テーマ:ささやかな幸せ(6739)
カテゴリ:Q輔とU子と「犬」
前回、僕が「犬のエサをこじゃれたクッキーと間違えて食べた」という記事を書きました。
いやぁ~、早とちりにもほどがあるね。我ながら。人として。 そんじゃあ、今回は僕の妻、U子さんの早とちり話をひとつ。 さぁ~て、妻が早とちりして何の動物のエサを食べたかといいますと、 おっと、違う違う!食べてない!妻はエサ、食べてなーい! えーと、妻の早とちり話、題して、 「モモちゃん危機一髪!? てか、勝手に殺すな!事件」 子供が出来る前なので、もう10年ぐらい前の話です。 夜の8時ぐらい、僕がまだ会社で残業していると、突然妻からの電話。 「た、た、た、大変っ!パートから帰ったら!モモちゃんが全然動かーん!立ち上がることも出来きーん! 元気がないとか、そういうレベルじゃないでかーん!病院行くで!一刻も早く帰って来やー!」 な、何だって!そいつは大変だ!ってんで、仕事を早々に切り上げて帰宅。 うちは自家用車1台なので、僕が会社に乗って行っている車が必要だったんですね。 帰宅してドアを開けると、玄関で妻がモモちゃんを抱っこして、準備万端で仁王立ちしている。 「遅い!待ちかねた!」 あら、ホントだ、モモちゃん、確かにぐったりしてる。「立ち上がる力もないって?一度立たせて見せてくれ。」と僕が言うと、 「そんな暇ない!一刻を争う!早く病院へ!」みたいなこと半ベソかきながら言う妻。少々パニック気味。 「わ、分かったよ。じゃ、とりあえずオシッコがしたいので、トイレに行ってくる。」と言うと、 「だ!か!ら!そんな暇ねーっ!」と怒鳴られ、トイレにいく時間も与えてもらえない。けっこー錯乱気味。 兎にも角にも、病院へ急行ってんで、車に乗り込む。運転席に僕、後部座席に妻、モモちゃんは妻の膝の上。 妻はもともと車に弱く、今でもよく車酔いするのだけれど、 特に心配事があったり、考え事をしていたり、運転手が道に迷ったりなど、 気持ちを圧迫される状態にあると、確実に車酔いするんですね。 だからこっちは親切に出発前に「お前、酔い止めの薬飲んだの?」と確認したのにさ、 「だ!か!ら!」 はいはい、そんな暇ないのね、急ぐね。車、ぶーん。 結局、妻、走行して、100メートルぐらいで、 「酔った・・吐きそう」。 わざとかっ! 思わず車中で叫んじゃいましたよ。 1分も走ってねーぞっ! 加速前の助走の、その前の徐行だぞっ! 神かっ!車酔いのっ! とかなんとか。 車止めよか?家戻ろうか?と言っても、聞かぬ妻。とにかく病院へ急げ!の一点張り。 もぉ~、そっからはね、大変でしたよ。 犬は、瀕死の状態でぐったりしてるし。 妻は、車酔いで、息が荒く、顔面蒼白だし。 僕は、膀胱ぱんぱんだし。 犬が、死ぬか!? 妻が、吐くか!? 夫が、ちびるか!? 三つの時限爆弾を乗せて、 動物病院へ向かう一台の車、 車内の緊迫した空気ったらもぉ~・・・。 次の瞬間、突然、妻が叫んだ。 「く、車止めてっ!モモが息してないっ!」 えっ!!マジ?・・・。 「早く!車止めてよ!」 「いやいや、止めてって簡単に言うけど、今、主要幹線道路の第二車線走ってんだけど。」 「早く!二人でモモを見送ってあげんと!モモ、旅立っちゃうがねっ!」 何言い切ってんだ、何を。 何が、がねっ!、だ?、ったくもう・・・。 仕方なく、主要幹線道路の路肩にハザードランプをつけて停車。 横を10トンダンプやトレーラーがびゅんびゅん走って行く、とんでもない場所で、 僕も後部座席に乗り込み、妻の言う通りに「モモちゃんを送る会」のはじまり。 僕はモモを抱き上げ、モモの顔を耳元によせた。 すー。すー。すー。 ・・・寝てるね。 すー。すー。すー。 ・・・死んでないね。 すー。すー。すー。 ・・・勝手に殺しちゃダメだね。 「だって!いつも、もっとブヒブヒいびきかいて寝るから!」 うん。でも今日は、すー、すー、と寝ているね。何か問題でも? その後も何かと錯乱気味のことを言うので、 「U子!これ以上ギャーギャー言うと、進路を変えて、先に人間の病院へ連れて行くぞ!」 とか言いながら、運転再開。 渋滞に巻き込まれたりして、結局一時間程かかって、動物病院に到着。 モモにリードをつけて、ピョコっと地面に立たせると、 立つじゃん!ふつーに! てか、歩くじゃん!ふつーに! 救急の診察なので、裏口にあるインターホンを押して、先生を呼び出す。 電話で妻から、瀕死の状態だと聞かされていた先生。すたこら歩いているモモちゃんを見て、 昔の家電が突然壊れた時みたいに、頭から、白い、細い、けむりが一本・・・。 その時、妻はというと、裏口から少し離れた病院備え付けのごみ箱に、思いっきりゲーしてました。 その姿を、遠くから僕と先生でばっちり目撃してたんですけどね、 「酔っ払いですね、女の。みっともないですね、いい大人が。」 とか言いながら、僕はしっかり他人のフリをして、 「早速ですが、先生、トイレ借してくんさい!」 なんつって、内またで、歩幅短く、院内へ。間に合ったぁ~。 さて、モモちゃんの診察結果は、 「たぶん~、熱中症になりかけたんじゃ、ないかなぁ~、と、思われます。」 ということでした。 先生といろいろお話している最中に、診察室の扉が開いて、突然、真っ青な顔をした妻が入ってきたもんだから、 獣医の先生、さっきの女酔っ払いの突然の乱入に、 びくっ! ってなってました。ははは。 ああ。うちの妻です。 と僕が平然と言うと、獣医の先生、 「お前ら一体何なの?急患の犬は、全然急患じゃないし!嫁はゲロ吐いてるし、 夫は小便チビリだし!お願い!お願いだから一刻も早く消え失せて!」 みたいな表情剥きだしになったので、Q輔一家そそくさと退散。 結局、モモちゃんの不調の原因は、はっきりせぬままでした。 でも、この時は、たまたま妻の早とちりでしたけど、 うちの妻が、いつもこんな感じで、愛犬の健康管理に異常なほど迅速に行動してきたが故に、 多くの早とちりに紛れて、悪性腫瘍など、さまざまな病気を早期発見してきたのも確かなんすよね。 モモちゃんが、現在15歳という長寿であるのが、何よりその証なんすよね。 だから妻よ! 恥じることはないぞ! 胸をはれ! これからも、胸をはって、早とちれ! 胸をはって、ゲロだ! そんでもって、また獣医の先生を、 びくっ! とさせとくれぃ! あの顔がまた見たいぞぃ! ははは。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.12.18 17:50:38
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