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カテゴリ:日本の歴史
同じ姉龍太郎著「迷宮の月」を読んだことは先日ブログに書いたが、古代史に造詣の深いKくんがその頃私達の同期生でやっているメール交換の中で「『平城京』を読了したが、『迷宮の月』の続編みたいだった」と書いてきた。それを見た私は「迷宮の月」が面白かったこともあり、すぐ「平城京」も入手して、4,5日で読み終わった。 「迷宮の月」はいうまでもなく遣唐使の話だったので舞台が中国大陸が主であったが、「平城京」は文字通り日本の新都・平城京をつくる話なので大和・奈良が舞台である。 時代は「迷宮の月」の第八次遣唐使 大宝2年(702)~慶雲元年(704) 執節使・粟田真人(あわたのまひと)に対し「平城京」は慶雲4年(707)~和銅3年(710)の物語であり、主に平城京造営に関することが中心である。 このように時代も第八次遣唐使帰還ごわずか3年後のことから始まっており、登場人物も主要な部分で重なっている。執節使であった粟田真人は藤原不比等などと並び朝廷の実力者になっている。 しかし、この「平城京」の小説の主人公は本の帯封に「国家の命運は、一人の青年に委ねられた」とあるように遣唐使の4号船の船長であった「安倍船人」(あべのふなひと)その人である。 (以下3枚の写真は2014年クマタツ撮影で当ブログ2015年3月4日の記事から転写した) 朱雀門 それまでの藤原京から平城京への遷都は文武天皇在世中の慶雲4年(707)に審議が始まり、その亡き後、天明天皇により勅が発せられた。そしてわずか3年後には平城京遷都がなるのである。 その新都造営の責任者に任ぜられたのが阿倍船人の兄・安倍宿奈麻呂(あべのすくなまろ)であった。 当時、船人はある事件の責任をとらされて謹慎中であったが、そこに兄・宿奈麻呂が訪れて長安に倣って新都を奈良山の麓につくるようになったので手伝ってほしいというのだった。安倍家の父・比羅夫は元はと言えば孝元天皇の皇子・大彦命を祖先とする名門阿部家の生まれであった。しかし、白村江(はくすきのえ)の戦いで唐と新羅に大敗したのは水軍の大将だった阿倍比羅夫が戦法をあやまったためとの意見が根強くあった。そういう阿部家にとってはこの造営の責任者に取り立てられたことは名誉挽回のチャンスであった。そのような背景もあったので、船人も兄に協力して現場の指揮を執ることになる。 平城京は唐の都・長安に倣って造営する都市そのものであり、東西約4、3キロ(外京を含むと約5、9キロ)南北に約5,9キロという広大な都市にしなければならない。 短期間での造営は突貫工事であり、川の付替え工事や道路建設、整地作業、大極殿の移築などに一日約1万人の役夫が必要とされた。そればかりか彼らの宿泊施設などの問題もあった。 そして何よりも厄介だったのが、造営予定地に住む人民の立ち退き問題であった。 それらを一つ一つ解決しながら、また造営中にも遷都を良しとしない一派との戦いなど立ちはだかる困難を克服していく。 現在のゼネコンの日進月歩の技術などをいくらかでも知る私は、1300年前の何もない時代にどのような方法で都一つをつくっていくかという過程は大変興味深いものがあり、ミステリー風な物語の展開にぐんぐん惹かれていって読了することができた。 全景? 「平城京」を読んだ後、kくんが歴史的には「迷宮の月」「平城京」の前にくるのが同じ安部龍太郎の「姫神」だろうと書いていたが、それも読了することができた。 このことも気が向けばいずれ書くことにしようと思う。 大極殿 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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平城京ですか。難しそうな 歴史本ですね。図書館に 聞いて見ます。
(2022.08.04 21:10:56)
蕗さん8256さんへ
なにも難しいことはありませんが、興味がある方が読めば面白い本です。 私は興味のない本は読みませんが、たまに全然知らない分野の本を読んでハマることもあります。 古代史に興味を持ち始めたのも最近のことです。 その先には、中国や朝鮮の歴史もあるようですが、もう時間がありません。 (2022.08.05 06:40:16)
クマタツさんおはようございます!
歴史ロマンですね? 歴史に正史あれども・・・動かぬ証拠があるワケでも?動画で残っている訳でもナイので、多くは想像ですからね? いろんな可能性が残っているのが面白いですね~( ̄ー ̄) 平城京遷都の頃は、まだ東北北部は律令制に組み込まれていない・・・外部だったんですよね~~(^-^; (2022.08.05 08:01:56)
かずまる@さんへ
おっしゃるようにまさに歴史はロマンです。 古代史はその最たるものでしょう。 東北や北海道はまたそれぞれの歴史があり、抵抗もすごかったようですね。ブロ友さんのお勧めで澤田ふじ子著「陸奥甲冑記」という本も買っていますが、これから読みます。楽しみです。 (2022.08.05 09:30:15)
おはようさんさん。
いつも応援ありがとなし。 日本古代史に凝って おりますな・・・ どの時代でも、政権をめぐって 兄弟殺し・・ 全世界共通の人間の愚かさ だすな・・ (2022.08.05 10:58:53)
こんばんは。歴史ですね。得意とすることですから、さぞかし夢中になられたことでしょう。良く解らないですが、歴史の中には、凛とした人物が居るんだということは少し分かります。今の日本を築きあげた一部でしょうね。立派な人もいたもんだ、、。
(2022.08.05 20:22:39)
木昌1777さんへ
そうですねぇ。 今から1300年前くらいにもこれほどの担力のある人物もいたわけで、現代と比べるとどうでしょう。 寂しくなります。 (2022.08.05 21:33:48)
こんばんは。
いつもありがとうございます。 猛暑か豪雨か、厳しい夏です。 奈良に住んでいた頃、 本当に昔のまま変わらないだろうという 地が多くありました。 そういう場所では、当時の人の気持ちが 体感できる気がしました。 (2022.08.05 23:23:40)
kopanda06さんへ
暑い日が続きますね。 それでもグラウンドゴルフがんばっています。 奈良は深堀すれば、いろいろなことが出てくる京ですね。 また行きたくなりました。 (2022.08.06 11:24:49)
楓0601さんへ
おお! そうですか。 ゼネコンご一家ですね。 私の友人にもゼネコンの大手で頑張った一級建築士がいます。 彼からも話を聞いていますが、誇りを持って仕事をしていたようです。 (2022.08.06 16:01:31)
いつもコメントを頂きまして、
誠にありがとうございます。 テーマから外れてしまいますが、 私が1988年に 奈良県の母方の親戚の家に泊まった時、 博覧会へ行って参りました。 途中でゲリラ豪雨に巻き込まれて、 本当に大変でした。 (2022.11.13 10:50:38) |