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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2016.09.11
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カテゴリ:邦画・アジア映画
何度見ても飽きない映画だ。十代の頃は大人の俗物性に憤った。この齢になって観ると結構笑ってしまう。それはつまり、他人事として、傍観者として映画を観る習性がついてしまったからかもしれない。通夜の席の井戸端会議のみならず、とくに前半で渡辺が随所で見せる真剣な、深刻な、しかし大げさな表情にも笑ってしまうのは、きっと自分が命にかかわる病気をしたことがないせいだろう。

それでも心は動かされる。小説家がいみじくも語っているとおり、彼はメフィストフェレスだ。われらが主人公はファウストであり、かつ小説家がバーの女給に語るように、「(胃)癌という十字架を背負ったキリスト」でもある。嘆願者を連れて助役室に行く渡辺はイエスとその弟子の姿を思わせ、工事中の公園で倒れ込む課長を抱きかかえる市民の姿はピエタを髣髴とさせる。

もう少し比喩を続けよう。講演で歓楽街で「命短し」を歌う渡辺の表情は、追い詰められたヒトラーか「悲劇王」チャップリンのようだった。公園でブランコに乗りながら同じ歌を口ずさむ彼の表情は浄化されたキリストそのものであり、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」同様の感動を観る者にもたらす。2000年の時を隔てて二人の「人の子」は、逆境の中で自分の死よりももっと大きなもののために自らの命をささげたのだ。ケーンとの決定的な違いはそこである。



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Last updated  2016.09.11 23:18:18
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