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カテゴリ:オヤ旅&ツアー報告
3日目にイェニシェヒールのヨロレン村へ行きました。 イェニシェヒールの本来のイーネオヤはイズニックのオヤとも場所が近いだけに似ているものも多く、巨大なイズニックのオヤに比べるとその縮小版といった感じです。 モチーフの間にあるアラモチーフにも独特なものがあり、もちろん同じイェニシェヒールのテルジラル村、スバシュ村、チェレビ村などとも共通している部分もあれば固有のものもあります。 ヨロレン村は規模も多きく、経済的にも豊かなお金持ちの村です。 広大な農地を持ち、この土地で有名なビベルを始め、さまざまな農作物を生産しています。 生活に余裕があればもちろん結婚の準備にもお金がかけられます。 特にこの周辺での伝統であるイーネオヤスカーフの準備にも余念がありません。 年配の女性たちのチェストにもお母さん、おばあさんから譲られた古い小ぶりのイーネオヤがついたスカーフと共に、新しく作られた大きく華やかなオヤがたくさん入っていました。 「女性たちは大きくなければ気に入らないからね」とみなが言います。 どうして大きくないといけないのか、ムシュクレ村のように展示をするための必要性があるなど何か理由があるのかと尋ねると、 「大きい方が見栄えがいいじゃない?」と笑って答えます。 この村では女性たちの友人同士で構成されるグループがいくつもあるそうです。 お祝い事で配られる布などが届くと、グループで話し合ってお揃いの服を作ったりするそうです。 服は村の中で女性同士の集まりであるギュンで、全員で着て集まります。 真っ赤な上下であったり、村パンツであるシャルワルであったり。 その時に服はお揃いですが、頭にはそれぞれのご自慢のオヤスカーフを被ります。 服は同じ生地の同じデザインですから、オヤスカーフで差をつけるってことですね。 華やかで大きなオヤほど人の目を引き目立ちます。 女性たちは腕を競い合い、新たなデザインが次々生まれます。 そのせいなのか新しく作られるオヤにはモチーフ名が付けられることはほぼないようです。 強いていえば○○さんのイーネオヤ、って言えばいいわけですから。 エミネさんは若い女性たちにとってイーネオヤの先生的存在です。 わからないことがあればエミネさんを頼れば何でも教えてもらえます。 私たちもエミネさんにオヤを習いました。 未撚り糸を自分の靴下の先につけた針にかけて、手撚りしながらオヤを作っていきます。 ここでもおやつの時間に美味しいものを用意していただき、お腹いっぱいのはずが、あまりにも好みの味でついつい食べ過ぎてしまいました。 パンパンのお腹を抱えて、クルマで2時間半ほどのエスキシェヒールへ向かいました。 (続く) ---------------------------------------------------------------------- オヤマニアの会からイベントのお知らせです。 3月16日(土)~18日(月) トルコのイーネオヤ 複雑そうなトルコのイーネオヤですが、目の作り方は1つだけです。その積み重ね方の工夫で形ができあがる構造になっています。ですからある程度のレベルに達するとモチーフの作り方は想像できるかと思います。しかしトルコ各地の村々を訪問し、女性たちと交流する機会が増えるごとに想像と異なる方法でオヤが作られていることに気が付くことがあります。 今回も現地の女性たち直伝のその土地ならではの特殊な作り方や面白い工夫があるイーネオヤのモチーフのワークショップをお楽しみにしてください。材料やアクセサリー類、ヴィンテージのオヤスカーフなどの展示販売も予定しています。ヴィンテージものにはよく見ると上記に触れたような面白い秘密が隠されていたりします。イーネオヤ技術の向上には各地の古いものをたくさん見るというのが一番の近道かもしれません。 3月19日(火)~24日(日) オスマンル刺繍 オスマンル刺繍は過去にも紹介してきたように、オスマン帝国時代にトルコで発展したシルク糸とメタルリボン、メタル糸を組み合わせた超絶刺繍です。宮殿やお屋敷などで娘の嫁入りのために本人たちが手掛けることもありましたが、お金をかけて専門の職人さんに作らせることでプロの高度な技術によって製作されてきたことも特徴のひとつです。 19~20世紀の素晴らしいオスマンル刺繍の世界を実際に見ていただき、さらに現地の国営伝統文化研究所で学んだ先生によるワークショップも多数ご用意しています。 ---------------------------------------------------------------------- オヤマニアの会の新刊本販売のお知らせです。 アイドゥンエフェオヤ(31点)、アイドゥン(15点)、キュタフュヤ(29点)、カスタモヌ(7点)、ブルサ(29点)、ナウルハン(13点)、エーゲ海地方(22点)など、トルコ各地の貴重なアンティ―クイーネオヤ146点を掲載しています。1目1目が見えるようにに撮影していますので骨董オヤの再現にも参考になるかと思います。 古いイーネオヤはトルコに来ても特定の博物館でしか見ることができません。 博物館レベルの個人所有のイーネオヤコレクションをまとめた世界初無二のトルコのオヤ本です。 1ページに全体画像とモチーフの拡大画像、データとして地域、モチーフ名、素材、サイズが表記されています。トルコのオヤ好きさんはもちろん、レース、手仕事、手芸、民族文化、古いもの、美しいものなどに興味ある人にオススメです。 タイトル:OYA Traditional Turkish Needlelace (日本語・トルコ語・英語併記) オヤマニアの会編 サイズ:21.0×29.7×1.4cm A4版 ページ数:160ページ フルカラー 重量:約840g 発行予定日:2023年7月 ISBN:978-625-99032-0-0 発行元:ミフリ出版 お申込み、お問合せ窓口は ◇オヤマニアの会:instagramまたはe-mail ◇イーネオヤロゼット: https://igneoya-rosette.ocnk.net/ ◇ミフリ:(下のリンクにある)ミフリ&アクチェのショッピングサイトで発売中! ------------------------------------------------------------------ YouTubeの「ikumi nonaka」チャンネルで動画を公開中です。 トルコの伝統手工芸、食文化、生活、牧畜などをご紹介しています。 新着のお知らせがいくように、チャンネル登録をぜひお願いします❤ ikumi nonaka チャンネル ------------------------------------------------------------------ ミフリのショッピングサイトはコチラ↓ ミフリ&アクチェ にほんブログ村 にほんブログ村 その他・全般ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 4, 2024 09:30:56 PM
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