1124085 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2022.09.23
XML


 20年前に今の水道設備会社に就職をした時、僕は一介の現場作業員だった。入社して3年経った頃に、二級管工事施工管理技士という資格に何となくチャレンジしてみたくなり、「個人的に挑戦したいアレで、半ば暇つぶしみたいなソレで、こっちで勝手に勉強して、勝手に受験しますので、会社には絶対迷惑を掛けませんので、よろしくどーぞ」なんつって、他の社員のように講習会費用などの援助を一切求めず、全て自費、全て独学で勉強をした結果、たまたま一発で合格をした。

 そして、たまたま僕が合格をしたその年に、僕よりも若い工事監督が、現場で抱えるストレスを理由に会社を退職してしまった。彼は、うちの会社では珍しく中部地方ではそこそこの有名大学を卒業した若者で、将来を有望視されているやつだった。社長をはじめ会社の上層部は有望株の突然の退職に激しく動揺をした。そして次の社員が入って来るまでの場繋ぎ的な意味合いで、当時興味本位で二級施工管理技士を受験して、まぐれ当たりで合格した僕が、施工管理の部署に問答無用で回されたのである。うちの会社は、基本的に施工管理者は最低学歴大卒以上という縛りがあったので、地元では二流の県立高校卒の僕の抜擢が、よほど異例の、苦肉の策であったことは想像に難くない。

 工事監督になった途端に、給料に資格手当がついた。それから、事後ではあったが、受験に掛かった費用も、会社の方から全額負担してやると言われた。見返りを期待していなかったので、正直おでれーた。そして、会社は僕の資格を宛てにして公共工事の入札を躍起になって開始するのである。

 へ~、資格を取るとお給料が上がるのね、ってんで、その次の年には、給水装置責任技術者、排水設備主任技術者、二級土木施工管理技士、という三つの資格を同時に受験し、全て一発で合格をした。ここまで短期間で国家資格を多数所得した者はいなかったので、その努力を買われて僕は正式に施工管理の部署に残ることになった。受験に掛かる費用も会社が負担してくれたが、僕は講習会の勉強がどうしても苦手だったので参加せず、僕の経費は本屋で購入できる過去10年の試験問題集代だけだった。平日に数日通常業務を止め出勤扱いで何万も掛けて講習に通う他の社員に比べ、我ながら、とてもリーズナブルな社員だったと思っている。

 この時期、何かと金が入用で、単純に今よりもっとお給料が欲しくて欲しくてたまらなかったので、一級管工事施工管理技士と一級土木施工管理技士という難関の資格に、即刻チャレンジをしたかったのであるが、なにぶん自分はしがない高卒であったので「最終学歴が高校の者は、二級合格後5年の実務経験を経たのちしか一級は受験出来ない」という資格条件の縛りに引っ掛かり、時を待たざるを得なかった。
 時を経て、一級管工事施工管理技士を独学で勉強し、一発で合格をした。うちの社長が講習会に足しげく通い、三年目にしてやっと合格した資格なので「あ、あの、アホみたいな職人上がりが……」と、この時ばかりは周囲がどよめいた。
 それから一級土木施工管理技士にチャレンジをした。この資格は二度失敗をした。実施試験の経験記述を書く作文ではじかれたのだと思われる。道路の本管工事にかかわったことの無い人間が、試験のために書いた机上の空論的経験記述は、さすがに採点者に簡単に見抜かれてしまうのだ。この時ばかりは多くの先輩に経験記事術の作文を読んでもらい、頭を下げて矛盾点の指摘を乞うた。そして三年目に合格をした。

 現在に至る。色々あって、僕は業務部長に昇格をした。自分の前例があるので、現在うちの部署の採用に学歴の縛りは原則無い。資格取得に伴う会社からの援助も、管理と現場どちらも平等に行ってもらえるように社長に掛け合い、了承を得ている。まあ、それでも営業職、施工管理職、および事務方を含め、実際のところ高卒は僕だけである。(現場の職人は、中・高卒多数)また、一級管工事、一級土木、という水道設備業界で働く上で取得しておけば得しかない資格についても、両方を取得しているのは、社長と、営業部長と、僕だけだ。僕よりも立派な学歴を持つ社員が、いまだに合格出来ていない。寂しい限り。おまーらもーちょいがんばれよ。

 僕は、こと建設業界においては、学歴より資格が大切だ、と身に染みて感じている。

 だって、少なくとも、そのサンプルがここにいるからね。

 そりゃあ、取得に至るまでの扱い、ことスタートラインにおいて大卒と高卒は大きく違ったが、それにしたって、資格なんてもんは、取ってしまえばこっちのもんよ。
 
 あいつは大卒の一級施工管理技士、こいつは高卒の一級施工管理技士、などという差別を受けたことは、ハッキリ言って一度もない。また建設現場で「あなたの最終学歴を教えてちょーすか?」という質問を受けたことも一度もない。所得してしまえば、一級施工管理技士は、一級施工管理技士である。

 現場では、資格証の提示を求められることはあるが、卒業証明書の提示を求められることはないのだ。




※ ※ ※ ※ ※


 資格についてはもう少し書きたいことがあるので、それはまた次回に書きまする。

 ではまた。




にほんブログ村 にほんブログ村へ

にほんブログ村
↑ポチッと一枚!
PVアクセスランキング にほんブログ村




にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.09.23 20:23:16
[Q輔とU子と「仕事曜日」] カテゴリの最新記事


PR

プロフィール

Q輔とU子

Q輔とU子

カテゴリ

日記/記事の投稿

バックナンバー

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12

楽天カード

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.