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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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November 25, 2015
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こういう番組、そろそろやってくれないかな・・・なんて思っていたら、イズニックの村からさっそく報告が・・・。

「イーネオヤのドキュメンタリー番組の取材スタッフが村に来て、村の女性たちがイーネオヤ作っているところとか、クナゲジェシとか撮影していったよ~」。

村のサイトの情報を見てコンタクトを取ってきたらしいです。
その以前から村を通して、または直接、私の連絡先を見つけて「トルコのイーネオヤに関する取材先について」問い合わせをしてきた会社があったけど、それと関係あるかどうかはわからない。
でもムシュクレ村にもビックチャンスがやってきた。
それはよかった、よかった・・・。
こういう記録は大切です。
私一人の力は小さすぎて、個人では何もできないし、こんなちゃんとした記録は残せないですからねー。


さて、話は変わって・・・・・。
先々週のことなのですが、急遽、オデミシュに行く用事ができて、出かけてきました。
いつもはたいてい取材優先なのですが、今回は純粋にお買い物。
せっかくのご縁だから、女性組合の商品も見せてもらおうかな・・・と事前に連絡を入れておきました。

この日は時間が限られている上に、暗くなる前にはアンタルヤへ戻らなければならないスケジュール。
朝一番で組合に行って、それからオヤバザールでも見て歩こう・・・なんて予定をしていたのです。
組合にも朝の30分ぐらいしか時間ないから、絶対約束の時間に来てねー、って念を押しておいたりしたわけで。

で、朝行きました。
組合に行く途中に、日本から卒論の取材に来ているMちゃんとばったり。
私が来るのを組合から聞いて、待っていてくれたみたい。
取材も進んでいるとのことでよかった、よかった・・・。

そんなこんなで話をしながら組合の建物に行くと、なんだかいつもと違うメンバー。
それに組合の女性たち、きれいな服着てお化粧しているし・・・・。

なんか男性もいる。

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挨拶してわかったのだけど、例の「イーネオヤのドキュメンタリー番組」の取材スタッフ。
「実はあなたのこと探していたのです」と、女性監督さんが話をしてくれた。

「ブルサの某所であなたの書いたイーネオヤの本を手に取る機会があって、コピーを取らしてもらいました。
で、ぜひコンタクトを取りたいと思っていたところに、偶然、今日、ここに来るって聞いていたので朝から待っていたのです」。

それは、それは光栄なことでございます。

イズニックだけでなく、オデミシュを始め、トルコのイーネオヤに関連した土地を取材して歩くとのこと。
これから取材する先の地名を挙げて「他にも行くべきところはありますか?」と尋ねられた。

私がやりたかったけど、できなかったこと。
この番組の存在が2015-16年現在の記録として残り、これからますますイーネオヤの認識を深め、興味を持つ人たちを増やしていくのかと思うと、本当によかった、よかった・・・と思うのです。

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でも事前に知っていたら、明るい色の服着て、化粧でもしてきたのに・・・・。

簡単なインタビューと、オヤバザールでの散策風景をプロモーションビデオのように撮られました。
ついでなので、各所で雑談と称して、バザールに出店しているトルコの人たちのオヤについてのお話なども引き出させてもらいました。

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マイク仕込まれたままでしたので、お買い物したいのに、できなかったのが悔やまれます。
撮影終わってからメドを付けていたところに思いっきり走りましたけど。

そして地元の通信社の女性記者さんとは密談。
例のマシンメイドのイーネオヤのことです。


いまや、オデミシュのオヤバザールだけでなく、イスタンブル、デ二ズリ、ブルサ、アンタルヤ・・・・どこへ行っても見るものです。

「オデミシュでは未だ深刻な問題なの。女性たちの手を脅かす存在だから」。

そうなんだけど、オデミシュのバザールでも結構な数でハンドメイド品に紛れて売られているよね。
誰がどこで作って流通させているのか・・・っていうのを気にしているのだけど、オデミシュでおばちゃんたちが自ら売っているんだから話が矛盾しているじゃん・・・・って言いました。

なんでも現時点の新説では
「イクミに確認して彼女がやっていることでもなく、日本人がやっていることでもないことはわかった。中国人がスパイして作らせているらしい・・・」って巷の噂になっているそうです。
で、大笑いしたのが
「夏ごろから何度もバザールに来ている中国人の女性がいて、いろんなところでダンテルの写真を撮っているようだけど、どうやら彼女の仕業らしいと噂されている。オデミシュの女性たちもそれに気が付いて、彼女には写真を撮らせないようにしているんだって・・・・」ということ。

もうお気づきですね。
中国人のスパイの正体。
この数か月という短期間で、私以外でオデミシュのバザールに最多出現したアジア人は彼女しかいないからです。
通信社の記者さんもしっかり彼女を指さしていました。

もちろん大笑いして、否定させてもらいました。

実はこのハンドメイドのイーネオヤを作っているところ(の一か所)を突き止めました。
私でも日本人でもなく、トルコ人の業者です。
しかもイーネダンテルが盛んな地域の地元業者です。

すごく正直に言わせてもらうと、マシンメイドのイーネオヤの出現にも存在にも私には特に異議を唱える気持ちはありません。ある意味、自然の流れですから。
私が怒ったのは、ハンドメイドするトルコの女性たちの隣で、それを阻止するかのようにマシンメイドの安価なものを作っているのが実はイーネオヤで有名な某所の、地元の自国の人なのに、それを考える前にお前がやったんだろうとか、日本人がやったんだろうとか、他人に罪を擦り付けたことに対してなんです。
そしてそういうオデミシュでも深刻な問題になっているといいつつ、バザールで多くの女性たちに売らせていることに対してです。

「トルコ人にもいろんな人がいるから・・・」といのは、言い訳になりますかね。

という話もあれば、うれしい話もありました。

ドイツ人の女性から電話がありました。
「あなたのイーネオヤの本を某所で見ました。どうやったら手に入れることができるの?」ということでした。
「私が売っているわけではないし、自分の分の1冊しか持っていないし、ネットで買うしかないと思う。でも日本語ですよ」と返事をしたら
「日本語でもいいの。写真がとても素敵で気に入ったから。実際のイーネオヤ作りの現場の写真が多くて参考にもなるし」。

同様の電話やメール、ネットへの書き込みは外国の方やトルコの方からたくさんいただいています。
でも日本国外での本の入手方法は私にはわかりません。
要望の多いトルコ語版の出版についても私にできることは何もありません。

店までわざわざ本を買いたいと言って来たトルコの方には、申し訳ないのでお願いされた場合に限り、必要な個所だけのカラーコピーを取ってもらうことは許可しています。

で、先出の連絡をくれたドイツ人の女性は実はご夫婦でイーネオヤの本を出したそうです。

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詳しくはわからないのですが、中のページを見ると博物館のカタログのようにも思えます。
ドイツの博物館でイーネオヤ展示をして、そのカタログかな、って想像します。
(ところで日本の服飾関係の博物館はトルコのイーネオヤには興味ないのでしょうか)

ブルサのトルコ人のイーネオヤ友達からはこう言われました。
カレのところにもイーネオヤのドキュメンタリー番組の取材スタッフが来たそうです。
「キミのおかげで、いろんな人が何かやろうと動き始めている。僕も行政を巻き込んでイーネオヤ・フェスティバルを開催したいと思っている」

一人のトルコの人に、そう言ってもらえるだけでもいままでやってきたことが報われた気がします。

世の中にはなんでもかんでも自分だけの業績にしたがるタイプの方がいます。
それをしている自分を周囲から評価されたい・・・と。
多少の差はあるでしょうが、何かをするときに評価されたい気持ちはもちろんあって当然です。

でも一人の人ができることには時間的にも物理的にも限界があります。
それを引き継いでくれる人の出現を密かに待っているわけです。
私も長いこと待っているのですけど、なかなか誰も寄り付いてくれませんので、このまま自己満足で終わって、全ては闇の中に葬られるのか・・・と覚悟していました。
別に私は個人的にはそれでもかまいません。
全ては自分が見たかった、知りたかった、欲しかった・・・から始まったことですから。


私一人の力は本当に小さくて、形や業績を残すという点では何もできなかったに等しいですが、それでも想像とは違うものですが、こうして形や業績を残せる人たちにつなげたのかもしれない・・・と思えば、トルコに20年以上に渡り暮らしてきたことも無意味ではなかったな・・・と感じる今日この頃。
あとはひっそり隠居生活に入っても悔いはありません。

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平尾直美先生のオヤ本が2016年1月13日に出ます。

「トルコの伝統レース編み・イーネオヤでつくる ちいさな雑貨とアクセサリー
~ビギナーから安心のわかりやすい編み図つき~」



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Last updated  November 25, 2015 08:25:04 PM
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