを大歓迎して、話や連絡帳の中の小さなサインに敏感になること。最初から、保護者が正直に胸の内を話すことなどありえないことを認識して、常に深読みをしていかなくてはいけません。そして、チャンスと思ったときに、一気に同じ問題をかかえる共同作戦のチームメイトだとの信頼を勝ち取るのです。 それからです。先生のお考えを披露するのは。 特に、医療的な診断を受けさせるには、心理的な抵抗が大きいものがあります。前記の手順を踏むかふまないかは、天国と地獄の差を生むことを、しっかり頭に入れてほしいと思います。 最初は先生の意に添わない言動になってしまうこともあるでしょう。しかし、最終的勝利のためには、ここを通過しなければいけないし、最後に何倍にもなって返ってくる割に合う手間です。 失礼しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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