|
テーマ:防災用品用意してますか(92)
カテゴリ:***** 歴史 *****
1933年3月3日、昭和三陸大津波が東北を襲った。
津波の高さは約29メートルにも達し、岩手県田老地区(現宮古市)は、ほぼ家がない更地に変わった。 田老の人々は津波から身を守るため、高さ10メートル,総延長2433メートルの大堤防を2重に築いた。 1960年、チリ地震の津波が再び田老を襲ったが、大堤防は田老の人々を津波から守った。 その結果、田老の大堤防は、世界中に知られることとなった。 しかし、その大堤防に対する信頼が、人々を油断させてしまった。 2011年3月11日、田老を襲った大津波は、大堤防の2倍以上の高さに達した。 津波は巨大堤防を軽々と越えるばかりか、中心部の堤防は跡形もなく砕かれ、姿を消した。 堤防への信頼から逃げ遅れた人々は津波にさらわれ、市街地は壊滅した。 災害の記憶には、”3”の法則があるという。 災害後、3ヶ月後には防災意識が薄れ、3年後には忘れ始める。 30年後には災害の伝承が途絶え、60年後には地域が忘れる。 300年後には地域から社会から忘れられ、1200年後には災害があったことすら忘れさられる。 災害後、知られた宮古市の石碑。 「高き住宅は児孫に和楽 想へ惨禍の大津波 此処より下に家を建てるな」 2011年の大津波は、昭和三陸大津波から78年後。 津波の本当の怖さを、まさに地域が忘れた時だった。 石碑より低い土地に、多くの家が建ち並んでいた。 守るための努力、その成果への信頼が命を奪う。 伝えたい記憶、忘れられる記憶。 たとえ、どれほど悲しくても、忘れてはならない記憶がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[***** 歴史 *****] カテゴリの最新記事
|