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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:黒澤映画
菊田一夫の舞台劇「堕胎医」を1949年に黒澤明が大映で 監督した「静かなる決闘」は性病をテーマにした異色作である。 主人公の藤崎恭二(三船敏郎)は、かつて軍医であり 前線の野戦病院で次から次に運び込まれる負傷兵を 恭二は休む暇もなく手術台の側に立ち続けねばならなかった。 陸軍上等兵の中田龍夫(植村謙二郎)は下腹部盲腸で 一命危ない所を恭二の心魂こめた手術が成功して取り止めた。 ところが中田は相当悪性の梅毒で恭二はちょっとした不注意で 小指にキズを作り、それから病毒に感染した。 敗戦後、恭二は父親(志村喬)の病院で献身的に働いていたが 薬品のない戦地で恭二の病気は相当に拗れていた。 父にも打ち明けず彼は深夜ひそかにサルバルサンの 注射を打ち続けていたが思わしい効果は現れて来なかった。 恭二には許婚者・松木美佐緒(三條美紀)という優しい女性がおり 美佐緒にも無論病気の事は話してなかった。 復員後すっかり変わってしまった恭二が自分に対して 美佐緒は距離を置き何時までも親しくなれない事に苦悩していた。 彼女は根ほり葉ほり聞きだそうとしているが、 一ツの線からは一歩も踏み込ませようとしない。 間に入って困る父親、 ある日、恭二が自分の病気の秘密を父親に告白している所を 見習い看護師の峰岸るい(千石規子)に立ち聞きされてしまう。 そして美佐緒に何もかも判る時が来てしまった・・・ この映画に出演している三條美紀は大映で女優デビューを果たし 1952年に開催されたウルグァイ国際映画祭に出席するほどの トップ女優として大映を支えました。 後に移籍し「透明人間」「若大将対青大将」「犬神家の一族」に 出演し、テレビドラマでは「ウルトラセブン」第47話 「チーム・バチスタの栄光」「はぐれ刑事純情派」に出演し 晩年になっても女優を続けている大物である。 娘は「アテンションプリーズ」「コートにかける青春」など 数多くの青春ドラマに主演して人気を博した女優の紀比呂子である。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 【23%OFF!】静かなる決闘 デジタル・リマスター版 【角川映画 日本映画DVD ¥2940(税込)コレクション】(DVD) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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