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カテゴリ:オヤ旅&ツアー報告
2023年から2024年にオヤ旅に出かけていました。 そのご報告と備忘録として内容的には一部になりますが残したいと思います。 正味5日間という短い日程でした。しかしその分充実した中身の濃い旅でした。 帰宅後、身体を休める間もなく出勤していますが、筋肉痛とか疲労は数日後に出てくるのかな?って感じです。 今回の旅でも色々な女性の元を訪問し、イーネオヤを習うのが目的のひとつでしたが、まず最初にブルサで暮らす73歳の女性に北マケドニアのイーネオヤを習いました。 ご存知のように過去にオスマン帝国の拡大と支配と共に、ブルガリア、ギリシャ、旧ユーゴスラビア、ハンガリー、そしてマケドニアなどにトルコ人が入植し暮しました。その子孫が20世紀に入って住民交換によりトルコに戻ってくるケースがあり、そんな中の一人なのだそうです。 トルコで生まれた娘世代はアルバニア語を話しませんが、女性はアルバニア語を話し、トルコではアルナウットルと呼ばれます。 婚姻も同族同士で行われたためトルコ人としての伝統を守りつつ、マケドニアのトルコ系ムスリマンたちの独自の文化も持ち合わせているのです。イーネオヤに関しても同様に、トルコのイーネオヤ文化を現地に持っていき、その土地で異なる独特の発展を遂げています。 北マケドニアのトルコ系住人のイーネオヤの一般的な印象は、白色を基本とした極細糸による繊細な造りです。立体的なモチーフものもとにかく細かい。 そしてそれらがシルクではなく、極細のナイロン糸やコットン糸で作られていること。 イーネオヤの考え方の基盤もスカーフに付けるものであっても、もちろんモチーフもありますが、それだけではなく、平面に作ったリボン状のものなど感覚的にトルコで見られないものもあります。 今回は女性の手持ちのものを一部見せてもらい、さらに興味を持った部分について教えてもらうことになりました。使う糸はチャパの白のレース用のコットン糸でした。 女性が作ってるもののひとつにひたすら目を作っていくイーネオヤのハンカチーフがありました。 布部分をイーネオヤで作っているのです。 正方形に完成したら、周囲にオヤで装飾するそうです。 これは単純でいて、綺麗に目を揃えつつ、これだけの面積を埋めていくのがどんなに根気が必要なことか容易に想像できるかと思います。 73歳になる女性は言いました。 「この作業は小さな針で井戸を掘るようなもの」。 またひとつ、イーネオヤの真髄に触れたような気がします。 (続く) ---------------------------------------------------------------------- オヤマニアの会からイベントのお知らせです。 3月16日(土)~18日(月) トルコのイーネオヤ 複雑そうなトルコのイーネオヤですが、目の作り方は1つだけです。その積み重ね方の工夫で形ができあがる構造になっています。ですからある程度のレベルに達するとモチーフの作り方は想像できるかと思います。しかしトルコ各地の村々を訪問し、女性たちと交流する機会が増えるごとに想像と異なる方法でオヤが作られていることに気が付くことがあります。 今回も現地の女性たち直伝のその土地ならではの特殊な作り方や面白い工夫があるイーネオヤのモチーフのワークショップをお楽しみにしてください。材料やアクセサリー類、ヴィンテージのオヤスカーフなどの展示販売も予定しています。ヴィンテージものにはよく見ると上記に触れたような面白い秘密が隠されていたりします。イーネオヤ技術の向上には各地の古いものをたくさん見るというのが一番の近道かもしれません。 3月19日(火)~24日(日) オスマンル刺繍 オスマンル刺繍は過去にも紹介してきたように、オスマン帝国時代にトルコで発展したシルク糸とメタルリボン、メタル糸を組み合わせた超絶刺繍です。宮殿やお屋敷などで娘の嫁入りのために本人たちが手掛けることもありましたが、お金をかけて専門の職人さんに作らせることでプロの高度な技術によって製作されてきたことも特徴のひとつです。 19~20世紀の素晴らしいオスマンル刺繍の世界を実際に見ていただき、さらに現地の国営伝統文化研究所で学んだ先生によるワークショップも多数ご用意しています。 ---------------------------------------------------------------------- オヤマニアの会の新刊本販売のお知らせです。 アイドゥンエフェオヤ(31点)、アイドゥン(15点)、キュタフュヤ(29点)、カスタモヌ(7点)、ブルサ(29点)、ナウルハン(13点)、エーゲ海地方(22点)など、トルコ各地の貴重なアンティ―クイーネオヤ146点を掲載しています。1目1目が見えるようにに撮影していますので骨董オヤの再現にも参考になるかと思います。 古いイーネオヤはトルコに来ても特定の博物館でしか見ることができません。 博物館レベルの個人所有のイーネオヤコレクションをまとめた世界初無二のトルコのオヤ本です。 1ページに全体画像とモチーフの拡大画像、データとして地域、モチーフ名、素材、サイズが表記されています。トルコのオヤ好きさんはもちろん、レース、手仕事、手芸、民族文化、古いもの、美しいものなどに興味ある人にオススメです。 タイトル:OYA Traditional Turkish Needlelace (日本語・トルコ語・英語併記) オヤマニアの会編 サイズ:21.0×29.7×1.4cm A4版 ページ数:160ページ フルカラー 重量:約840g 発行予定日:2023年7月 ISBN:978-625-99032-0-0 発行元:ミフリ出版 お申込み、お問合せ窓口は ◇オヤマニアの会:instagramまたはe-mail ◇イーネオヤロゼット: https://igneoya-rosette.ocnk.net/ ◇ミフリ:(下のリンクにある)ミフリ&アクチェのショッピングサイトで発売中! ------------------------------------------------------------------ YouTubeの「ikumi nonaka」チャンネルで動画を公開中です。 トルコの伝統手工芸、食文化、生活、牧畜などをご紹介しています。 新着のお知らせがいくように、チャンネル登録をぜひお願いします❤ ikumi nonaka チャンネル ------------------------------------------------------------------ ミフリのショッピングサイトはコチラ↓ ミフリ&アクチェ にほんブログ村 にほんブログ村 その他・全般ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 3, 2024 11:31:33 AM
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